2023年6月23日 今日の出来事

コロナ定点、前週比1.09倍 沖縄最多28人超…厚労省

厚生労働省は23日、全国約5000の定点医療機関から6月12~18日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者は、計2万7614人だったと公表した。医療機関1カ所当たりの平均は5.60人で、前週(5.11人)の1.09倍とわずかに増加した。都道府県別では、沖縄が28.74人と突出して多かった。

厚労省の担当者は「緩やかな増加傾向が継続している。沖縄は増加幅が大きく、さらに感染者が増える可能性がある」としている。

都道府県別の1医療機関当たりの感染者数は、最多の沖縄以外はいずれも1桁で、鹿児島(9.60人)、千葉(7.57人)と続いた。最少は秋田の2.81人。新たに入院した全国の患者数は4417人で、前週から67人減った。

「来週にも医療崩壊」沖縄の医療関係者危機感 コロナ

沖縄県の12~18日の患者数は1医療機関あたり28.74人で、新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行した直後から1カ月あまりで4.73倍に急増した。県によると、新型コロナの入院患者数は500人を超え、今年1月の第8波を既に上回っている。

県立中部病院感染症内科・地域ケア科の高山義浩医師は「市中での感染拡大に加え、医療従事者の感染による人手不足と、院内感染によって医療逼迫が進んでいる」と指摘する。さらに、5類移行で県による入院調整がなくなったことも医療逼迫に拍車をかけているといい、「患者が救急医療機関に集中しないよう、症状やリスクに応じて、自宅や施設で療養を続けたり、地域の病院で治療したりするなどの整理が必要だ」と訴える。

沖縄、23日慰霊の日 玉城デニー知事、防衛強化に「大きな不安」

沖縄は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦の犠牲者らを悼む「慰霊の日」を迎えた。一般住民を含む約20万人が命を落とした日米両軍の地上戦から78年。沖縄県糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園で県と県議会主催の「沖縄全戦没者追悼式」が営まれた。

玉城デニー知事は「平和宣言」で、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有などを明記した国の安全保障関連3文書について「県民に大きな不安を生じさせている」と懸念を表明。対話や外交による緊張緩和を求めた。

政府は近年、軍事的活動を活発化させる中国などを念頭に、沖縄・鹿児島両県に連なる南西諸島の防衛体制を強化してきた。鹿児島県の奄美大島や沖縄県の宮古島、石垣島に陸上自衛隊駐屯地を開設し、ミサイル部隊を配備。沖縄本島や日本最西端の与那国島(沖縄県)にも新たなミサイル部隊の配備を計画する。

沖縄全戦没者追悼式で献花に向かう子どもたち=23日午後、沖縄県糸満市の平和祈念公園

両陛下がインドネシアの空港出発、帰国へ 若者との交流重視の訪問

天皇、皇后両陛下は23日、インドネシアでの公式訪問を終え、首都ジャカルタ近郊のスカルノ・ハッタ国際空港から政府専用機で羽田空港に向けて出発された。

両陛下にとって令和初の親善目的の外国訪問は、ジョコ大統領夫妻との親交を深めただけではなく、将来の日本とインドネシアの懸け橋となっていく若者らとの交流が重視された。また、21年ぶりの国際親善訪問となった皇后雅子さまは意欲的に行事への参加を果たした。

両陛下は沖縄慰霊の日に合わせ、滞在していたジャカルタのホテルで黙とうした後、空港へ向かった。

インドネシア出発を前に、見送りを受けられる天皇、皇后両陛下=ジャカルタ近郊のスカルノ・ハッタ空港で2023年6月23日

不明の潜水艇5人死亡か 米沿岸警備隊「壊滅的な内部破壊」

北大西洋の海底3800メートルに沈む豪華客船タイタニック号の探索中に行方不明になった潜水艇「タイタン」を捜索していた米沿岸警備隊は22日(日本時間23日未明)、無人探査機が海底で潜水艇の破片を見つけたと発表した。深海の水圧による「壊滅的な内部破壊」があったと考えられるという。運航する米オーシャン・ゲート社は同日発表した声明で、潜水艇に乗っていた5人全員が死亡したとみられるとした。世界的な注目を集めた深海の捜索活動は、最悪の結末を迎えた。

米東部ボストンで記者会見した沿岸警備隊の担当者によると、22日に潜水艇の最後部の破片がタイタニック号の船首の残骸から約490メートル離れた場所で最初に見つかった。その後、周辺に散らばる先端部や主要構造部など「五つの主要な破片」を確認した。タイタニック号の残骸と衝突した形跡はなく、深海の水圧に耐えられず水中で大破したとみられるという。

5月の物価高止まり、3.2%上昇 エネルギー除くと42年ぶり伸び、食品が押し上げ

総務省が23日発表した5月の全国消費者物価指数(2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が104.8と、前年同月比3.2%上昇した。政府の電気・ガス料金負担軽減策の効果で、伸び率は前月よりも鈍化したものの、原材料価格の高騰などで値上げが続く食品が全体を押し上げ、物価は高止まりしている。

一方、生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は4.3%上昇と、第2次石油危機時の1981年6月以来、約42年ぶりの伸びを記録。調査対象517品目のうち、8割以上に当たる436品目が上昇した。

物価を押し上げているのは、原材料価格や輸送費の高騰で値上げが相次ぐ食品が中心。生鮮食品を除く食料は9.2%と大幅に上昇した。これに対し、エネルギーは8.2%下落。政府の負担軽減策のほか、電気料金に上乗せされる「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の引き下げが影響したが、足元では円安が進み、先行きは見通しにくい。

全国消費者物価指数の月別推移

【1年前の今日の出来事】 2022年6月23日