植田和男氏、バランス感覚に定評 日銀布陣「絶妙に考えられている」
日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁の後任候補となる経済学者の、植田和男氏は東大経済学部長なども務め、理論家で知られる。1998年から7年間、日銀審議委員を務めた。99年に日銀がゼロ金利政策を導入した際には、アイデアを出すなど深く関わったとされる。
日銀審議委員として、当時、景気低迷の原因とされたデフレ経済の脱却に向けて、金融市場に潤沢に資金を供給した「量的緩和政策」を理論面から支えた。日銀内での信望も厚い。バランス感覚があり、伝統的な金融政策を重んじる植田氏は、審議委員を退任したあとは総裁候補としてたびたび名前が挙がった。
速水優元総裁の下で2000年8月、日銀が「ゼロ金利政策」の解除を決めた金融政策決定会合では、植田氏は反対票を投じた。この直後、景気後退に逆戻りし、日銀はすぐに量的緩和政策の導入を余儀なくされた。日銀は政界から猛烈な批判を浴び、安倍政権のアベノミクスで日銀が政治の介入を招く一因になった。
関係者によると、首相は植田氏について「黒田氏の路線を継承する人物だ」と語っているという。副総裁の後任に、安倍政権の幹部だった氷見野良三前金融庁長官、「黒田日銀」を支えた内田真一日銀理事を充てる方向となったことも「路線が大きく変わらないことを示す布陣」(安倍派若手)と評価する声が上がった。
死者2万4000人超 発生4日後に71人救出…トルコ地震
6日に起きたトルコ大地震による死者は11日、トルコ国内だけで約2万600人となった。トルコ災害緊急事態対策庁が明らかにした。隣国シリアと合わせた死者は2万4000人を超えた。倒壊した建物の捜索活動がほとんど行われていない被災地もあり、犠牲者数はさらに増えるとみられている。
トルコでの負傷者は8万人以上で、シリアでも数万人が負傷しているもようだ。国連世界食糧計画(WFP)は10日付の声明で、「温かい食べ物」を必要としている地震の避難民が少なくともトルコに59万人、シリアに28万4000人いると指摘した。
一方、行方不明の被災者の生存率が急激に下がるとされる「地震発生から72時間」が経過した後も、がれきの中からの「奇跡の救出」(トルコメディア)が相次いだ。
トルコでは6歳女児らが救助され、オクタイ副大統領は10日深夜、「過去24時間で67人ががれきの下から助け出された」と述べた。AFP通信によれば、シリアでも10日、6歳男児ら4人が救出された。
ロシアの五輪参加に反対 35カ国会合、仏は「今夏判断」
ウクライナ侵攻を続けるロシアと同盟国ベラルーシの2024年パリ五輪参加を巡り、日米欧など35カ国が参加するオンライン閣僚級会合が10日、開催された。AFP通信によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアの選手が「暴力と無法を体現したテロ国家の代表」になると主張し、五輪参加への反対を訴えた。
ロイター通信によれば、リトアニアの教育・科学・スポーツ相は、会合参加国がロシアとベラルーシの選手の参加禁止を求める方針だと述べた。ポーランドのスポーツ・観光相は「ギリシャ、フランス、日本を除く大半の国」が両国選手の排除に同意したと説明する一方、現時点でボイコットは議論対象ではないと語った。
パリ五輪開催国フランスのマクロン大統領は9日、ロシアの参加に関し今夏に見解をまとめる考えを示した。欧州連合(EU)首脳会議出席のため訪問したベルギーの首都ブリュッセルで、記者団に「夏に情勢を踏まえて(ロシア参加への賛否を)検討する」と述べた。
わんこそば228杯平らげた岩渕さんV 全日本大会、3年ぶりに開催
岩手名物「わんこそば」の食べっぷりを競う全日本大会が11日、岩手県花巻市の文化会館で開かれた。新型コロナウイルス感染拡大による休止を挟んで3年ぶりに開催された大会には、県内外から大食い自慢の180人が参加した。花巻市や花巻青年会議所などでつくる運営委員会が主催。
大会はわんこそばを花巻の名物として広めようと1957年に始まり、今回で第65回を迎えた。個人の部には台湾からも含めた30人が参加し、団体の部(3人1組)は40組、小学生の部(同)は10組が挑戦した。
個人の部では、同県一関市の岩渕恭史さんが228杯を平らげて優勝した。岩渕さんは「そば2キロを食べる特訓の成果が出た。3割が実力、7割は給仕さんのおかげ」と喜んだ。出場した小学生たちも「おいしかったし、楽しかった」「次はもっと多く食べたい」と笑顔を見せていた。
全国で新たに2万7371人が感染 死者は181人 新型コロナ
厚生労働省は11日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で2万7371人確認されたと発表した。前週の土曜日より約1万1000人減った。死者は181人だった。
主な都道府県の新規感染者数は、北海道872人▽東京都1752人▽愛知県1802人▽大阪府1916人▽福岡県1204人――など。
<新型コロナ・11日>東京都で1752人感染、15人死亡
東京都は11日、新型コロナウイルスの新たな感染者1752人と死者15人を確認したと発表した。1週間平均の新規感染者数は、11日時点で2140.3人で、前の週に比べて63.6%。
【1年前の今日の出来事】 2022年2月11日