今日の出来事(2022年6月23日) 沖縄戦から77年「慰霊の日」 追悼式に3年ぶり首相参列

沖縄戦から77年「慰霊の日」 追悼式に3年ぶり首相参列

沖縄は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦などの犠牲者を悼む「慰霊の日」を迎えた。日米両軍の激しい戦闘に住民が巻き込まれ、兵士を含め約20万人が命を落とした地上戦から77年。世界はロシアによるウクライナ侵攻を目の当たりにし、国家間の対立を武力で解決しようとする考えが今なお続く国際社会の厳しい現実に直面している。沖縄戦最後の激戦地となった沖縄県糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園には早朝から遺族らが訪れ、平和を受け継いでいく大切さをかみ締めた。

沖縄では1945年6月23日に日本軍の組織的戦闘が終結したとされるが、72年5月の日本復帰まで27年間、米国統治の苦難が続いた。住民の暮らしよりも軍事が優先され、人権や自治権は著しく制限された。広大な住民の土地が米軍基地として強制接収され、沖縄は安全保障上、重要な役割を担う「基地の島」に変貌した。核兵器も持ち込まれた。

沖縄全戦没者追悼式で献花に向かう子どもら=23日、沖縄県糸満市の平和祈念公園

岸田首相に「帰れ」 市民から抗議の怒号 沖縄全戦没者追悼式

沖縄県糸満市で23日に営まれた沖縄全戦没者追悼式で、「基地負担の軽減に全力で取り組む」などとあいさつした岸田文雄首相に対し、会場周辺で式の様子を見ていた市民から「帰れ」「沖縄の声を聞いて」などと抗議の声が飛んだ。

米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古沿岸部への県内移設計画を巡っては、2019年2月の県民投票で埋め立てに反対が7割を超えたが、政府はその後も埋め立てを続け、反対の声が根強い。

追悼式には県が3年ぶりに首相を招待し、岸田首相は就任後初めて参列した。会場周辺では「岸田、帰れ」「沖縄を二度と戦場にさせない!」などと書かれたプラカードを持った人たちが立ち、岸田首相があいさつすると、「沖縄に基地を押しつけるな」「聞く力見せてみろ」などと怒号が断続的に飛んだ。

岸田首相はあいさつで沖縄振興による経済発展や基地負担の軽減について言及したが、辺野古移設については触れなかった。

「基地負担の軽減に全力で取り組む」3年ぶりに総理出席

天皇ご一家が黙とう 沖縄慰霊の日

宮内庁は23日、沖縄慰霊の日に合わせて天皇、皇后両陛下と長女愛子さまが皇居・御所で、上皇ご夫妻はお住まいの仙洞御所(東京都港区)でそれぞれ黙とうされたと発表した。両陛下は同日夕、内閣府の沖縄政策担当から日本本土復帰50周年に関する説明を御所で受けた。

坂本新会長「海洋放出は反対」 東電福島第1原発の処理水―全漁連

全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信新会長(千葉県漁連会長)は23日、東京都内で記者会見を開き、東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出について「全国の漁業者や国民の理解が得られず、反対だ」と表明した。同原発事故後に食品スーパーなどから水産物購入を拒否されたことに触れ、「(処理水を)放流した場合、その先にある不安は打ち消せない」と強調した。

全漁連は会見の前に開催した通常総会で、岸宏氏から坂本氏への会長交代を報告。総会では海洋放出に断固反対する特別決議を全会一致で決めた。

法隆寺クラファン わずか8日で1億円突破 「想像を絶するご支援」で返礼品なくなる事態も

世界遺産の法隆寺(奈良県斑鳩町)が6月15日から開始したクラウドファンディングが23日、とうとう1億円に到達した。開始からわずか8日間で、支援者は5111人(23日10時20分現在)。

法隆寺は「通常の維持管理の費用は、参拝にお越しいただいた方々の拝観料で賄っております。」と説明。だが、令和2年以来、新型コロナウイルスの感染拡大で拝観者が激減。昨年は「50%程度」まで戻ったとしたが、「まだまだ厳しい状況が続いております」ということからクラウドファンディングで資金を集めることを決意。「世界遺産法隆寺ー1400年の歴史遺産を未来へー」と題し15日に開始した。

だが、わずか1日で目標金額の2000万円に到達。その後も当初の7月29日まで行なう、としたが“支援の輪”は止まらず、22日には「想像を絶するご支援に対し、準備させていただいた返礼品がなくなってしまうという事態になっております。ご希望いただいたお品を準備できず誠に申し訳なくお詫び申し上げます」と報告。

法隆寺は推古15(607)年、聖徳太子によって創建され、現存する世界最古の木造建築群39件、と国宝138点、重要文化財と附指定を含め約3000点の仏教美術品が所蔵され、世界文化遺産に登録されている。

たった1日で『3500万円』法隆寺のクラファンに殺到!
たった1日で『3500万円』法隆寺のクラファンに殺到!

認知症不明、1万7636人 昨年、9連続最多―警察庁

昨年1年間に全国の警察に届け出のあった認知症の行方不明者は、前年比71人増の1万7636人だったことが23日、警察庁のまとめで分かった。統計を取り始めた2012年の1.8倍で、増加は9年連続。

警察は、自治体の防災無線を活用するなどして早期発見に努めている。昨年中に所在が確認されたのは20年以前の届け出分10人を含め1万6977人で、7割超の1万2540人は届け出の受理当日に確認された。一方、路上などで死亡が確認されたのは450人だった。

都道府県別では大阪が最多の1895人で、埼玉1875人、兵庫1804人、神奈川1604人、愛知1542人、東京1215人と続いた。

認知症以外を含む行方不明者の総数は前年比2196人増の7万9218人で、男性が5万289人、女性が2万8929人。10~30代の若年層の増加が目立った。10代は1万3577人で、原因は家庭関係が37%を占め、学業関係が10%、認知症以外の病気が3%だった。

全国で新たに1万6676人感染確認 前週から約1200人増

新型コロナウイルスの感染者は23日、全国で新たに1万6676人確認された。前週の同じ曜日から約1200人増えた。3日続けて、1週間前よりも増加した。死者は15人。重症者は前日から2人増えて38人。

東京で新たに2413人感染確認 前週から600人増 新型コロナ
東京都は23日、新型コロナウイルスの感染者が新たに2413人確認されたと発表した。前週の木曜日(1819人)から約600人増え、6日連続で前週の同じ曜日を上回った。新たに1人の死亡も確認された。

【1年前の今日の出来事】 2021年6月23日