【ウクライナ情勢・・国際社会、強まるロシア包囲網、追加制裁を正式決定】
米、ウクライナ大統領の避難支援へ ゼレンスキー氏は「とどまる」
米政府は、ロシアの侵攻目的について、キエフを制圧したうえで、ゼレンスキー政権を転覆させ、親露派政権を打ち立てることだとみている。ポスト紙によると、米政府は数週間前からゼレンスキー氏に対して「ロシア軍の標的」になっていると警告している。ロシアの本格侵攻前から暗殺チームがすでにキエフに潜伏しているとの情報もあるという。ゼレンスキー氏はソーシャルメディアに動画を頻繁に投稿して自身がキエフにとどまっていることを強調し、ウクライナ国民の結束を図っている。
ロシア軍、キエフへの攻撃強化か 複数の爆音 ロイターなど報道
ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は26日未明(日本時間26日午前)、首都キエフへの攻撃を強めたとみられる。ロイター通信などによると、キエフで複数の大きな爆音が響き渡ったという。
ロシア軍、クラスター弾で病院攻撃か 国際人権団体が調査―ウクライナ侵攻
国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は25日、ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍が、2010年に発効したオスロ条約で禁止されているクラスター弾を使用したと報告した。ウクライナ政府が統治する東部ドネツク州の病院そばで24日にクラスター弾を搭載したミサイルが撃ち込まれ、民間人4人が死亡し、医療従事者を含む10人が負傷したという。クラスター弾は多数の子弾を広範囲にまき散らす殺傷力の高い爆弾。
国際社会、強まるロシア包囲網 安保理決議案、中国「棄権」の事情
主権国家であるウクライナへのロシアの武力行使が公然と続く中、国際社会からはロシアを非難する声が高まっている。国連安全保障理事会(15カ国)によるロシア非難決議案は25日、ロシア自身による拒否権で否決されたが、中国は拒否権を行使せず「棄権」に回り、国際社会の声に一定の配慮を示した。一方、北大西洋条約機構(NATO)も「即応部隊」として初の集団防衛のための東欧派兵を決めるなど、対露包囲網が強まっている。
ロシア追加制裁を正式決定 金融や半導体対象、プーチン氏も―EU
欧州連合(EU)は25日、ブリュッセルで緊急外相理事会を開き、ロシア軍によるウクライナ全面侵攻を受けた追加制裁を正式決定した。金融分野への制裁や半導体などの輸出規制のほか、プーチン大統領とラブロフ外相を資産凍結の対象とした。24日の首脳会議で合意した内容で、米英や日本などと足並みをそろえた。プーチン、ラブロフ両氏への制裁は25日に加えた。
SWIFT排除でEU分断 対ロシア制裁、エネルギー懸念が影
ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、西側諸国は厳格な対ロシア制裁措置に合意したが、「金融核兵器」とも呼ばれる国際銀行間通信協会(SWIFT、スイフト)の決済網からの排除については、エネルギー供給の途絶を懸念する欧州連合(EU)主要国の抵抗により発動が見送られた。
SWIFTからロシア排除「ためらわない」 仏財務相が追加制裁容認
フランスのルメール財務相は25日、ウクライナに軍事侵攻したロシアへの経済制裁をめぐり、国際送金業務を担う国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアを排除する措置について、「フランスにためらいはない」と前向きな姿勢を示した。フランスはこれまで、「ロシアとの関係をすべて断絶するのは国益にならない」(仏大統領府)として発動に慎重だったが、ロシアが軍事侵攻で一線を越えたと判断。容認に傾いた。
日本政府、ロシア軍「侵略」認定 米と連携し非難、中国けん制も
日本政府は、ロシアのウクライナ侵攻を「侵略」と認定した。林芳正外相は26日の日米外相電話会談の後、「ロシア軍による侵略」などと複数回、記者団に述べ厳しい対ロ姿勢を打ち出した。複数の政府関係者によると(1)過去の国連決議が示した侵略の定義に該当する(2)米国など複数国も「侵略」と表現している―実情を踏まえた判断。先進7カ国(G7)各国と連携し、ロシアの侵略への非難を強める構えだ。台湾を武力統一する可能性を排除していない中国をけん制する狙いもある。
「いずれ日本の私たちにも影響」 ウクライナ侵攻に抗議、各地でデモ
ロシアによるウクライナ侵攻に抗議する集会が26日、国内各地で開かれた。東京、広島、長崎――。国籍や年齢、立場に関係なく、それぞれの場所で、多くの人が反戦の声を上げた。
ウクライナを度々訪れ、現地に知人がいるという田中智さん(24)は、キエフに住む友人からメールで受け取ったメッセージを印刷して掲げた。爆撃により、家族が生まれ育った町から去らざるを得ない状況が英語でつづられていた。
「NO WAR」と書かれた紙を通行人に配っていた大学生、土井美亜さん(20)=東京都=は「日本にいるから安全というわけではない。世界の情勢はいずれ私たちにも影響する。今立ち止まるのではなく、声を上げるべきだと思った」と話した。
ウクライナ出身のパブリー・ボグダンさん(49)は、キエフで暮らす高齢の家族を心配しつつ、「応援してくれる日本人がいて、とてもうれしい」と話した。
「戦争に反対している。私も、私の周りのロシア人もみんな」。そう語気を強めたのはモスクワ出身で日本語学校に通うニキータ・チホノフさん(19)だ。
「東欧のシリコンバレー」揺れるIT強国ウクライナ 侵攻の影響は
ロシアの侵攻に揺れるウクライナは、国内IT(情報技術)産業が急成長しており、「東欧のシリコンバレー」と呼ばれることも増えてきた。米グーグルや日立製作所など世界の巨大企業がビジネスを拡大中だっただけに、ウクライナ情勢の悪化は世界のハイテク産業の行方にも暗い影を落としそうだ。
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、ウクライナの人口約4400万人に対し、18年時点でIT技術者は18万人、25年には25万人にまで拡大する見通しだ。周辺国に比べIT人材が飛び抜けて多いうえ、人件費が米国の4分の1程度と安いことから、米欧を中心にウクライナとのビジネスが加速していた。こうした中で始まったのがロシアによる侵攻だ。
トンガの友へ、届けヒマワリ 小学生の発案で絵手紙112通
南太平洋・トンガ沖で起きた海底火山の大規模噴火や津波で被災した島国トンガと交流がある秋田県大館市立釈迦内小(花田一雅校長、211人)は、駐日トンガ王国大使館(東京都港区)のテヴィタ・スカ・マンギシ大使宛てに全校から集めた激励の絵手紙112通を郵送した。手紙には友情の証しであるヒマワリの花の絵が描かれ、早期復興を願う児童たちの言葉がつづられている。
手紙は5、6年生の全員と1~4年生の有志が書き、日本語と6年生が担当した英訳付き。ヒマワリを描いた手紙には「すべて元通りになりますよう願っています」「とても大変だと思いますが、応援しているので笑顔で頑張ってください」などとつづった。花田校長は「発案を耳にした時は驚いたが、思いがトンガの子に届いてくれたら」と話した。
釈迦内小とトンガの交流が始まったのは2019年9月。当時、在トンガ日本大使館員だった秋田市出身の斎藤昇さん(35)が小学校を訪れたのをきっかけに、ヒマワリ栽培に取り組む児童たちがトンガの子供たちにも育ててもらおうと、畑で採種した約5000粒の種を斎藤さんに託したのが始まりだった。
【1年前の今日の出来事】 2021年2月26日