2021年6月17日

米ロ首脳、融和ムード演出 軍備管理に向け新協議へ
バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は16日、ジュネーブで開かれた首脳会談で、両国が新たな軍備管理協議を始めることに合意した。サイバー攻撃対策も協議し、対立が続いた関係改善に踏み出した。ただ、人権問題などでは議論は平行線だった。約3時間半続いた会談後、両首脳は別々に記者会見を開催した。バイデン氏は「米ロ関係への対処について、明確な基盤ができた」と述べた。プーチン氏も「多くの点で立場が違うが、会談は相手を理解し近づける道を見つけたいという双方の望みが示された」と述べ、融和ムードを演出した。両首脳は「戦略的安定」と題した共同声明を発表し、新たな軍備管理協議の開始を明記した。

香港警察 大手紙の主要幹部5人を逮捕
香港警察は17日、中国当局に批判的な論調で知られる香港紙、蘋果(ひんか)日報の羅偉光総編集(編集局長)、陳沛敏副社長ら幹部5人を、香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕した。外国勢力と結託し国家の安全に危害を加えたとしている。さらに同紙と関連会社の資産のうち計1800万香港ドル(約2億6000万円)相当を凍結すると発表した。

中国が有人宇宙船打ち上げ成功 ステーション建設加速
中国の有人宇宙船「神舟12号」が17日午前、中国北西部の酒泉衛星発射センターから打ち上げられ、同日夕、4月に打ち上げた中国独自の宇宙ステーションの中核部分「天和」とのドッキングに成功した。国営中国中央テレビなどが伝えた。宇宙飛行士3人が3カ月滞在し、来年のステーション完成に向けて建設を加速する。中国の有人宇宙船打ち上げは2016年以来、約5年ぶり7回目。宇宙飛行士がステーションに滞在して建設作業をするのは初めてで、船外活動も行うという。完成までに、有人宇宙船4回を含む計11回の打ち上げを計画している。

ミャンマー選手が帰国拒否 「難民申請する」と表明
5月下旬に千葉市で行われたサッカー・ワールドカップ(W杯)予選試合で、クーデターを起こしたミャンマー国軍への抗議を示す3本指を掲げた同国のピエ・リヤン・アウン選手(27)が帰国を拒否したことが16日、分かった。同選手は17日未明、関西空港で報道陣に「自分の意思で帰国を拒否した。これから難民申請する」と支援者を通じて語った。日本法務省は5月、緊急避難措置として日本在留の継続を望むミャンマー人に在留延長を認めると発表していた。同選手は他のミャンマー選手とともに16日深夜に関西空港から帰国の途に就くことになっていた。

「共産との連立政権考えていない」 立憲・枝野氏が表明
立憲民主党の枝野幸男代表は17日、総選挙後に政権を担った場合の枠組みについて、「共産党との連立政権は考えていない」と発言した。支持団体の連合の内部会合に出席した後、記者団に語った。国民民主党と連携に向けた協議を加速化させるという。「共産党との関係は、理念に違っている部分があるので連立政権は考えていない」と明言した。その一方で、「共有する政策もある。パーシャル(部分的)な連携や候補者の一本化について努力していきたい」と説明した。

買収事件の1.5億円振り込み 菅首相「当時の総裁と幹事長で」
菅義偉首相は17日夜、首相官邸で記者会見した。2019年の参院選広島選挙区の買収事件で、当選無効となった河井案里氏陣営に自民党から振り込まれた1億5000万円について、「当時の(自民党)総裁と幹事長で行われていることは事実ではないか」と述べた。首相は安倍晋三前首相に説明を求めるかを問われ、「そこは安倍(前)首相というよりも、当時の総裁、幹事長、そういう中で行われている」などと述べた。また、河井氏に多額の歳費が支払われたことに関し、「自民党総裁として党内の議論が進むよう促したい」と述べた。

「ワクチン証明書」を発行へ 7月から、交付は市区町村
加藤勝信官房長官は17日の閣議後会見で、新型コロナウイルスワクチンの接種を公的に証明する「ワクチン証明書」の発行を7月中下旬から始める方針を明らかにした。当面は、日本からの海外渡航者向けに発行するという。加藤氏は「予防接種法に基づくワクチン接種を実施し、記録を管理している市区町村において、発行していただく」と説明。そのうえで「まずは書面での交付とし、電子での交付も見据えて検討を進める」と述べ、早ければ来週にも自治体に対しての説明を始める考えを示した。

東京五輪「コロナ拡大の予兆なら無観客に」 尾身氏ら有志が推奨
政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」などの専門家有志が、東京オリンピック・パラリンピックによる感染拡大リスクを評価する見解案をまとめた。観客を入れる場合は、政府の大規模イベントの人数制限よりも減らし、感染が広がる予兆があれば無観客にすることを推奨した。会場内の感染リスクが最も低いのは無観客での開催とした。

リュウグウの石と砂、分析チームに引き渡し 水や有機物を確認
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は17日、探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから持ち帰った石や砂のうち約0.5グラムについて、分析研究を担当する国内の8チームへ分配する引き渡し式を相模原市内で開いた。一部の分析を始めた岡山大の中村栄三教授によると、水や有機物が大量に含まれていることが確認できたという。チームは1年かけて、太陽系の成り立ちや、生命と海の原材料がどのように地球へ運ばれたかという謎を明らかにすることを目指す。はやぶさ2は2回の着陸で計5.4グラムの試料を採取し、昨年12月に試料の入ったカプセルが地球へ帰還した。

辛坊治郎さん、ヨット太平洋単独無寄港横断に成功 8年越し夢かなう
ラジオで中継したニッポン放送によると、辛坊さんは4月9日に大阪を1人で出発。全行程は約9000キロで、途中に寄港せず、70日かけて横断した。辛坊さんは2013年6月にもヨットで太平洋横断に挑戦したが、宮城県沖で遭難、救助されており、8年越しでの成功となった。到着後、辛坊さんは同局の番組で「8年間ずっと漂流を続けてきた気持ちだったが、やっと今日で終わった」と心境を語った。