2021年6月3日

米景気、拡大ペース加速 物価上昇と人手不足顕著―FRB報告
米連邦準備制度理事会(FRB)は2日公表した全米12地区の連銀景況報告(ベージュブック)で、5月下旬までの景気は「前回報告(4月)から幾分速いペースで緩やかに拡大した」と判断を引き上げた。部品などのサプライチェーン障害や雇用確保の難航で物価上昇圧力が強まったと指摘した。

新型コロナウイルスワクチン普及に伴う経済再開により、一部地区は景気が「大幅に拡大」(サンフランシスコ連銀)と報告した。個人消費が盛り上がり、娯楽や外食といった業種で改善が目立った。物価は前回から上昇圧力がさらに強まった。自動車生産などで供給網障害が継続。原材料も値上がりし「企業が悪影響を受けている」(カンザスシティー連銀)との懸念が示された。雇用も緩やかに回復。労働力需要に供給が追い付かず、「特に低賃金の時間給労働者の新規採用が難しい状態が続いている」という。初任給引き上げやボーナス増額で雇用を確保する動きも報告された。

政府 あすにも台湾にアストラゼネカのワクチン提供する方針
政府は新型コロナウイルスの感染が急拡大している台湾に対し、4日にもアストラゼネカのワクチン、およそ120万回分を提供する方針を固めた。提供されるのは国内では当面、公的な接種に使わない方針のアストラゼネカのワクチン。

英、インド太平洋に傾斜 TPP参加「大きなチャンス」
英国の環太平洋連携協定(TPP)参加に向け、日本など加盟11か国が協議に入ることが2日、正式に決まった。英政府は早速歓迎の意を表明。太平洋から遠く離れた位置にありながら、昨年1月の欧州連合(EU)離脱後はインド太平洋地域との関係強化に傾斜している。

トラス英国際貿易相は「TPP加盟は大きなチャンス。英国の経済の重心を欧州から世界の急成長地域に移すことができる」と語った。英国は昨年日本と2国間貿易協定で合意したのに続き、TPP加盟国のオーストラリアとの貿易交渉を今月中にも妥結したい考え。いずれもTPP加盟への足掛かりとするためで、インド太平洋地域との経済的結び付きの強化を急いでいる。

イスラエル政権交代の流れ演出 ユダヤ人極右政党のナフタリ・ベネット党首
イスラエルで政権交代の流れを演出した極右政党「ヤミナ」のベネット党首(49)はネタニヤフ氏の政権で国防、経済、教育などの閣僚を歴任し、同氏と二人三脚で政治経験を重ねてきた。しかし、ヤミナが3月下旬の国会選で7議席を得たことでベネット氏は左右両派から政権入りを請われるキングメーカーとなり、最終的にネタニヤフ氏と決別する道を選んだ。

収賄罪に問われ、保身のため首相続投に固執しているとも指摘されたネタニヤフ氏について、ベネット氏は「個人の戦いに国を巻き込もうとしている」と批判。親ネタニヤフのユダヤ人右派からは「裏切り者」との非難が飛んでいる。ベネット氏は熱心なユダヤ教徒。パレスチナ側が将来の独立国家の「領土」と位置付ける占領地ヨルダン川西岸地区で、自らもユダヤ人の入植活動を推進した経験を持つ対パレスチナ強硬派だ。