【社会】
桜満開、花見客にぎわう 感染者増、不安視も―宣言解除後初の週末・東京
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言の全面解除から初の週末となった27日、東京都内の桜の名所は多くの花見客でにぎわった。宴会を伴う花見自粛が求められ、歩きながら桜を楽しむ人の姿が目立つ中、「感染者が増えつつあるのに」と混雑を不安視する住民の声もあった。
大阪城公園、嵐山…桜の名所で人出大幅増 感染拡大を懸念の声も
新型コロナウイルスの感染が再拡大しつつある中、関西の桜の名所が見ごろを迎え、花見の行楽客らでにぎわっている。携帯電話のデータによると、26日昼の人出は1週間前より大幅に増え、週末の27日も好天に恵まれて大勢の花見客が見られた。感染防止のために飲食などが禁じられ、スマートフォンを手に歩きながら桜を楽しむなど例年とは異なるスタイルとなっているが、中には飲食する人もいて感染拡大を懸念する声が聞かれた。
東京都、新たに430人感染確認 リバウンド傾向続く
東京都は27日、新型コロナウイルスの感染者を新たに430人確認したと発表した。1週間前の20日の342人と比べて88人多く、8日連続で前週の同じ曜日を上回った。27日までの1週間平均の感染者は342・9人で、前週比は114・8%だった。27日に確認された新たな感染者を年代別にみると、20代が107人で最も多かった。30代は74人、40代は56人、50代は54人、60代は32人、70代は35人だった。10代以下は45人、80代以上は27人だった。
大阪で新たに386人が感染 350人超えは1月以来
大阪府は27日、新たに386人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。前日を86人上回り、2日連続で300人を超えた。350人以上が確認されたのは、397人だった1月28日以来となる。感染が確認された386人のうち、年代別では20代と30代が166人で、全体の約4割を占めた。
ワクチン接種、8割が希望 拒否理由は「副反応」が最多―中央調査社
世論調査機関の中央調査社が3月に実施した新型コロナウイルスに関する調査で、ワクチンを接種したいか聞いたところ、接種を希望する人が約8割に上った。若者より高齢者の方が接種を望んでいる傾向もうかがえた。
ワクチン接種について、「他の人の様子を見て、社会である程度接種が進んでから接種したい」が最多の44.5%で、「すぐに接種したい」の34.3%と合わせると、「接種したい」が78.8%となった。一方、「接種したくない」は9.5%だった。
年代別では、「接種したい」の最多は60代の83.2%で、最少は20代の71.7%。男女別にみると「接種したい」としたのは、男性(81.6%)が女性(76.3%)を上回った。
「接種したくない」とした理由(複数回答)では、「接種後の副反応のリスクがある」が最多の63.5%で、「効果があるか分からない」(40.2%)、「その他」(12.9%)と続く。
【政治】
マイナンバー4000件誤入力 厚労省、カードの保険証利用延期
マイナンバー(個人番号)カードを健康保険証として利用できる新システムで公的医療保険の加入者約4000人分の個人番号が他人と取り違えるなど誤入力されていたことが分かった。患者が受診する際、他人の個人情報が医療機関の端末に表示される恐れもあるという。他にも患者情報が確認できないトラブルが相次ぎ、厚生労働省は予定していた3月下旬の本格運用を遅ければ10月に延期する。
【国際】
バイデン米大統領、中国の「一帯一路」に対抗 新経済圏構想を提案
バイデン米大統領は26日、ジョンソン英首相との電話会談で、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗するため、民主主義国家が連携して途上国の開発を支援する構想を提案した。国際社会の現状を、中国やロシアとの対抗を念頭に「21世紀の民主主義国家と専制国家のどちらが有益かをめぐる戦いだ」と説明。民主主義国の結束を重視する考えを示している。
気候変動サミットに菅氏、習近平氏ら招待、米ホワイトハウス
米ホワイトハウスは26日、バイデン大統領が4月下旬に主催する気候変動に関する首脳会議(気候サミット)に、世界各国・地域の首脳40人を招待したと発表した。招待したのは、菅義偉首相、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領ら。中国とは人権問題や安全保障、経済などで激しく対立しているが、中国は温室効果ガスの世界最大の排出国。グローバルな課題では協力する意向を示した形だ。首脳会議は4月22、23日の2日間、オンラインで行われる。
ミサイル「国連決議違反」 米大統領、北朝鮮批判
バイデン米大統領は25日、就任後初めてホワイトハウスでの記者会見に臨み、北朝鮮の弾道ミサイル発射について「国連安全保障理事会の決議に違反する」と述べた。バイデン政権発足後初の北朝鮮による弾道ミサイル発射で、米政府の対応が注目されていた。トランプ前大統領は米国本土への脅威とならないミサイルは問題視しなかったが、バイデン政権は日本と歩調を合わせ、短距離でも容認しない姿勢を明確にした。
欧州、30日の協議要請 北朝鮮ミサイルで国連安保理
北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、英仏など国連安全保障理事会の欧州5か国は、安保理で30日に北朝鮮情勢を協議するよう要請した。安保理外交筋が26日明らかにした。協議は非公式の形で行われる。北朝鮮の弾道ミサイル発射は安保理決議で禁止され、これまで安保理で協議されてきた。安保理の大半の国は今回の発射に懸念を示しているが、中ロはかねて対北朝鮮制裁の緩和を求めており、今回の発射で安保理が一致した行動を取るのは難しい情勢だ。
25年間の経済安保協定調印 イランと中国、反米共闘
イランと中国は27日、今後25年にわたり経済や軍事面での協力を強化する包括協定を締結した。中国の王毅外相がイランの首都テヘランで、ザリフ外相と共に協定に調印した。核開発などで米国と対立するイランと、対米関係悪化に直面する中国の思惑が一致し、「反米共闘」を印象付ける形となった。協定では、中国がイランの港湾・道路整備、エネルギー分野、高速大容量規格「5G」構築などに投資。イランは見返りに中国へ原油を格安で安定供給する。
ロシア、北極圏で大規模演習 プーチン氏「史上初」 極地開発の主導権狙う
ロシア海軍は26日、北極圏で行っている軍事演習を含む「北極探検」の成果をプーチン大統領に報告した。ロシア史上初の北極圏での戦闘機への空中給油や原子力潜水艦の同時浮上、氷面下からの魚雷発射などを訓練したとしている。プーチン氏は探検の規模について「ソ連時代を含め、過去に例がない」と満足感を表明し、北極圏の研究を継続するよう指示した。地球温暖化に伴う氷の減少などで、ロシアなど北極圏周辺諸国は同地域での資源開発や航路開発などを進めている。ロシアは極地での軍事遂行能力を高め、北極圏開発における主導権を握る狙いとみられる。
ミャンマー 軍の式典に合わせ抗議デモ、91人死亡
ミャンマーでは、27日軍の記念日の式典が行われ、ミン・アウン・フライン司令官は演説で、クーデターの正当性を改めて主張した。これに反発し、27日も各地で抗議デモが行われたが、地元メディアは治安部隊の発砲などで1日だけで少なくとも91人が死亡したと伝えた。この式典は、1945年、旧日本軍に対して、独立勢力が蜂起した日を記念して開かれ、きょう午前、首都ネピドーで軍のトップ、ミン・アウン・フライン司令官が演説した。
NY州が米国初の「ワクチンパスポート」 接種歴をアプリで表示
米東部ニューヨーク州のクオモ知事は26日、新型コロナウイルスワクチンの接種証明や検査の陰性証明を携帯電話の無料アプリなどで表示する「エクセルシオール(「さらに高く」を意味するニューヨーク州の標語)・パス」の利用開始を発表した。
利用者は必要情報を入力してパスを取得し、イベント入場時にパスのQRコードを印刷するかアプリで提示。このサービスに加盟する施設が読み取れば、接種証明や陰性証明を確認できる仕組みで、開発にはIBMの協力を得た。大型施設からまず利用を開始し、4月2日から小規模施設に拡大する。クオモ氏は「パスはウイルスと戦いながら、経済のさらなる安全な再開を可能にする新たな道具だ」と述べた。
ICU受け入れ限界 1日の死者3000人超したブラジルの危機
新型コロナウイルスの変異株が猛威を振るうブラジルで流行の第2波に歯止めがかからない。病院の集中治療室(ICU)の受け入れ態勢が限界を超えたことに起因した死者も相次ぎ、23日には1日の死者数が初めて3000人を超えた。世界保健機関(WHO)はこの日、ブラジルでの感染拡大が周辺国に波及していると警告も発した。
【サイエンス】
仏教経典学んだAI、悩みに答えるシステムを開発 京大研究グループ
仏教の教えが日々の暮らしに生かされるようにしたいと、京都大学の研究グループは、仏教の経典を学んだAI(人工知能)が人々の悩みに答えるシステムを開発した。仏教の最も古い経典「スッタニパータ」を学習させたAIが、人々の悩みや社会問題の解決につながるような仏教の教えを自動で回答する。
デモンストレーションでは「どうすればコロナ禍で楽しく過ごせるか」という問いに対し、「思いやりの心を持つ清らかな人たちと過ごすことが大事だ」などと説いた。