2021年2月9日

「買収原資は党本部の金」元会計担当者の調書 河井元法相公判
2019年7月の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、公選法違反(買収、事前運動)に問われた元法相の衆院議員、河井克行被告の公判が9日、東京地裁で開かれた。妻の案里元参院議員の陣営スタッフへの現金供与について、検察側は「自民党本部からの入金が原資となった」とする元会計担当者の供述調書を読み上げた。自民党本部は参院選前の19年4~6月、夫妻の政党支部に計1億5000万円を入金。この資金の一部が買収に充てられた可能性を示す内容。うち1億2000万円は税金が元手の政党交付金であることが判明している。

米空母が南シナ海で演習 バイデン政権で初、中国けん制
米海軍第7艦隊は9日、原子力空母2隻が南シナ海で軍事演習を行ったと発表した。同様の演習は、バイデン政権発足後初めてで、南シナ海の軍事拠点化を進める中国を牽制する狙いがあるとみられる。演習をおこなったのは、ニミッツとセオドア・ルーズベルトの空母2隻を中心とする二つの空母打撃群。指揮官は「こうした活動を通して、米国は自由で開かれたインド太平洋の推進に取り組んでいると、地域の友好・同盟国に示し続けることができる」と強調した。

福島の風力発電、3倍に 復興加速へ新エネ構想改定
経済産業省は8日、福島県の復興と再生可能エネルギー促進を目的とする官民会議を開き、同県の風力発電供給量を2024年度をめどに20年度比で3倍の360メガワットに拡大する改定版「福島新エネ社会構想」を正式に決定した。

牛のふん尿から液体燃料 CO2排出しない世界初の技術
オホーツク海沿岸の北海道興部町と大阪大学などが、乳牛のふん尿を活用した新たな産業育成に乗り出す。ふん尿から発生するバイオガスを世界初の技術で液体燃料のメタノールなどに変換し、二酸化炭素(CO2)を出さない「脱炭素」のエネルギーとして地域で利用する構想だ。酪農が盛んな道内各地に広がる可能性がある。

町内に約1万頭いる乳牛のふん尿をすべて使ってメタノールなどを生産した場合、町内の公共施設や水産加工施設で使うエネルギーの全量と、乳業工場の3分の2のエネルギーをまかなえる規模になるという。メタノールは全量を輸入に頼るが、国内の乳牛のふん尿をすべて使えば、輸入量の2割を代替できるという。