逃げまくる安倍元首相、しれっと“ウクライナ派”に転向! 安倍氏の“負の遺産”がこの国に重くのしかかる。

都内の講道館を訪れ、笑顔で言葉を交わすロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)と安倍晋三首相(2016年12月16日撮影) 政治・経済

逃げまくる安倍元首相しれっと“ウクライナ派”に転向!赤っ恥「ロシア外交失敗」は語らず(日刊ゲンダイ 公開日:2022/03/25 13:50 更新日:2022/03/25 17:07)

「蛮行は許さない」

メディアの取材から逃げまくっていた安倍元首相が24日、ようやくカメラの前で口を開いた。

何から逃げていたのかというと、赤っ恥アベ対ロ外交の“落とし前”だ。ウクライナ侵攻を理由とする日本の経済制裁に反発したロシアが21日、北方領土問題を含む日本との平和条約締結交渉を中断すると発表した。これを受け22日、在任中にプーチン大統領との“蜜月”で交渉を進めてきた安倍元首相に記者団が取材要請したが、「時間が取れない」として応じなかったという。

23日のウクライナのゼレンスキー大統領の国会演説の際も、安倍元首相は会場の後方にいて、終了後、メディア対応を避けるように早々と帰ってしまったようだ。

で、24日の安倍派の定例会合での冒頭の発言となったわけだが、驚いたことに安倍元首相は、「ゼレンスキー大統領とは2019年に来日した際に会談した」「その前の大統領とは5回会談した」などウクライナとの“親密度”をアピール。ゼレンスキー演説に日本中が沸いた翌日にちゃっかり転向するとはア然だ。

一方で、ロシアとの平和条約交渉が事実上の白紙となったことには一言も触れずじまい。「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」という今となっては恥辱のフレーズは黙殺したいらしい。

重すぎる負の遺産

「4島から2島返還に勝手に舵を切り、プーチン大統領との“個人的信頼関係”をアピールし、自分のレガシーにしようとして失敗した。自らの責任について何も語らないのはおかしい」(永田町関係者)

領土問題解決と平和条約締結に向けた「新しいアプローチ」として進めた8項目の経済協力も頓挫だが、ロシア絡みのエネルギー事業では、対ロ制裁への対抗手段としてロシアが日本を含む「非友好国」向けの“奇策”を打ち出した。企業が天然ガスを購入する際に「ルーブル払い」を要求してきたのだ。

「中央銀行が外貨準備としてルーブルを持っていることはまれです。金融制裁の尻抜けにならないようにルーブルを調達するのも難しい。ロシアのLNG(液化天然ガス)の権益を手放したくない商社も日本政府にとっても悩ましい」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)

安倍元首相の“負の遺産”がこの国に重くのしかかっている。