維新の前川清成衆院議員書類送検 公示前に投票呼びかけ文書配布疑い

維新・前川議員_「選挙はがき」郵送で書類送検 政治・経済

維新の前川清成衆院議員書類送検 公示前に投票呼びかけ文書配布疑い(毎日新聞 2022/1/14 15:12 最終更新 1/14 21:36)

2021年10月の衆院選で、公示前に自身への投票を呼びかける文書を有権者に送ったとして、奈良県警は14日、日本維新の会の前川清成衆院議員(59)=比例近畿=を公職選挙法違反(法定外文書頒布、事前運動)の疑いで書類送検した。

県警は検察に起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。罰金以上の刑が確定すれば失職し、原則5年間、公民権停止となる。前川氏は「公選法に抵触するところはないと確信している」とのコメントを出した。

送検容疑は衆院選公示前の10月中旬ごろ、自身への投票を呼び掛ける文書数十通を母校・関西大の卒業生らに送ったとしている。

捜査関係者などによると、文書は選挙運動期間中にのみ使用が認められている「選挙はがき」に宛名やメッセージなどの記入を依頼する内容で、はがきや返信用封筒などをセットにして送られていた。

毎日新聞が入手した選挙はがきには「選挙区は『前川きよしげ』、比例区は『維新』とお書き下さい」と記載され、依頼文には「ぜひ一票をお願いします」とメッセージの例文が添えられていた。

県警はこうした内容が、不特定多数の有権者に投票を呼び掛ける選挙運動に当たると判断。前川氏が指示したとみて調べていた。

前川氏は21年12月、毎日新聞の取材に応じ、「(卒業生らでつくる)『前川きよしげを支える関大有志の会』の会員に約2000通を送ったが、選挙はがきに宛名などの記入をお願いする『準備行為』で、事前運動には当たらない」などと説明していた。

前川氏は奈良弁護士会所属の弁護士。04年の参院選で初当選し、参院議員を2期、旧民主党政権で副内閣相などを務めた。21年10月の衆院選では維新の公認候補として奈良1区から出馬し、比例復活で当選を果たした。

選挙はがき
公職選挙法で選挙中に配布が認められている文書の一つ。はがきに候補者の写真や政策、推薦文などを記載し、有権者に支援を呼び掛けるもので、衆院選(小選挙区)で候補者個人が使用できるのは3万5000枚まで。立候補届け出後、投票日前日まで使用できる。「公選はがき」「推薦はがき」とも呼ばれる。