自民党の5つの大罪 岸田内閣は無反省に継続しそう…古賀茂明氏

古賀茂明氏_I am not ABE 政治・経済

岸田新総裁誕生でも変われない自民「5つの大罪」 古賀茂明(古賀茂明 AERAdot. 2021/10/05 07:00)より抜粋

自民党が野党だった2012年、私は河野氏主催の勉強会に出席し、自民党の何が悪いかについて講演した。その時、小泉進次郎氏も参加していたのを思いだす。

自民党の4つの大罪

そこでの議論を私なりにまとめれば、自民党には大罪(この言葉を小泉氏が使ったのを覚えている)がある。日本を「借金大国にしたこと」、「少子高齢化を放置し、社会保障基盤を崩壊させたこと」「成長できない国にしたこと」、そして「原発神話を作り福島の事故を招いたこと」の4つである。これを反省し、新しい政策を掲げて政権を奪取すべしという結論だった。

今振り返ると、第二次安倍政権になってからの自民党は、この4つの大罪を見事なまでに継続した。借金は増え続け財政再建の目標を棚上げせざるを得ない状況だ。少子化も深刻化し、改善の道筋も見えない。成長戦略は不発でリーディング産業は競争力を失い新たな成長の芽が見えない。原発にしがみつき、再生可能エネルギー普及では先進国最後尾。再エネ産業はほぼ壊滅した。

さらに加わった第5の大罪

その上にこの10年の間に、格差が拡大し、食べるのに困る人が巷にあふれる。先進国とは名ばかり。「格差拡大と貧困の蔓延」。これが5つ目の大罪として加わった。

アベノミクスで株が上がった!不動産が上がった!と喜ぶのは富裕層だけ。一般庶民は、「未曽有の危機」を肌身で感じ、だからこそ、「奇人変人」の河野氏に期待した。

【自民党の5つの大罪】

 日本を、
 1.借金大国にした
 2.少子高齢化を放置し、社会保障基盤を崩壊させた
 3.成長できない国にした
 4.原発神話を作り福島の事故を招いた
 5.格差拡大と貧困の蔓延

新総理になる岸田氏は、温厚な人柄で知られる。しかし、その裏に安倍氏がいるとなれば、国民に寄り添う政治など期待できない。

温厚な岸田氏の背後に安倍氏がいる

現に、森友学園事件の再調査は完全否定。不透明で説明責任を果たさない政治が続くだろう。政策的にも憲法改正に前のめりで、原発の新増設にまで踏み込んだ。安倍傀儡と言われても仕方がないが、それ以上に、自民党が犯し続けた大罪を無反省に継続しそうなのが怖い。

幸いにして11月には衆議院選挙が待っている。民意に背を向けて選ばれた総理が本当の意味で国民の承認を得られるのかが問われる。

野党は次々と新しい公約を発表し、自民党との対立軸を明らかにしている。国民は、それでも自民党を選ぶなら、安倍政治と心中するのと同じだということを肝に銘じなければならない。

※週刊朝日  2021年10月15日号