菅内閣、露骨な言論統制。この度は学問の世界に政治介入して来た

日本学術会議に介入 政治・経済・社会

菅総理は、官房長時代から、テレビで政府を批判する言論人を出演させないようテレビ局に圧力を加え、異論を唱える官僚を容赦なく左遷して来た。この度は、学問の世界にまで政治的介入を行った。まるで戦前の言論弾圧を見るようだ。

日本学術会議推薦の6人が任命されなかった、ことに対するコメント

学者の立場から政策提言する国の特別機関「日本学術会議」の新会員として、同会議推薦の候補者105人のうち6人が菅総理によって拒否された。推薦した候補者が任命されなかったのは、2004年度の法改正で新しい選考方式が採用されてから初めてのことだ。

大学教員など研究者のあいだに激震が走ったのは当然だが、与野党や言論界に大きな波紋を呼んでいる。

与野党からのコメント

自民党・岸田文雄前政調会長
「今回のような形で任命されなかったのは前例がないと聞いており、注目している。理由も含めて実態について、政府から一度、しっかりと話を聞いてみたい。」

自民党・世耕弘成参院幹事長
「個別の人事は説明できないという立場は理解できるが、政府は、日本学術会議と丁寧にコミュニケーションをとることが何よりも重要ではないか。」

公明党・山口那津男代表
「任命権は政府、とりわけ総理大臣にある。法律で決められた制度なので、国民にわかりやすい対応をとることが大切だ。」

公明党・石井啓一幹事長
「人事に関しては総合的な判断があるから、全容を説明するのは難しいかもしれないが、できるだけ丁寧に説明していただきたい。」

立憲民主党・福山哲郎幹事長
「学問の自由に対する国家権力の介入で、到底看過できない。どういう行政手続きで除外されたのか説明してもらう必要があり、何らかの決裁文書があるなら提出してもらわなければならない。政府の法律に反対意見を言ったということが理由ではないと信じたいが、もしそうなら言語道断で、あってはならないやり方だと言わざるをえない。」

国民民主党・榛葉賀津也幹事長
「今まで『日本学術会議』が推薦して、総理大臣が認めるという手続きが、今回、最終段階で蹴られた。このイレギュラーの原因が何なのか、6人やその関係者にも知る権利があり、今後の信頼関係と学問の自由のためにも、きちんと説明するほうがいい。今回のことで、会議そのものが萎縮するようなことがあっては決してならない。」

共産党・志位和夫委員長
「今回のことは、まさに日本学術会議や日本の学問の自由に対する介入であり、国民の権利の侵害だ。また、憲法23条が定める学問の自由を踏みにじるもので違憲であり、日本学術会議法にも反する。6人の任命を拒否した理由をきちんと国民に説明することは政府の最小限の責任で、それをしていないことを絶対に許すわけにはいかない。」

学者・言論界からのコメント

梶田隆章・日本学術会議会長(2015年にノーベル物理学賞受賞) 総会で、
「新規会員の任命につきまして内閣総理大臣に対する要望書を提出してはどうかと考えております。内容としましては、任命されなかった理由を教えて頂きたい。任命されていない方を任命して頂きたい、の2点です。」

木村草太・東京都立大学教授(憲法)
憲法23条は「公的学術機関による人選の自律」も保障しており、今回の人事介入は学術会議の自律を侵害している。学問の自由に、公的研究職や学術機関の自律が含まれるのは、一般的な解釈だ。

江藤祥平・上智大学准教授(憲法)
「学問の自由」を保障する憲法23条は、明治憲法時代に起きた滝川事件や天皇機関説事件など、学説が国家権力に侵害された歴史を踏まえて作られた。自由を守る手段として、研究者の人事が大学の自主的な判断に基づいて行われることが大切だと、最高裁の判例は明快に語っている。
日本学術会議法17条は、同会議の会員への推薦の基準を「優れた研究又は業績」という専門家集団でなければ判断しえない事柄に委ねており、そうした知見を持たない内閣の任命拒否を想定していない。

西川伸一・明治大学教授(政治学)
学術会議は、政府の施策について独立した学術的な観点から提言する。任命するのは首相だがそれにおもねる機関ではない。その中から特定のメンバーだけを排除すること自体が、学問的な専門性に対する敬意を欠き、研究者の名誉を損ねる行為で、言語道断だ。「たてつくと不利益がある」という無言の圧力であり、今後への影響も大きいだろう。

三浦瑠麗氏(国際政治学者) ツイッターで、
「学術会議の任命にあたり6人を排除したことは禍根を残すだろう。
私の隣接分野からいえば宇野重規さん、加藤陽子さんは書き手としても優れた方だが、そもそも彼らの本など読んだこともないだろう人々が、何らかの記事をもとに名簿を浚い問題アリのチェックでも入れたのだろう。」
「業績の中身を知りもしない人間が新聞記事程度の情報をもとに、こういうつまらない口出しをやり出したとき、社会は劣化する。学者の政治的意見で選別すべきでない。学問の自由というのは学者が必ず正しいということではなくて、不味かろうが美味かろうがパン職人にパンを作らせろということだ。」

TBSテレビ「ひるおび」(2020.10.02)で、
龍崎孝氏(ジャーナリスト) 「日本の学問や研究の方向性がゆがむ可能性がある」
田崎史郎氏(ジャーナリスト) 「法律違反ではないが、ダメというなら理由の開示が必要」

拒否された6人は、いずれも菅内閣にとって不都合な人物

拒否された6人は、安倍内閣(菅官房長官)が進めた、安全保障関連法、特定秘密保護法、共謀罪法に反対の言動をとった人物である。菅氏は官房長官から総理になって露骨に学問の世界にまで政治介入して来た。

宇野重規・東京大学社会科学研究所教授(政治思想史・政治哲学)
憲法学者らで作る「立憲デモクラシーの会」の呼びかけ人。 2013年12月に成立した特定秘密保護法に対し、「民主主義の基盤そのものを危うくしかねない」と批判した。
2007年、著書「トクヴィル―平等と不平等の理論家」に対してサントリー学芸賞受賞。

岡田正則・早稲田大学大学院法務研究科教授(行政法)
「安全保障関連法案の廃止を求める早稲田大学有志の会」の呼び掛け人の1人。沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設問題を巡って、2018年、政府の対応に抗議する声明を発表した

「会員になぜ任命されなかったかわからないが、これによって、内閣が、自分たちがイエスと言えるような提言しか聞かなくなってしまえば、今後の日本にとって大変大きな禍根を残す。総理大臣に理由を説明してほしい。」

小沢隆一・東京慈恵会医科大学教授(憲法学)
「安全保障関連法に反対する学者の会」の賛同者。2015年7月、衆院特別委員会の中央公聴会で、野党推薦の公述人として出席し、安保関連法案について「歯止めのない集団的自衛権の行使につながりかねない」と違憲性を指摘し、廃案を求めた。

「今回のことは、学問の自由に対する大きな侵害だ。学問や研究活動の中身を政府が審査して、会員の任命権を行使するということは、あってはならず、政治と学問の関係を脅かすものだ。」

加藤陽子・東京大学大学院人文社会系研究科教授(日本近現代史)
憲法学者らでつくる「立憲デモクラシーの会」の呼び掛け人の1人。改憲や特定秘密保護法などに反対してきた。2010年に「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」で小林秀雄賞を受賞。「内閣府公文書管理委員会」委員を務めた。

「学問の自由という観点のみならず、学術会議の担うべき任務について、首相官邸が軽んじた点も問題視している。」

松宮孝明・立命館大学大学院法務研究科教授(刑事法)
2017年6月、「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法案について、参院法務委員会の参考人質疑で、「戦後最悪の治安立法となる」と批判した。

「総理大臣には、会議の推薦を拒否する権限はなく、法律でも拒否は予定されていない。拒否する場合は、明確に理由を示す必要があるが、今回は理由もない。理由のない拒否は少なくとも現行法上は違法だ。日本学術会議法の仕組みは、制度的に憲法23条の学問の自由をバックアップしているもので、ひいては憲法上の疑義を生み出すのではないか。」

芦名定道・京都大学教授(キリスト教学)
「安全保障関連法に反対する学者の会」や、安保法制に反対する「自由と平和のための京大有志の会」の賛同者。

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表面は優しい「令和おじさん」 実態は冷徹で恐ろしい総理

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