菅総理は、国民の命と健康よりも、オリンピック開催を優先
菅首相は4月30日、オリンピック・パラリンピック大会組織委員会が看護協会に看護師500人の派遣を要請した件について触れ、「看護協会の中で現在、休まれている方もたくさんいると聞いていますので、そうしたことは可能だと思っています」と話した。
休日返上でコロナとの闘いに明け暮れる現場の看護師からは、「患者を守ることに必死で五輪どころではない」と、ツイッターなどで抗議の声が拡散中だ。
感染症内科医で国際医療福祉大学主任教授の松本哲哉氏は、「それぞれの看護師さんは介護や育児など、それぞれの理由があって休んでいる」と解説。「いきなり協力を要請されて『手伝います』ということは実際は難しい」と訴えた。
もし協力が可能な看護師がおられるなら、コロナ患者対応やワクチン接種など、ひっ迫している医療現場を助けて頂きたい。
菅総理は「国民の命と健康」よりも「五輪強行開催」を優先している。
安倍前総理は、精神論でオリンピックを開催
安倍前総理は5月3日夜のBSフジ番組で、五輪について「菅義偉首相や東京都の小池百合子知事を含め、オールジャパンで対応すれば何とか開催できると思う」、「日本だけではなく、世界が夢や希望が持てる、そういう大会にしていきたい」と語った。
「オールジャパンで対応すれば何とか開催できる」。どこに根拠があるのか。安倍内閣(当時)でも「1億総活躍社会」をぶち上げたが、安倍前総理は精神論が好きなようだ。
かつて戦争中に、政府は「一億一心」「一億火の玉」「欲しがりません、勝つまでは」のスローガンを掲げ、青年は特攻隊で敵陣に激突し、国民は竹やりで米軍飛行機に向かった。
そう言えば、4月28日のオリンピック5者協議で、IOCのトーマス・バッハ会長は、「日本人が粘り強さや、へこたれない精神を持っていることは歴史が証明している。これまで逆境を乗り越えてきたように、五輪だって厳しい状況でも乗り越えられる」と発言した。
五輪開催のために不屈の精神でコロナを乗り越えろ! と言うのか。コロナ感染は精神論ではなく、科学的根拠に基づいた正しい判断が求められる。それとも、五輪開催のためなら、日本人の命など犠牲になっても良いということか。
自民党下村政調会長は、コロナ禍で国民が死ぬ事態を「チャンス」と表現
自民党の下村博文政調会長は憲法記念日の5月73日に改憲派の集会に出席し、党改憲案の一つである緊急事態条項創設の実現を訴える中で感染症拡大を緊急事態の対象に加えるべきだと述べ、「今回のコロナを、ピンチをチャンスとして捉えるべきだ」と語った。
「人が死んだり、後遺症で苦しんだり、仕事を失ったり、お店がつぶれたり、生活苦で自殺したり、そんな状況を自民党の政調会長は「チャンス」と捉える。神経を疑う。