原子力規制委員会は3月16日、原子炉等規制法に基づき東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)を検査した結果、2020年3月から侵入者を検知する十数の機器が故障しているにもかかわらず、代替設備の機能も不十分だったと明らかにした。
このため、セキュリティー対策が4段階のうち、最悪のレベル「赤」だと評価した。今後、東電への行政処分を検討する。東電は7号機の再稼働を目指しているが、再稼働は遠のくことになった。検査結果で最悪レベルの評価が出るのは初めて。
柏崎刈羽原発を巡っては、今年1月以降、東京電力の社員が去年9月に中央制御室に不正に侵入したことが発覚したほか、「完了した」としていた再稼働にむけた安全対策工事が完了していなかったことが相次いで判明した。
原子力規制委員会の更田豊志委員長は、記者会見で、「核物質防護上、深刻な状態にあった。東電は問題を分かっていて放置したのか、知識や能力が足りなかったのか、関心を持って追加検査したい」と述べた。
また、東京電力に対しては、追加の検査が必要になることに触れ、「再稼働の時期について申し上げる立場にはないが、柏崎刈羽原発の原子炉の起動に向けた手続きのプロセスは1年か、1年以上の時間がかかるだろう」と述べて、今回の問題の対応により柏崎刈羽原発の再稼働の時期に影響があるとの見通しを改めて示した。
【図表の出典】柏崎刈羽原発 “再稼働に向けた手続き 当分の間保留” 規制委(NHK 2021年3月17日 21時28分)
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