杉村太蔵氏が古巣に大苦言「だれが総裁になっても信頼回復難しい」「評価を吹き飛ばす政治不信」(日刊スポーツ 2024年5月1日12時1分)
元自民党衆院議員で実業家の杉村太蔵氏は1日、テレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」(月~金曜午前10時25分)に出演し、4月28日投開票の衆院3補選で自民党が全敗し、岸田文雄首相の政権運営が厳しさを増していることについて「なかなか立て直すのは難しいのではないか」と指摘した。
自民党は唯一候補者を擁立した「自民王国」の島根1区で、立憲民主党の亀井亜紀子氏に大敗。派閥裏金事件の影響で候補者すら擁立できず不戦敗となった東京15区、長崎3区とともに、3戦3敗に終わった。
杉村氏は、かつての古巣の姿に「補選の雰囲気をみると、本当に自民党政治への不信感の高まりがすごく強い」と指摘。自民党の派閥パーティー裏金事件に触れ、「不記載の問題で(収支報告書に)記載しなかったそのお金を、(不記載だった議員の)みなさんは何に使ったかという実態解明をまったくしなかった。そうした状況で出された(政治資金規正法の自民党の)改革案が『確認書を提出する』と。(事前に)確認していたら、秘書がやったと言っても言い逃れができる」と指摘した。自民党案は、国会議員が政治資金収支報告書の内容を確認したことを示す「確認書」の作成を義務づけるとされているが、野党から「なんちゃって連座制」などと批判されている。
杉村氏は「私たちは『秘書がやった』という言い逃れにうんざりしている」とも指摘。補選全敗を受け、自民党内で岸田文雄首相の後任「ポスト岸田」を探る動きが出ているとされることにも「(現状では)だれが総裁になっても信頼回復は難しいのではないか」と述べた。「岸田さんはもうちょっと、リーダーシップを発揮しないといけないのではないか」とも話し、政治資金規正法改革の自民案のさらなる踏み込みが必要との認識も示した。
岸田首相についても「外交では、日韓関係の劇的な改善などいいところも評価されるべきとこともあるが、それを吹き飛ばすほどの政治不信だ。なかなか立て直すのは難しいのではないか」と述べた。