伊豆諸島で地震40回の不気味…首都圏直下の前兆なのか? 専門家の見解は

日本列島を取り囲むプレートと主な震源域 科学・技術

伊豆諸島で地震40回の不気味…首都圏直下の前兆なのか? 専門家の見解は(日刊ゲンダイ 公開日:2023/05/25 06:00 更新日:2023/05/25 06:00)

首都直下が近づいているのか──。日本列島は5月以降、石川県珠洲市で震度6強、千葉県木更津市で震度5強など、全国各地で大きな地震が相次いでいる。

22日からは、首都圏に近い伊豆諸島でも地震が続発している。22日、午後4時40分ごろ、伊豆諸島の新島・神津島近海を震源とするマグニチュード5.3の地震が発生し、東京都利島村で震度5弱を観測。その後も有感地震が断続的に発生している。きのう早朝にも利島で震度3を観測した。気象庁によると、有感地震は40回以上、観測されているという。

23日は、和歌山県徳島県香川県でも震度2を観測している。震源地は紀伊水道。マグニチュードは4.0と推定されている。

もともと日本は地震大国だが、ここまで各地で頻発すると不安を強めている人も多いのではないか。伊豆諸島の地震は、首都直下の前兆なのだろうか。

立命館大環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏はこう言う。

「地震は5月1日以降、沖縄でも頻発しています。いま日本列島で起きている地震のメカニズムは、すべて同じです。太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に潜り込み、玉突きで北米プレートを刺激している。伊豆諸島の地震も、和歌山や徳島の地震も太平洋プレートの活発な動きが引き起こしているものです。だから、首都直下と南海トラフも分けて考えない方がいいと思います。富士山の噴火も同じです。同じメカニズムだから、首都直下と、富士山噴火と、南海トラフの3つのうち、どれが最初に起きても不思議はない。江戸時代には、南海トラフの49日後に富士山が噴火しています」

いま日本周辺は、地震の活動期に入っているという。活動期は30~40年つづくという。

「1993年、北海道の奥尻を襲った『北海道南西沖地震』から活動期に入ったとみています。マグニチュード7.8、推定震度は6でした。活動期に入ると、大きな地震が頻繁に起こる。たとえば、1943年に鳥取地震が起きた後も、1944年の東南海地震、1946年の南海地震、1948年の福井地震とたてつづけに発生しています」(高橋学氏)

備えるに越したことはない。