坂本龍一さんへの塩対応で大炎上し…小池知事が神宮外苑再開発で“いい子ぶりっこ”の虫のよさ

神宮外苑の再開発、神宮外苑の一部地域は、すでに囲いで覆われて中に入れなくなっている 政治・経済

坂本龍一さんへの塩対応で大炎上し…小池知事が神宮外苑再開発で“いい子ぶりっこ”の虫のよさ(日刊ゲンダイ 公開日:2023/04/08 12:05 更新日:2023/04/08 12:18)

間違っているのはアナタではないのか。小池都知事が7日の会見で明治神宮外苑の再開発について言及。「どこかで間違った情報も伝わって、それがあたかも真実のように伝わっているのはよろしくない」と持論を展開した。

再開発の工事は先月下旬から始まったが、樹齢100年超の古木や低木も含めると「およそ3000本」とされる樹木伐採などを巡り反対の声が上がり続けている。都はおととい、事業者の三井不動産や伊藤忠商事などに「都民の理解や共感を得られていない」として、具体的で効果的な対策を早急に示すよう要請したばかりだ。

小池知事は間違った情報の例として「有名なイチョウ並木を切っちゃうんじゃないか。現実には事業者の方々がさまざまな取り組みをされる」と指摘。「神宮外苑は国民からの献金や献木などによって造営された。成り立ちを踏まえた長い歴史の中で必要なこととしてお願いした」と要請の意義を説明したが、言い方はたどたどしく最後はカンペ頼み。統一地方選の後半戦に向け、特別顧問を務める「都民ファーストの会」への期待を聞かれ、約5分に及ぶ長広舌を振るったのとは対照的で、「神宮の森」の保全に関心を持っているのかすら疑わしい。

■事業者に責任を押しつけ

再開発を巡っては、先日亡くなった音楽家の坂本龍一さんが見直しを求める手紙を小池知事に送付。「目の前の経済的利益のために先人が100年をかけて守り育ててきた貴重な神宮の樹々を犠牲にすべきではありません」とのメッセージに対し、「ぜひ事業者にも送られた方がいいのではないか」と言い放った小池の“塩対応”は「世界のサカモト」の死後に再び大炎上した。

「坂本さんの訃報が明らかとなった際、小池知事は記者団にコメントを求められても『お悔やみ申し上げま~す』とだけ言って足早に去った。坂本さんの『遺志』について聞かれたくなかったのでしょう」(都政関係者)

事業者に「何とかせい」と言わんばかりの態度には、身にかかる火の粉を払いたい一心が透けて見える。

「樹木を大量伐採する再開発の工事を認可したのは、小池知事本人です。いくらでも見直す機会はあったのに、ゴーサインを出した責任がある。事業者が経済的利益を追求するのは当然で、それを監督・調整して都民の利益にするのが行政の長の務め。小池知事の当事者意識の欠落は著しい。坂本さんの死を機に高まる批判に『マズイ』と感じ、今さら事業者に責任を押し付け、『私は悪くない』といい子ぶりっこするのは、虫がよすぎます」(再開発に反対する上田令子都議)

知事失格だ。