高市早苗氏は地元や総務省から総スカン…捏造発言は職員への「配慮」と主張の支離滅裂

参院予算委員会で立憲民主党の小西洋之氏の質問を聞く高市早苗経済安全保障担当相=2023年3月20日、国会内 政治・経済

高市早苗氏は地元や総務省から総スカン…捏造発言は職員への「配慮」と主張の支離滅裂(日刊ゲンダイ 公開日:2023/03/29 13:20 更新日:2023/03/29 13:20)

「事実と異なる内容を入れられている。これは怪文書の類いだ」──。高市経済安保相がまた、強い言葉で断じた。28日の参院予算委員会で放送法の政治的公平の解釈を巡る総務省の内部文書について「作成者不明、配布先も不明、作成目的も不明」と強調。「いわば怪文書の類いだと、私から考えたら、そう思います」と言い張った。

一般的に「怪文書」とは、出所や信憑性が不明な状態で出回る文書などを指し、中傷的・暴露的な内容を持つのが特徴だ。しかし総務省はすでに「行政文書」と認め、高市氏が存在自体を否定する「大臣レク」についても、「あった可能性が高い」と結論付けた。

それでも高市氏の減らず口は止まらない。文書を「捏造」と表現していることに対し、「偽造とか変造とか法に係るような言葉はあえて使っていない」「(当時の職員の)どなたかを罪に問うような意図はなかった」「かなり配慮して申し上げたつもり」とエスカレート。捏造も偽造も変造も偽りのものを作り上げるという点では変わりはないが、そんな指摘も彼女には馬耳東風なのだろう。

擁立した県知事候補の決起大会をドタキャン

支離滅裂な主張に野党の反発は強まるばかり。高市氏は地元・奈良でも大ヒンシュクだ。奈良県知事選が23日に告示。26日には橿原市のホールで自民党県連が推す平木省候補の決起大会が開かれた。前日までSNSでは「高市大臣も参戦!」と告知されていたのに、高市氏は姿を見せず、まさかのドタキャン。参加者には「大臣としての職務を理由に欠席」と伝わったが、「なぜ来ないのか」と不満の声が聞かれた。

「そりゃそうでしょう。総務相時代の秘書官だった平木さんを強引に擁立したのは、県連会長の高市さん。彼女の根回し不足で現職の荒井正吾知事がヘソを曲げ、5選を狙って出馬。保守分裂のまま選挙戦に突入してしまった。おかげで情勢調査では、平木さんが日本維新の会公認の山下真候補に数ポイント差をつけられ、リードを許している。それなのに、決起大会に顔を出さないなんて、地元は総スカンですよ」(自民党関係者)

決起大会には松本総務相が代わりに出席。「トップまで行く人材が地元のために退路を断った」と平木候補を持ち上げたが、将来の幹部候補を高市氏に預けた総務省もハシゴを外され、カンカンだという。

「実は立憲民主党の奈良県連も平木氏を『支持』。決起大会には立憲県連の幹部も同席しており、国会で野党から攻撃を受ける中、高市氏は“呉越同舟”を嫌ったのかもしれません。追い込まれた平木氏は自ら『大阪の新型コロナ死亡率は全国ワースト』などと、維新へのネガティブキャンペーンに躍起。決起大会のスタッフは『来週には高市氏も奈良に来ます』と明言しましたが、捏造発言で負のイメージをひきずる彼女の応援はプラスになるとは思えません」(決起大会を取材したジャーナリスト・横田一氏)

ひょっとして決起大会のドタキャンも不人気ゆえの「配慮」か。地元首長選で支援候補が敗れれば、さすがに悪あがきを続けられないはずだが……。