文春砲 〈証拠写真〉岸田文雄首相も選挙で“空白領収書”94枚 公選法違反の疑い

文春砲_ついに岸田首相に公選法違反の疑い 政治・経済

ついに岸田首相に公選法違反疑い 門田隆将氏「いよいよ文春が首相本人に迫ってきた」

ついに岸田首相に公選法違反疑い 門田隆将氏「いよいよ文春が首相本人に迫ってきた」(東スポWEB 2022年11月22日 14:39)

「週刊文春オンライン」が22日、1か月間で3人の閣僚が辞任して大ダメージを負った岸田文雄首相について、「岸田文雄首相も選挙で〝空白領収書〟94枚 公選法違反の疑い」との見出しで公職選挙法違反の可能性を報じた。

記事によれば、岸田首相は昨年の衆院総選挙(10月31日投開票)の選挙運動費用収支報告書に、宛名も但し書きも空白の領収書を94枚添付していたといい、証拠となる領収書の写真も掲載。目的を記載した領収書を提出することを定めた公職選挙法に違反する疑いがあるという。

岸田政権をめぐっては、先月24日に山際大志郎経済再生担当相、今月11日に葉梨康弘法相が辞任。さらに20日には岸田派で同じ広島を地元とする寺田稔総務相が、政治資金規正法や公職選挙法の所管省庁のトップでありながら、政治資金をめぐる問題や選挙運動員の買収疑惑などが相次いで報じられて辞任していた。

日本のトップを襲った〝文春砲〟に対し、ネットは大荒れだ。元参院議員の有田芳生氏がツイッターで記事をリツイートし、作家でジャーナリストの門田隆将氏は記事の内容を紹介し、「いよいよ文春が首相本人に迫ってきた」と投稿。ネット上でも「今度は本人!」、「チェックメイトだよ」、「寺田を更迭したんだから、総理自身も身を引くべき時なのでは…」など、数多くの反響を呼んでいる。

21日放送のテレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」に出演した信州大学特任教授で国際弁護士の山口真由氏は、「岸田内閣は(更迭の)基準を見失ってしまったように見える」と指摘。さらに「またポロポロ出てきたときに葉梨基準でいくと、どんどん更迭しなきゃいけなくなると思う」と、さらなる〝辞任ドミノ〟の可能性を指摘していたが、ここにきて岸田首相自らが〝文春砲〟で追い込まれる事態になってきた。

〈証拠写真〉岸田文雄首相も選挙で“空白領収書”94枚 公選法違反の疑い

〈証拠写真〉岸田文雄首相も選挙で“空白領収書”94枚 公選法違反の疑い(「週刊文春」編集部 2022/11/22 source : 週刊文春 2022年12月1日号)

政治資金や選挙運動費用を巡る問題で寺田稔総務相を更迭した岸田文雄首相(65)が、昨年の衆院選(10月31日投開票)に伴う選挙運動費用収支報告書に、宛名も但し書きも空白の領収書を94枚添付していたことが、「週刊文春」の取材でわかった。目的を記載した領収書を提出することを定めた公職選挙法に違反する疑いがある。

岸田首相は広島1区選出。1993年の初当選以来、昨年の衆院選で当選は10回を数える。

「今年8月の内閣改造で総務相に起用した寺田氏は、同じ広島が地盤で、岸田首相が率いる宏池会の創設者・池田勇人元首相の孫娘を妻に持ちます。2人は同学年でもあり、いわば、首相の“右腕”的な存在でした。ところが、『週刊文春』の報道で、政治資金を巡る問題が噴出。党内からは『(死刑のハンコ発言で辞任した)葉梨康弘法相と一緒に更迭すべき』という声が上がったものの、首相は『寺田さんは悪くない。頑張らせたい』と続投させることにした。そのまま11月12日から19日の日程で外遊に出発したのです」(政治部デスク)

「週刊文春」11月17日発売号では、選挙を所管する寺田氏が昨年の衆院選を巡り、選挙運動を行った地元市議らに金銭を支払っていた運動員買収疑惑など、複数の公職選挙法違反疑惑を報じた。

「外遊先で報道を知った岸田首相は『いつまで続くのか』と洩らしていました。ギリギリまで『寺田さんを交代させるとは決めていない』と口にし、寺田氏本人も辞表提出に強く抵抗した。ただ、国会審議の停滞は避けられず、結局、11月20日夜に寺田氏を更迭し、後任総務相に松本剛明氏を据えました」(同前)

だが今回、岸田首相自身に選挙運動費用を巡る疑惑が発覚した。

大量に見つかった“空白領収書”

岸田首相は昨年の衆院選後、広島県選挙管理委員会に選挙運動費用収支報告書を提出している。「週刊文春」は情報公開請求を行い、同報告書に添付された約270枚の領収書や振込明細などを入手した。

選挙運動費用収支報告書の表紙

それらの中で、但し書きが空白の領収書は全体の3分の1を上回る98枚、計約106万円分、宛名が空白の領収書は全体の半数を超える141枚、計約58万円分に上っていた。このうち、宛名も但し書きも空白の領収書は94枚、計約9万5000円分だった。

例えば、広島市のオフィス関連会社から受領した領収書80万5885円分などは但し書きが空白。広島市の中国料理店から受領した領収書3400円分や、広島市のドラッグストアから受領した領収書2278円分などは宛名も但し書きも空白だった。

80万円超の領収書の但し書きが空白
宛名も但し書きも空白の領収書

公職選挙法では、選挙運動に関する全ての支出について、金額、年月日、目的を記載した領収書など支出を証明する書面を選挙管理委員会に提出することを義務付けている。宛名についての規定はないものの、空白は望ましくないとされている。

広島県選挙管理委員会の担当者は次のように回答した。

「公職選挙法188条の規定では、金額、年月日、目的を記載しなければならないとしています。この条文通り、目的を記載した領収書を選挙運動費用収支報告書に添付するのが、正しい在り方です」

岸田事務所の回答は…

但し書きや宛名が空白の領収書を巡っては、毎日新聞が2018年11月15日朝刊で、平井卓也科学技術相(当時)が、選挙運動費用収支報告書に宛名が空白の領収書を61枚(うち27枚が但し書きも空白)添付しており、公職選挙法違反の疑いがあると報道。当時、臨時国会でも問題視され、平井氏は「疑いを持たれることは不本意」とした上で、選挙管理委員会に再提出する考えを示していた。

選挙運動に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が指摘する。

「公職選挙法違反の疑いがあります。但し書きや宛名が無ければ何を買ったか確認できない。平井氏の例と比べても、但し書きや宛名が空白になっている領収書の枚数が多い。絶対的な公正さを確保すべき選挙では、資金の流れに高い透明性が求められる。首相であればなおさらです」

岸田事務所に11月21日朝、事実関係の確認を求めたところ、以下のように回答した。

「本日のご質問については事実関係を確認しますが、貴紙ご希望の本日午後6時までの回答期限には間に合いませんので、その旨ご連絡します」

政治資金や選挙運動費用を巡る疑惑が噴出した寺田氏について、説明責任を果たすべきと強調してきた岸田首相。自らの選挙を巡る公職選挙法違反の疑いについては、どのように説明するのか、注目される。

11月22日(火)12時配信の「週刊文春 電子版」及び11月24日(木)発売の「週刊文春」では、岸田首相の公選法違反疑惑や寺田氏更迭を巡る暗闘のほか、“岸田降ろし”に動き出した菅義偉前首相や二階俊博元幹事長らについて詳報している。