電力不足を救う?「地熱発電」 日本の地下に眠る世界第3位のクリーンエネルギー

熊本県の最北端に位置する小国町の一角で行われている地熱発電所の建設 科学・技術

電力不足を救う?「地熱発電」 日本の地下に眠る世界第3位のクリーンエネルギー(TBSテレビ 2022年11月3日(木) 18:56)

今週はSDGs「地球を笑顔にするウィーク」です。政府が冬場としては7年ぶりとなる節電要請に踏み切るなど、電力やエネルギー不足が問題になっています。そうした中、日本各地の温泉などを活用した「地熱発電」がクリーンエネルギーとして注目されています。

熊本県の最北端に位置する小国町。温泉の蒸気を利用した「蒸し場」や“地熱の里”と呼ばれる「温泉郷」などが有名です。

その町の一角で行われているのが、地熱発電所の建設です。

沼田昭二さん
「今やっているのは、噴気テスト」

地熱発電では地下深くから高温の熱水と蒸気を取り出して分離し、その蒸気でタービンを回して発電します。太陽光や風力発電と違い、天候に左右されないクリーンエネルギーとして注目されているのです。

さらに、有数の火山国である日本には、世界で第3位という豊富な地熱資源が眠っています。そこに目をつけたのが、全国チェーン「業務スーパー」の創業者・沼田昭二さんです。

町おこしエネルギー 沼田昭二会長兼社長
「地熱という1番難しい再生可能エネルギーに特化したいと思って、6年前から(会社を)始めました」

地熱発電は失敗のリスクも高いとされますが、こちらは再来年の春に運転を始める予定で、およそ8000世帯の電気を賄う計画です。

町おこしエネルギー 沼田昭二会長兼社長
「今年は電気料金もマックスに上がってます。そういう中で、次の再生可能エネルギーを安定的に開発しないと、次世代の子どもには大きなリスクを残すことになると」

この挑戦に、町長は…

熊本・小国町 渡邉誠次町長
「1番最初に聞いた話は、本当にできるのだろうかっていうのが率直な気持ちで、ただ、色々なお話を聞く中で、本気なんだなと。小国町の持つ世界と戦える材料が、僕は地熱だというふうに思っています」

さらに、沼田さんはこの熱水を活用し、エビや南国の果物などを育てる研究も進めていて、これを「地域活性化に繋げたい」といいます。実際、地熱発電が地域の活性化に繋がっているところもあります。

岩手県の中西部に位置する雫石町。秘湯中の秘湯と呼ばれる「滝ノ上温泉」では、今年3月から地熱発電の稼働が始まりました。今ではおよそ1100世帯分の電力を発電できます。

さらに…

記者
「発電した後の熱水は、温泉として有効活用されているといいます」

熱水を利用した温泉には全国から観光客が集まり、町は賑わいを取り戻しました。さらに、地熱発電の電力を利用するため、暖房などの光熱費は一切かかりません。

滝ノ上温泉 温泉組合 岩岡重樹代表
「こういう小規模な地熱発電所が、各地の温泉街に1つずつ生まれていくようであれば、再生可能エネルギーの電力供給量っていうのが増えていくのではないか」

盛岡からの客
「やっぱり自然のものを活用することはいいこと」

長野からの客
「日本中に温泉があるので、地熱発電ができるなら普及できるんじゃないかな」

エネルギー不足が課題になる中、日本ならではのクリーンエネルギーとして「地熱」に熱い視線が注がれています。