立憲・泉新体制発足 野党各党の反応は?
立憲・泉新体制発足 野党各党の反応は?(日テレNEWS 2022年8月27日 10:00)
立憲民主党は、続投する泉代表の脇を岡田元副総理らベテラン勢で固める執行部人事を決めた。支援団体「連合」と野党各党の反応を追った。
ベテラン勢で脇を固めた新体制
7月の参院選の敗北を受け、26日発足した泉新体制。その特徴は、元副総理や大臣経験者などベテラン勢で若きリーダーの脇を固めた人事だ。
新たな幹事長に岡田元副総理、国対委員長に安住前国対委員長、政調会長に長妻元厚労相らベテラン議員を起用。その上で、政権交代を目指す姿勢を示すため、次の内閣・ネクストキャビネットを創設する方針も発表した。
党内からは「安定感が出た」と評価の声が上がる一方、「実質的な決定権者は岡田幹事長と安住国対委員長になるのでは」との指摘も聞こえてくる。
「提案型野党」から「対決姿勢」に再転換
泉代表はこれまで「提案型野党」を標榜してきたが、これを転換し、岸田政権との「対決姿勢」を打ち出す考えを明らかにした。
7月の参院選で議席を減らした第一の要因について、立憲は「提案型野党を標榜したことで『何をやりたい政党か分からない』との印象を与えてしまった」と総括していた。
そのため新体制では、かつて政府与党を厳しく追及してきた安住国対委員長を9か月ぶりに再任することで、政権との対決姿勢を強め、野党第一党としての存在感を高めたい考えだ。
「連合」…共産党との連携を警戒
立憲の支援団体「連合」の関係者は、岡田幹事長や安住国対委員長の執行部入りにより、「共産党との野党共闘路線が進むのでは」と警戒感を示した。
岡田幹事長は、民進党代表だった時、安全保障関連法への反対で共産党との連携を強め、野党共闘路線に舵を切った中心人物。安住国対委員長も共産党との連携を図ってきたからだ。
ただ、関係者によると、「連合」の芳野会長は、岡田幹事長に対し「共産党との野党共闘は絶対に受け入れられない」と伝えており、周辺に対しては「私の真意は、岡田幹事長にしっかり伝わっていると思う」と話しているという。
国民民主「まるで先祖返り」連携を否定
国民民主党の幹部は、「まるで昔の民主党に先祖返りしたみたいだ。これでウチと連携しようというのは筋違い。これまでのスタンスを変えるつもりはない」と述べ、立憲との連携を深める可能性を否定した。
また別の幹部は「共産党との共闘に突き進んだ民進党時代と(きょう発足の立憲新体制では)メンバーも中身もまるでデジャブだ」と述べた。
共産党…再連携に期待しつつも冷静
日本共産党の小池書記局長は、日本テレビの取材に「立憲には“提案型”ではなく、対決型の“野党らしい姿”を求めている。対決型の国会論戦を期待したいし、力をあわせていきたい」と立憲新体制との連携に期待感を示した。
一方、野党共闘については「岡田幹事長も、安住国対委員長も、長妻政調会長もよく知っているが、だからといって野党共闘がうまくいくほど単純じゃない」と述べた。
維新…「終わりの終わり」と酷評
日本維新の会の幹部は「立憲は“江戸時代”に帰って行くのか。立憲に野党第一党を任せてると日本が悪くなる」と酷評。また別の幹部は「同じ顔が出てきても仕方がない。立憲は(“終わりの始まり”ではなく)“終わりの終わり”を迎えた」と切り捨てた。
一方で、安住国対委員長の9か月ぶりの再任には「話が分かる人が帰ってきた」と歓迎する声も上がった。
泉新体制、先行き不透明な船出
「刷新」よりも「安定」を重視した形の今回の人事に「泉代表の延命人事だ」と批判する議員もいる。また「墜落寸前だ。低空飛行で飛び続けるだろうが浮上できるかは別問題だ」などと冷ややかな声すら聞かれる。
泉新体制は、先行き不透明な船出、といえそうだ。
岡田幹事長「批判は野党の使命」 政策提案より追及重視へ
岡田幹事長「批判は野党の使命」 政策提案より追及重視へ(共同通信 2022/08/26)
立憲民主党の岡田克也幹事長は26日の就任記者会見で、岸田政権を巡る国会対応について「きちんとした批判は野党の使命」と述べ、「追及」を「提案」より重視する考えを示した。「提案型野党」を掲げた国会対策が支持を得られなかったとした参院選総括を念頭に置いた発言とみられる。
これに先立つ両院議員総会では、党政策の決定を担う「ネクストキャビネット(次の内閣)」を設置することも決まった。
岡田氏は党本部の会見で「批判も提案も大事だと思うが、考えをしっかり持った上で、(岸田政権の)おかしなところを批判していく姿勢が大事だ」と強調した。
連合、引き続き「立民・国民と連携」…参院選総括素案で共産との共闘に反対姿勢
連合、引き続き「立民・国民と連携」…参院選総括素案で共産との共闘に反対姿勢(読売新聞 2022/08/26 23:07)
連合が9月に決定する参院選総括文書の素案が判明した。引き続き立憲民主、国民民主両党と連携し、「政権を担い得る政治勢力の結集・拡大」を目指す方針を示した。
総括文書は、9月中旬にも開かれる中央執行委員会で決定される。素案では、連合傘下の一部労働組合が自民に接近する動きを見せていることについて、「与党を応援した方がいいという組合員の意見もある」と認めた上で、「主要政策を一番共有しているのは立民と国民だ」と強調し、各労組に理解を求めた。
参院選での候補者一本化については、「(候補者を)一本化せずに勝ったところもあれば、一本化して敗れたところもある。(勝利の)絶対条件ではない」と記し、共産党との共闘への反対姿勢をにじませた。
立憲民主党 新執行部役員体制 2022年8月26日
代表 | 泉 健太・衆院議員 |
代表代行 | 西村智奈美・衆院議員、ジェンダー平等推進本部長兼務 |
代表代行 | 逢坂誠二・衆院議員、広報本部長兼務 |
幹事長 | 岡田克也・衆院議員 |
常任幹事会議長 | 徳永エリ・参院議員 |
参議院議員会長 | 水岡俊一・参院議員 |
国会対策委員長 | 安住 淳・衆院議員 |
選挙対策委員長 | 大串博志・衆院議員 |
政務調査会長 | 長妻 昭・衆院議員 |
― 以上で執行役員会を構成 ― | |
組織委員長 | 森本真治・参議院議員 |
企業・団体交流委員長 | 大島 敦・衆院議員 |
倫理委員長 | 吉田忠智・参院議員 |
会計監査 | 金子恵美・衆院議員 |
会計監査 | 野田国義・参院議員 |
両院議員総会長 | 川田龍平・参院議員 |