2023年8月9日 今日の出来事

きょう長崎原爆の日、式典縮小 台風影響、投下78年に平和誓う

長崎は9日、米国による投下から78年の「原爆の日」となった。台風6号の九州接近に伴い、長崎市は市内の平和公園で開催予定だった平和祈念式典の会場を屋内に変更し、規模を大幅に縮小する。被爆者代表は出席し「平和への誓い」を読み上げる。鈴木史朗市長は平和宣言で、G7の核抑止を前提とした考えを批判し、核兵器廃絶への道を進むよう求める。

屋内開催は1963年以来2度目。式典参列者は、当初約2400人を見込んでいたが、被爆者代表の工藤武子さん(85)=熊本市=と長崎市長のほか、副市長と教育長、市議の約40人にとどめる。岸田文雄首相や各国大使ら来賓の出席を取りやめ、一般参列も受け付けないため、多くの被爆者は出席できなくなった。

関連行事も相次いで中止が決まった。頭部だけが焼け残った「被爆マリア像」とカトリック信徒らが練り歩く「たいまつ行列」や、小学生らが灯籠を川に流し犠牲者を悼む「万灯流し」も実施を断念した。

神宮外苑再開発 都の工事認可取り消し求める訴訟、さらに101人提訴 原告59人→160人に

東京・明治神宮外苑地区の再開発を巡り、周辺住民らが手続きが違法だとして東京都に工事認可の取り消しなどを求めた訴訟で9日、新たに住民ら101人が東京地裁に提訴した。これで原告の数は計160人となった。

訴状によると、事業者が都の審議会に提出した環境影響評価(アセスメント)書は、伐採する樹木の数に低木3000本を含めておらず、審査は不十分と指摘。再開発は、良好な景観を享受する住民らの利益を侵害するなどと主張している。

新たに原告に加わった建築家の横河健さんは都内で開いた記者会見で「(再開発は)考えられないほどの環境破壊をもたらす。子どもたちに何を残すべきかを都は真剣に考えてほしい」と訴えた。

再開発事業では、老朽化した神宮球場などを解体して建て替え、商業施設が入る2棟の高層ビルを建設する。2036年の完成を見込み、都が今年2月に認可した。3月の着工後も樹木伐採などへの批判が続く中、事業者の三井不動産などは7月の住民説明会で、高さ3メートル以上の樹木を9月以降に伐採する方針を明らかにした。

70歳以上のマイナ保険証で誤表示 全国19都府県の370医療機関で負担割合に相違…現行保険証で確認

健康保険証とマイナンバーカードを一体化したマイナ保険証を巡り、窓口負担割合が健康保険証と食い違うケースがある問題で、全国保険医団体連合会(保団連)が70歳以上の患者について今年4月以降の状況を調査したところ、全国19都府県の370の医療機関で誤表示があったと回答していることが分かった。

保団連が9日、東京都内で記者会見して明らかにした。調査は7月14日から今月1日までの間、全国3万2150機関を対象に実施し、21都府県の2780機関から回答が寄せられた。

それによると、70歳以上の高齢者について、マイナ保険証で使用するオンライン資格確認の画面の「負担割合」と健康保険証の券面の「負担割合」に相違があったかどうか質問したことろ、全体の13.3%にあたる370機関が少なくとも1件以上あったと回答した。東京都豊島区の診療所では15件あったと回答している。370機関の都府県別の内訳は、東京55機関、神奈川90機関、千葉55機関、静岡29機関など。

窓口負担割合は年齢や所得に応じて1~3割となるが、70歳以上の高齢者については、細かく所得分類が分かれており、自治体が所得・世帯構成など、毎月世帯情報の変化を把握し、負担割合に反映させている。現行の健康保険証では問題なく運用されていた。誤った表示となる原因は不明で、保団連は厚生労働省に実態調査を求めている。

今回は中間集計で、8月末までに最終結果をまとめる。保団連の竹田智雄副会長は会見で「表示の相違があっても、正しい負担割合で受診できているのは、患者さんが健康保険証も持ってきているから。だから健康保険証は当面必要だ」と訴えた。

台風6号、九州に記録的大雨 3県で線状降水帯発生

台風6号は9日、長崎や熊本などの一部を暴風域に巻き込みながら、北寄りに進んだ。10日にかけて九州の西の海上を北上する。鹿児島県の種子島・屋久島地方では午前、熊本、宮崎両県では夜に局地的豪雨をもたらす線状降水帯が発生。九州北部では10日午前中にかけて発生の可能性が続く。台風は速度が遅く影響が長期化し、九州を中心に記録的な大雨になっており、気象庁は土砂災害や河川の氾濫、暴風などへの厳重な警戒を呼びかけた。

九州各地では強風にあおられるなどけが人が相次いだ。鹿児島県十島村は最高レベルの避難情報「緊急安全確保」を一時発表。九州各県の自治体で避難指示が出た。午後5時時点で長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の5県の約1万2千戸が停電した。

九州を発着する空の便は欠航が相次いだ。九州新幹線は熊本―鹿児島中央間で運転を見合わせた。10日は始発から運行本数を減らして再開する。山陽新幹線は、台風通過後の設備確認で、10日の始発から午前8時ごろまで広島―小倉間で計画運休する。

台風7号、小笠原諸島へ お盆に列島近づく恐れ

台風7号は9日、小笠原近海を西へ進んだ。発達しながら北西に進み、10日から12日ごろにかけ暴風域を伴いながら小笠原諸島に接近する見込み。その後、日本の南海上を進み、14日ごろにかけ強い勢力で東日本や西日本に近づく恐れがある。気象庁は暴風や高波、土砂災害などに警戒を呼びかけた。

台風7号は9日午後3時現在、ゆっくりと西に進んだ。中心気圧は985ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は25m、最大瞬間風速は35m。中心の北東側560キロ以内と南西側330キロ以内は風速15m以上の強風域。

気象庁によると、小笠原諸島では10日から12日ごろにかけ大雨や大しけの恐れがある。

新潟・三条で39.8度 フェーン現象で高温に…気象庁

東北から山陰にかけての日本海側では9日、晴れて35度以上の猛暑日になる所が多かった。気象庁によると、北陸ではフェーン現象も発生して気温が大幅に上がり、新潟県三条市で39.8度を観測。新潟市東区と福井県坂井市では39.7度となり、ともに地点ごとの最高記録を更新した。

台風6号と太平洋高気圧の影響で、南から暖かく湿った空気が流入。太平洋側で雨を降らせた後、山を越えて日本海側に降下した際、乾燥して高温になるフェーン現象が起きたという。

10日も日本海側では高温が予想され、熱中症警戒アラートが北陸や近畿、山陰を中心に多くの府県に出された。

北京豪雨、死亡不明50人超 129万人が被災

北京市当局は9日、記者会見し、先月29日から今月2日まで続いた豪雨による洪水などで、市内で計33人が死亡し、18人が行方不明になっていると明らかにした。被災者は129万人、倒壊した家屋は5万9千軒に上った。

台風5号から変化した熱帯低気圧の影響で、北京市や隣接する河北省などで豪雨が続き、中央気象台は7月29日、12年ぶりに最高レベルの「豪雨赤色警報」を発出。各地で河川が氾濫し、住宅地近くで土砂崩れも起きるなど被害が拡大していた。

【1年前の今日の出来事】 2022年8月9日