2023年5月16日 今日の出来事

葵祭「路頭の儀」 宮廷装束姿の500人が出発 行列は4年ぶり

京都三大祭りの一つ「葵祭(あおいまつり)」の中心行事で、平安時代の王朝行列を再現した「路頭の儀」が16日午前に始まり、宮廷装束に身を包んだ約500人が京都御所(京都市上京区)を出発した。新型コロナウイルス禍で、行列は4年ぶり。

15日の予定だったが、雨天のため延期されていた。葵祭は下鴨神社(同市左京区)と上賀茂神社(同市北区)の例祭で、6世紀に災厄退散や五穀豊穣を願って始まったとされる。御所から両神社まで計約8キロを歩く行列は、3年続けて中止されていた。

祭りのヒロイン「斎王代」を務める会社員の松井陽菜(はるな)さん(29)は、色鮮やかな十二ひとえ姿で「腰輿(およよ)」と呼ばれる輿(こし)に乗って都大路を進んだ。参列者は、祭りの象徴の青々とした「葵桂(あおいかつら)」を冠や胸に飾って歩いた。

京都御苑では、14日から同市を訪問中の上皇ご夫妻も行列をご覧になった。

「路頭の儀」で京都御所を出発する斎王代の松井陽菜さん=京都市上京区で2023年5月16日午前

上皇ご夫妻、葵祭観覧 4年ぶり「路頭の儀」に拍手…京都

私的旅行で京都市を訪れた上皇ご夫妻は16日午前、京都御苑で京都三大祭りの一つ「葵祭」の行列「路頭の儀」を観覧された。

ご夫妻は京都御所の建礼門近くの席に座り、平安装束に身を包んだ行列が通ると、立ち上がって会釈。上皇后さまは、十二単(ひとえ)をまとったヒロイン役「斎王代(さいおうだい)」に拍手を送っていた。

葵祭の「路頭の儀」を観覧される上皇ご夫妻=16日午前、京都市上京区・京都御苑

慶讃の読経、厳かに 弘法大師生誕1250年、高野山などで法要

弘法大師空海の生誕1250年を祝う「宗祖弘法大師御誕生1250年記念大法会(ほうえ)」が14日、和歌山県高野町の高野山真言宗総本山金剛峯寺・壇上伽藍(がらん)や高野山奥之院で始まった。両所では、大法会の始まりを告げる開白(かいびゃく)法会が営まれ、厳かな雰囲気に包まれた。

奥之院では、高野山内の住職ら約40人が行列となって御廟橋を渡って燈籠(とうろう)堂に入り、開白法会を営んだ。金剛峯寺の添田隆昭・第五百二十四世寺務検校執行法印(じむけんぎょうしぎょうほういん)が導師を務め、僧侶らが堂内を歩きながら読経するなどした。壇上伽藍の金堂でも開白法会が営まれた。

高野山真言宗によると、弘法大師は774(宝亀5)年、讃岐国(現・香川県)で生まれた。大法会は7月9日までで、日曜日に全国九つの地域伝道団ごとに壇上伽藍の金堂で法会を営む。

奈良・長谷寺でも遺徳しのび読経

真言宗豊山派の総本山、長谷寺(桜井市初瀬)の本坊・大講堂で15日、真言宗の開祖・弘法大師空海(774~835)の生誕1250年を記念した慶讃法要が営まれた。全国から集まった100人以上の僧侶による読経の声が境内に響き渡った。

僧侶らが読経する中、弘法大師の生まれた時の姿を表した像に甘茶をかけて生誕記念を祝う長谷寺寺務長の川俣海淳大僧正(中央)=奈良県桜井市初瀬の長谷寺で2023年5月15日

トヨタ、10位に後退 「未来への準備」番付、中国勢が急浮上

スイスのビジネススクールIMDが16日発表した自動車メーカーの「未来への備え」を比べた世界ランキング(2023年)で、前年2位のトヨタ自動車が10位に後退した。トップ3圏外となるのは10年以降で初めて。世界的な電気自動車(EV)シフトを追い風に、中国勢が急浮上した。

IMDは事業内容、財務基盤、事業・社員の多様性やイノベーション(変革)の成果などを基に、待ち受ける変化への対応力を毎年採点している。

1位は前年に続き米EV大手のテスラ。昨年5位の比亜迪(BYD)が2位に浮上したほか、中国のEV勢は小鵬汽車、理想汽車も一気に順位を上げた。

佐賀オスプレイ配備 予定地の売却承認 県有明海漁協理事会

陸上自衛隊輸送機オスプレイの佐賀空港(佐賀市)への配備計画を巡り、配備予定地の地権者でつくる佐賀県有明海漁協南川副支所の管理運営協議会が予定地売却を決議したことを受け、県有明海漁協は15日の理事会で、予定地の売却を承認した。

漁協によると、理事会のメンバー12人の全会一致で承認した。今後、防衛局と売却手続きを行うが、具体的な日程などは未定という。また理事会に先立って開かれた「オスプレイ等配備計画検討委員会」で、地権者の共有地であり漁協名義で一括登記している予定地の売却や決定手続きについて、防衛省は法務局に確認して法的問題はないとする見解を説明したという。

中国、18日から中央アジアサミット G7に対抗、関係強化狙う

中国の習近平国家主席は18~19日、内陸部の陝西(せんせい)省西安市に中央アジア5カ国の首脳を招き「中国・中央アジアサミット」を開催する。ウクライナに侵攻するロシアと距離を置く動きも指摘される中央アジア諸国に対し、経済協力をテコに影響力拡大を図る構えだ。この地域には主要7カ国(G7)も関与を強める動きを見せている。中国としては、19日から広島で首脳会議を開くG7をけん制する狙いもありそうだ。

中国が招待したのはカザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの首脳。中国政府は「中国と中央アジア諸国との関係発展において歴史的な出来事だ」(外務省の汪文斌<おう・ぶんひん>副報道局長)と意義を強調している。サミットでは習氏が演説。重要な政治文書に共同署名する予定だ。

中央アジアではかつて、ユーラシア大陸の中央部に位置する地政学的重要性から、大英帝国と帝政ロシアが覇権を激しく競い合う「グレートゲーム」が繰り広げられた。ここが再び、大国の思惑が交錯する場となっている。

中国、中央アジア5カ国と初サミット 習氏主催で18日から

南限のスズランひっそりと 熊本・阿蘇の原野、約5万本が見ごろ

スズランの白いかれんな花が、国内自生の南限地とされる熊本県阿蘇市波野の原野で見ごろを迎えている。緑の草に隠れてひっそりと咲く様子を、訪れた人はしゃがみ込むなどしてスマートフォンやカメラで撮影していた。

市によると、自生地は県の自然環境保全地域に指定。約5万本が生える。スズランは冷涼な気候を好むとされ、北海道や長野などの高地に自生する。波野の自生地も標高約800メートルに位置し、周囲には牧草地が広がる。市によると九州でのスズランの自生は珍しいといい、20日ごろまで楽しめそう。

ひっそりと咲くかれんな白い花が魅力的な日本南限のスズラン=熊本県阿蘇市波野で2023年5月11日

チューリップが見頃、北海道湧別 色鮮やか200種類70万本

オホーツク海に面する北海道湧別町の「かみゆうべつチューリップ公園」で約70万本のチューリップが見頃を迎えた。好天に恵まれた16日は国内外から多くの観光客が訪れ、7ヘクタールの畑に植えられた200種類ほどのチューリップが織りなす色鮮やかな虹のような風景を楽しんでいた。

例年に比べ、今年は開花が早く、見頃は今週いっぱいという。

色とりどりのチューリップが見頃を迎えた「かみゆうべつチューリップ公園」を散策する観光客=16日午後、北海道湧別町

【1年前の今日の出来事】 2022年5月16日