2023年5月8日 今日の出来事

岸田首相の「心痛む」発言 韓国大統領府は評価、野党は反発

岸田文雄首相が徴用工問題をめぐり、7日の日韓首脳会談後の記者会見で「心が痛む」と発言したことに対し、韓国大統領府や保守系の与党「国民の力」は前向きに評価している。一方、進歩系の最大野党「共に民主党」は反発。メディアも「十分ではない」との論調が大半だ。

韓国大統領府の関係者は7日夜、岸田氏の発言は「双方で事前調整したものではない。本人が直前に準備して、自発的に述べたと推測される」と強調。両首脳が、広島の平和記念公園にある韓国人原爆犠牲者の慰霊碑を共に参拝することで合意したことも合わせ、「これからも言葉と行動で、過去の歴史に誠実に向き合い続けると示したものではないか」と評価した。

共同記者会見を終え、韓国の尹錫悦大統領(右)と握手する岸田首相=7日、ソウルの大統領府

「心が痛む」発言に韓国メディア「謝罪としては不十分」との指摘目立つ

岸田文雄首相が7日の日韓首脳会談後の会見で元徴用工問題を巡り「心が痛む」と発言したことに、韓国メディアは一定の評価をしつつも「謝罪としては不十分」との指摘が目立った。

新型コロナ、インフル同等扱いに 8日、「5類」移行

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが8日、これまでの「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した。行動制限に関する法的根拠がなくなり、感染対策は個人の判断に委ねられる。感染者の国内初確認から約3年4カ月。コロナ禍から脱却し、社会・経済活動の正常化に向けた大きな区切りとなる。

5類への移行に伴い、無料だったウイルス検査や外来診療の費用は自己負担となる。政府の試算によると、初診料は最大4170円となる見通し。入院する場合は、軽減措置として、月に最大2万円が補助される。コロナに対応する医療機関を増やし、入院患者は約8300カ所で最大約5万8000人を受け入れられるようにする。

感染者や濃厚接触者の行動制限はなくなり、ホテルで隔離する「宿泊療養」は原則廃止となる。厚生労働省は感染者の療養期間の目安について、発症翌日から5日間は外出を控え、10日間はマスクを着用するよう推奨。5日目も症状がある場合は、回復してから24時間が経過するまで外出自粛を求めている。

新規感染者数は「全数把握」に基づき毎日発表されてきたが、全国約5000の医療機関に報告してもらう「定点把握」に変更される。厚労省が週1回、ホームページでデータを公表する。

新型コロナ流行の波と主な出来事

専門家「5類後も警戒を」 コロナ変異株、感染力増、致死率は低下

新型コロナウイルスの変異株は、主に3タイプが流行してきた。現在のオミクロン株は従来のものより感染力が増した一方、致死率は大幅に低下した。ただ、感染症法上の分類が「5類」となった後も、感染力や重症化リスクが上がった変異株が出ない保証はなく、専門家は警戒を続けるよう求めている。

国内では2020年1月に初の感染者が確認された。当初は中国・武漢株などが流行したが、21年以降は変異株が中心となり、英国由来のアルファ株、インド由来のデルタ株が流行。同年12月には、ワクチンや感染で得た免疫から逃れやすい南アフリカ由来のオミクロン株が拡大した。

高齢者らにコロナ接種開始 23年度分、多い人で6回目

高齢者や基礎疾患がある人などを対象にした新型コロナウイルスワクチンの2023年度の接種が8日、東京都港区の会場で始まった。使用するのはオミクロン株対応の2価ワクチン。多い人で6回目の接種となる。

対象は65歳以上や、5歳以上で基礎疾患があるなど重症化リスクが高い人、医療・介護従事者。当面健康な12~64歳は、追加接種が打てなくなるが、9~12月には全年代が打てるようになり、高齢者らは年内に2回接種できる。9月から使うワクチンは今後早期に決める。

GW旅客1100万人 コロナ前の94%に…JR各社

JR旅客6社は8日、ゴールデンウイーク(GW)期間(4月28日~5月7日)の新幹線と在来線の利用実績を発表した。新幹線を含む特急・急行列車の乗客(主要46区間)は、前年比1.32倍の約1100万1000人で、新型コロナウイルス感染拡大前の2018年の94%まで回復した。

利用実績は6社とも前年を上回り、1990年の集計開始以降、7番目に多かった。対前年比ではJR東日本の増加幅が1.4倍で最も大きく、約378万5000人が利用した。JR東海は新幹線のぞみの乗客が増え、全体の実績は18年と同水準に戻った。

ツツジ30種3万株見ごろ 長野・岡谷の鶴峯公園

中部地方一のツツジの名所として知られる長野県岡谷市川岸の鶴峯公園で「つつじ祭り」が始まり、例年より早めに見ごろを迎えた色とりどりの花の景観を客が楽しんでいる。

なだらかな南向き斜面の約2万平方メートルの公園には30種3万株が植わる。ツツジは同市の花で、公園では段々と高所に満開が広がるという。祭りは14日までで入園無料。

満開のツツジを楽しむ花見客=長野県岡谷市川岸上3の鶴峯公園で2023年5月6日午前

シバザクラ20万株、色鮮やかに 新潟・魚沼で見ごろ

新潟県魚沼市根小屋の奥只見レクリェーション都市公園「根小屋 花と緑と雪の里」でシバザクラが見ごろを迎えた。約1ヘクタールの広場には約20万株、赤やピンクなど9種類が植栽されている。

実行委員会事務局では「今月中は楽しめます」としている。

シバザクラを撮影する人たちも多い=新潟県魚沼市根小屋で2023年5月3日

岩手県北部で季節外れの雪 住民「初夏のような気候から一気に真冬」

本州付近に延びた前線や低気圧の影響で岩手県内は8日、北部の山間部を中心に季節外れの雪が積もり、海上では暴風となった。大型連休中は穏やかな日が続いていたが、後半から崩れ始めて急変。荒天は夕方まで続く見込みで、盛岡地方気象台は路面凍結や暴風、高波などへの注意を呼びかけている。

同気象台によると、8日午前11時現在の県内各地の最低気温は二戸市零下0.2度、軽米町0.3度、久慈市2.4度、八幡平市0.2度、盛岡市1.9度、宮古市1.8度、大船渡市5.9度など。二戸市では同日午前、積雪があった。

雪が積もった住宅の庭先=2023年5月8日午前、岩手県二戸市

コンゴ、洪水で死者400人超 東部の南キブ州で川が氾濫

コンゴ(旧ザイール)東部の南キブ州で4日に起きた大雨による川の氾濫で、8日までの死者数が400人を超えた。地元政府の話としてロイター通信などが伝えた。二つの村が浸水し、数千人が行方不明との情報もあり、犠牲者はさらに増えるとみられる。

川の堤防が決壊し、学校や病院を押し流した。被災地の東側にあるキブ湖でも流された遺体が見つかった。衛生環境の悪化から、コレラなど感染症の流行も懸念される。

コンゴ(旧ザイール)

ワグネル、激戦地バフムト撤退を撤回か 「弾薬と武器供給約束」

ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者のプリゴジン氏は7日、通信アプリ「テレグラム」に投稿した音声メッセージで、ウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトへの侵攻作戦を続けるために必要な「弾薬と武器の供給を約束された」と表明した。プリゴジン氏は、ロシア政府からの弾薬の供給不足を理由にバフムトから撤退すると述べていたが、撤回した可能性がある。

プリゴジン氏はこれまでも、物資の補給などを巡りロシア国防省など政府側との確執が取りざたされてきた。今回の動きには、バフムトで戦果を上げられない責任を政府側に転嫁しようとする思惑も透ける。

全国で9310人感染確認 前週比4300人増 新型コロナ

厚生労働省は8日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で9310人確認されたと発表した。前週の月曜日より約4300人増加した。死者は15人だった。

主な都道府県の新規感染者数は、北海道554人▽東京都1331人▽愛知県425人▽大阪府552人▽福岡県289人。

<新型コロナ・8日>東京都で新たに1331人感染、2人死亡

東京都は8日、新型コロナウイルスの新たな感染者1331人と2人の死亡を確認したと発表した。1週間平均の新規感染者数は、8日時点で1632.7人で、前の週に比べて107.2%。

<新型コロナ・8日>東京都で新たに1331人感染

【1年前の今日の出来事】 2022年5月8日