2023年4月10日 今日の出来事

植田日銀新総裁、緩和路線「ただちに見直す必要ない」 就任記者会見

日銀の植田和男新総裁は10日、就任記者会見を開いた。前任の黒田東彦氏が続けてきた大規模金融緩和について、植田氏は「継続する」とした上で、「強力なのは間違いない。インフレ(物価上昇)率を見極めて適切なタイミングで正常化に行かないといけない」と述べ、現行の緩和策を当面続けながら、元の状態に戻す時期などを模索する意向を示した。

植田氏は9日付で32代目の日銀総裁に就いた。任期は5年で学者出身の総裁は戦後初めて。10日夕には岸田文雄首相と官邸で会談した。終了後、植田氏は記者団に「日銀と政府で意思疎通を密にして、経済情勢に応じた機動的な政策を行っていく」と語った。日銀と政府が2013年の共同声明で掲げた物価上昇率を2%で安定させる目標については「ただちに見直す必要はないという点で一致した」と述べた。会談には松野博一官房長官や鈴木俊一財務相、後藤茂之経済再生担当相も同席した。

植田氏はマクロ経済学や金融論が専門の経済学者。東京大経済学部教授などを経て1998年から05年にかけて、日銀で金融政策を決める審議委員も務めた。その後も日銀金融研究所の特別顧問を務めるなど、金融政策に精通している。

維新、大阪府市・奈良制す 北海道と大分は与党系 徳島知事に後藤田氏

第20回統一地方選前半戦の9道府県知事選、6政令市長選、41道府県議選、17政令市議選は9日、投開票された。大阪府知事・市長の「ダブル選」は地域政党「大阪維新の会」の候補が非維新勢力の候補を破り当選。奈良県知事選も日本維新の会の候補が初当選を果たした。北海道と大分の知事選は与党系の候補が勝利した。

維新は大阪ダブル選の勝利に加え、本拠地の大阪府以外で初の公認知事が誕生。全国政党化に向け足掛かりを得た。一方、自民党は与野党全面対決となった北海道と新人対決の大分で推薦した候補が当選。しかし、大阪や保守分裂となった奈良で支援した候補が維新に敗れ、組織の引き締めが課題となりそうだ。

大阪ダブル選は、知事選で大阪維新代表の吉村洋文氏(47)が再選、市長選で元府議の横山英幸氏(41)が初当選。奈良知事選は元生駒市長の山下真氏(54)が自民県連推薦の新人と一部の自民県議が支援した現職らを抑えた。

知事選では北海道で自民、公明両党が推薦した現職の鈴木直道氏(42)が、立憲民主党が推薦した新人らを破り再選。大分は自民と公明県本部が推薦した元大分市長の佐藤樹一郎氏(65)が初当選した。保守分裂選挙となった徳島は自民元衆院議員の後藤田正純氏(53)が自民元参院議員や自民県連推薦の現職らを下し初当選を果たした。

神奈川、福井、鳥取、島根はいずれも与野党が支援した現職が当選した。

大阪以外の政令市長選は、2030年冬季五輪・パラリンピック招致の是非が争点となった札幌で、招致を目指す秋元克広氏(67)が3選。静岡は元静岡県副知事の難波喬司氏(66)、浜松は元総務省課長の中野祐介氏(53)が初当選した。相模原、広島は現職が当選を決めた。

道府県議選、女性の当選過去最多 自民過半数、維新が倍増

統一地方選前半戦は10日未明、41道府県議選の全2260議席が確定した。女性の当選者数は過去最高の316人だった。自民党は1153議席を獲得したが、前回議席には届かなかった。日本維新の会(政治団体大阪維新の会を含む)は改選前から倍増し、目標に掲げる「全国政党化」に向け前進した。立憲民主党と共産党は改選前議席に届かず、後退した。総務省発表によると、投票率は41.85%。同時に投開票された9知事選の46.78%と共に過去最低を更新した。

女性は前回の237人から79人増えた。

自民は前々回の2015年、前回の19年に続く総定数の過半数を確保し、議席占有率は51.0%となった。だが定数の過半数を占めた議会は24県と、前回の25道県より減少した。

維新は改選前57議席から124議席に躍進した。

41道府県議選 党派別獲得議席(確定版)

自転車同士が正面衝突、男性死亡 京都、ヘルメット着用せず

9日午後1時20分ごろ、京都府京田辺市田辺田出原のサイクリングロードで、自転車2台が正面衝突する事故があった。京都府警によると、乗っていた奈良市の無職浜田正則さん(62)が頭を強く打ち、搬送先の病院で死亡が確認された。浜田さんはヘルメットを着用していなかった。

もう一方の自転車に乗っていた奈良市の会社員有本浩美さん(44)はヘルメットを着用し、後頭部を打撲したが命に別条はない。自転車は両方ともスポーツタイプだった。現場はカーブしていた。

1日施行の改正道交法で、自転車に乗る人のヘルメット着用は全年齢で努力義務となった。

全国で新たに3290人感染確認 前週比70人増 新型コロナ

厚生労働省は10日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で3290人確認されたと発表した。前週の月曜日より約70人増えた。死者は14人だった。

主な都道府県の新規感染者数は、北海道151人▽東京都458人▽愛知県123人▽大阪府171人▽福岡県61人。

<新型コロナ・10日>東京都で新たに458人が感染、2人死亡

東京都は10日、新型コロナウイルスの新たな感染者458人と死者2人を確認したと発表した。死者の発表はなかった。1週間平均の新規感染者数は、10日時点で1068.3人で、前の週に比べて124.4%。

<新型コロナ・10日>東京都で新たに458人が感染

【1年前の今日の出来事】 2022年4月10日