政府後援の「兵器」展を開催 輸出促進、憲法と矛盾も
国内外の防衛装備や兵器のメーカーが出展する見本市「DSEI Japan」が15日、千葉市の幕張メッセで始まった。政府には装備品輸出や各国との技術協力を拡大する狙いがあり、防衛省、外務省などが後援する。日本開催は2019年以来2度目。紛争を助長しかねない見本市を政府が後援することは、平和憲法の理念との矛盾も指摘されている。
防衛費は増税も伴い、23年度からの5年間で約43兆円に大幅増額する。見本市は、急拡大する日本市場に海外メーカーが参入し、日本企業が各国の軍事関係者に売り込む機会となる。
ガーシー氏、議員資格失う 72年ぶりの除名、参院で可決
参院は15日の本会議で、国会欠席を続けて「議場での陳謝」の懲罰も拒否した政治家女子48党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員を「除名」とする懲罰を正式決定した。同氏は議員資格を失った。国会議員の除名は72年ぶりで現憲法下で3例目。欠席に基づく除名は初めて。
憲法58条は、国会議員を除名するには出席議員の3分の2以上の賛成が必要と定める。採決は記名投票で行われ、賛成は235票、反対は政女党の浜田聡氏の1票だった。議決を受け、尾辻秀久議長が除名を宣告した。
採決に先立ち、ガーシー氏の代理として浜田氏が本会議で弁明し「(ガーシー氏に投票した)国民の声を否定することは許されない。多数派による不平等な措置だ」と処分を批判した。
チャットGPT-4を発表 より正確な対話可能に オープンAI
米新興企業オープンAIは14日、大規模言語モデルに分類される人工知能(AI)の次世代版「GPT-4」を開発したと発表した。現行の「GPT-3.5」から学術的な問題への回答能力などが向上。「信頼性が高く、創造的で、より微妙な指示もこなせる」(同社)という。
GPT-4は、同社が手掛ける対話型AI「チャットGPT」の有料版に搭載する予定。資本提携先の米マイクロソフトはこの日、利用者を絞って展開中の対話型AIを搭載した検索エンジン「Bing(ビング)」で、既にこの技術を使っていると明らかにした。大規模言語モデルは、短い文章などによる指示を受け、文章や要約を作成することができる。
オープンAIによると、「3.5」では司法試験の模擬テストの点数が合格者の下位10%程度だったのに対し、「4」では上位10%程度に上昇した。同社は、入力された画像の面白い部分を「4」が解説するデモ画面なども示した。
米メタが新たに1万人削減 景気減速、短期間に2回目の大型リストラ
米IT大手メタ(旧フェイスブック)は14日、今後数カ月間で従業員を約1万人削減すると発表した。複数回に分けて実施し、技術や人事部門などが対象となる見通し。採用も抑制し、組織の効率化を図る。優先順位の低いプロジェクトも中止する。昨年11月にも1万1000人超の削減を発表しており、短期間で2度の大規模リストラは異例だ。
発表によると、4月下旬に技術部門、5月下旬に事務部門を対象に、人員削減と組織改革を実施する。人工知能(AI)や、インターネット上の仮想空間「メタバース」、暗号化技術などに注力する方針を表明した。
アメリカで飲み水のフッ素化合物規制へ 日本より厳格
世界で汚染が問題化する有機フッ素化合物「PFAS」を巡り、米環境保護局(EPA)は14日、国内の飲み水に含まれる濃度の基準を公表した。PFASは数千種類ある物質の総称で、このうちPFOSとPFOAを、それぞれ1リットル当たり4ナノグラム(ナノは10億分の1)と非常に低い濃度とした。法的拘束力を伴った基準で、一般からの意見を募った上で年内に最終決定する見通し。
日本では水道水と、河川など環境中の水の暫定目標値を、両物質合わせて1リットル当たり50ナノグラムとしており、米国の基準は格段に厳しい。
桜見頃の皇居・乾通り 4年ぶりに春の一般公開へ
宮内庁は15日、皇居内を南北に走る「乾(いぬい)通り」を25日~4月2日に一般公開すると発表した。ソメイヨシノなどが見頃を迎える時期で、春の一般公開は新型コロナの影響で4年ぶり。入場前には手指のアルコール消毒や検温を求めるという。来場者が多い場合は、入場制限をする場合もある。
乾通りは、坂下門と乾門とを結ぶ約600メートルの並木道。一般公開は上皇さまの傘寿を記念して2014年に実施し、その後春と秋の公開が恒例になったが、新型コロナの影響で取りやめになっており、昨年11月に秋の公開が3年ぶりに行われた。
全国で新たに9552人感染 前週比2000人減 新型コロナ
厚生労働省は15日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で9552人確認されたと発表した。前週の水曜日より約2000人減った。死者は61人だった。
主な都道府県の新規感染者数は、北海道443人▽東京都816人▽愛知県552人▽大阪府494人▽福岡県385人--など。
<新型コロナ・15日>東京都で816人感染、6人
東京都は15日、新型コロナウイルスの新たな感染者816人と死者6人を確認したと発表した。週間平均の新規感染者数は、15日時点で728.6人で、前の週に比べて93.8%。
【1年前の今日の出来事】 2022年3月15日