2023年1月13日 今日の出来事

山上容疑者を殺人罪などで起訴 安倍元首相銃撃事件で奈良地検

安倍晋三元首相(当時67歳)が奈良市で参院選の応援演説中に銃撃され死亡した事件で、奈良地検は13日、奈良市の無職、山上徹也容疑者(42)を殺人と銃刀法違反(発射、加重所持)の罪で起訴した。首相経験者が、公衆の面前で殺害されるという、戦後史に残る事件の真相解明の場は法廷に移る。

起訴内容は、山上被告は2022年7月8日午前11時半ごろ、近鉄大和西大寺駅北口で参院選の応援演説中だった安倍氏を背後から手製の銃で撃って、殺害したとされる。

山上被告は母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に入信し1億円以上の献金をして家庭が困窮したことなどから、教会を憎んでいたと見られている。これまでの奈良県警の調べには、安倍氏が教会の活動を国内で広めたと考えるようになり、銃撃の対象にしたと説明している。

地検は山上被告の刑事責任能力を見極める必要があると判断。同年7月25日から23年1月10日までの鑑定留置で専門医が精神鑑定を実施し、生い立ちや事件当時の精神状況について調べた。その結果、地検は公判で刑事責任を問えると判断した。

鑑定留置を終え、奈良西署に入る山上徹也容疑者(10日、奈良市で)

処理水の海洋放出「今年春から夏ごろ」 政府が確認、福島第一原発

東京電力福島第一原発で「処理水」の海洋放出を始める時期について、政府は13日の関係閣僚会議で「今年春から夏ごろ」を見込むことを確認した。政府はこれまで、処理水の海洋放出を決めた2021年4月の基本方針で、「2年程度後に開始する」とのめどを示していた。

東電は昨年8月に放出に必要な海底トンネルなど設備の工事を始めた。東電は今年春までの完成をめざすとする一方、悪天候などで工事が順調に進まなかった場合、夏にずれ込むという見通しをすでに示している。

松野博一官房長官は「政府としては海洋放出に向けて、その前提としている安全性の確保と風評対策の徹底に万全を期すとともに、漁業者をはじめとする地元関係者のご懸念に耳を傾けつつ、これらの対策の内容について丁寧な説明を尽くしていく」と述べた。

住宅解体、月内にも着手へ 外環道陥没事故、現場周辺で地盤補修工事

2020年10月に東京都調布市で起きた東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事による陥没事故の現場付近で、緩んだ地盤の補修工事をするための大規模な住宅解体工事が月内にも始まりそうだ。住民にとっては、そもそも同意していなかったトンネル工事で突然、近くの道路が陥没し、立ち退きまで考えざるを得ない事態となっている。

事故は20年10月18日に同市東つつじケ丘2丁目の住宅街で発生し、市道に幅5メートル、長さ3メートル、深さ5メートルの穴ができた。その前月、現場付近の地下約50メートルで東日本高速道路(NEXCO東日本)による外環道のトンネル掘削が進んでおり、同12月に同社の有識者委員会が陥没事故と工事の因果関係を指摘。同社も謝罪し、翌年2月には補償と、現場付近の地盤を補修する方針を明らかにした。

トンネル工事は、深さ40メートルを超す「大深度地下」で認可を受ければ、用地買収や住民同意が要らない大深度地下使用法に基づいて進められてきた。このため、事故当時、トンネル掘削工事についてはっきりと認識していない地元住民もいた。

補修工事は長さ220メートル、幅16メートルの区域で、地中に高さ40メートルほどの巨大なコンクリート柱を多数置くという大がかりなものだ。予定工期は2年。同社は工事区域周辺に立つ住宅約40軒の解体が必要とし、宅地の売却や一時移転の交渉を住民と続けてきた。

陥没した東京都調布市の市道=2020年10月18日、同市東つつじケ丘2丁目

全国で新たに14万4077人感染 死者は480人 新型コロナ

厚生労働省は13日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で14万4077人確認されたと発表した。死者は480人で、1日当たりの死者数として最多だった12日(489人)より減少した。

13日の主な都道府県の新規感染者数は、北海道3270人▽東京都1万1241人▽愛知県8642人▽大阪府9040人▽福岡県8186人――など。

東京円、7カ月ぶり円高水準 一時128円台 米利上げ幅縮小の思惑

13日午前の東京外国為替市場の円相場は対ドルで上昇し、一時1ドル=128円60銭台を付けた。2022年6月以来、約7カ月ぶりの円高・ドル安水準。

前日に米国で発表された消費者物価指数(CPI)で前年同月比の上昇率が鈍化したため、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ幅を縮小するとの思惑が広がり、ドル売り・円買いが進んだ。

【1年前の今日の出来事】 2022年1月13日