2022年11月10日 今日の出来事

日本に化石賞 理由は「化石燃料事業への公的融資額が世界最多」

エジプトで開催中の国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)で、世界の環境NGOが参加する「気候行動ネットワーク(CAN)」は9日、気候変動対策に後ろ向きな国に贈る「本日の化石賞」に日本を選んだと発表した。化石燃料事業への公的融資額が世界最多だったことが授賞理由だ。

CANによると、日本の石油、石炭、天然ガスの事業に対する公的融資は、2019~21年の年平均で106億ドル(約1.5兆円)だった。

日本政府は、化石燃料にアンモニアや水素を混ぜて火力発電所で使い、最終的には排出ゼロにする「ゼロエミッション火力」をアジアで推進したい考えだ。

シャルムエルシェイクで9日、「化石賞」を受け取る環境団体メンバー(左)

コロナ週間感染者数、日本がまた世界最多に 死者数最多はアメリカ

世界保健機関(WHO)の新型コロナウイルス感染症の集計で、10月31日~11月6日の週間感染者数が日本は前週比42%増の40万1693人で、世界最多となった。日本は7月中旬~9月下旬、10週連続で世界最多を記録していたが、感染者の全数把握の簡略化が全国で導入されたことも受け、記録上の感染者数は減少していた。

週間死者数は米国が2480人で世界最多。日本は391人で、感染者数に比して少なく抑えられている。世界全体の週間死者数は前週比10%減の9405人だったが、テドロスWHO事務局長は9日の記者会見で「予防も治療もできる病気で、1万人近くが1週間で死亡するというのは多すぎる」と述べ、各国に警戒継続を訴えた。 …

コロナ新変異株が国内「第8波」の主流に? 欧米で置き換わり進む

新型コロナウイルスの新たなタイプの変異株が登場し、欧米ではじわじわと置き換わりが進んでいる。免疫を逃れ、感染が広がりやすいのではとの指摘もある。すでに国内でも確認されており、この冬に起こるとされる感染「第8波」では、こうしたタイプが主流になる可能性がある。

国内で夏の第7波で流行したのがオミクロン株の派生型「BA.5」で、世界的に現在も主流だ。だが今後は、いずれもオミクロン株の派生型である「BQ.1系統」と「XBB」が広がる可能性があると、世界保健機関(WHO)や専門家は注視している。

感染の波と主な変異株

全国で新たに7万8577人感染確認 前週から1万人増 新型コロナ

厚生労働省は10日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに7万8577人確認されたと発表した。前週の木曜日より約1万人増えた。主な都道府県の新規感染者は、北海道8457人▽東京都7969人▽神奈川県5299人▽愛知県4235人▽大阪府3780人――など。

プーチン政権に致命傷、ロシア国防相がへルソン撤退命令

ロシアのショイグ国防相は9日、一方的に「併合」を宣言したウクライナ南部へルソン州のドニエプル川西岸地域からロシア軍部隊を撤退させるように命じた。州都へルソンも含まれる。「併合宣言」から1カ月余りで同州の約4分の1の支配地域を失う可能性がある。侵攻作戦を主導しプーチン大統領の権威は失墜し、政権への致命傷にもなりかねない。

ウクライナでの軍事作戦を統括するスロビキン司令官は、「難しい決定だが、重要なのは軍人らの命を守ることだ」と述べ、部隊を東岸地域に撤退させてドニエプル川を新たな防衛ラインとすることが作戦上、最も適切だと報告した。ショイグ氏も「提案に同意する。兵士の命は最優先だ」と述べ、安全な部隊移動を実現するよう命じた。

これに対し、ウクライナ側は市街戦を有利に戦うための「わな」であると警戒を強めている。ポドリャク大統領府長官顧問も「ロシア軍が戦わずにへルソンを撤退する兆候はみられない」とツイートし、解放につながるかを疑問視した。

ロシア軍のウクライナ侵攻状況(8日現在)

ウクライナで日本人義勇兵死亡情報 松野官房長官「確認中」

松野博一官房長官は10日の記者会見で、ロシアに侵攻されたウクライナで活動していた日本人義勇兵の死亡情報が、SNSで拡散していることについて「ご指摘の情報があることは承知している。現在、在ウクライナ(日本)大使館が事実関係の確認を行っている」と述べた。

義勇兵を巡っては、在日ウクライナ大使館が義勇兵を募集し、今年3月1日時点で日本人約70人が志願した。日本政府が現地への渡航中止を求めたため、同大使館は募集をとりやめていた。松野氏は日本人義勇兵が何人ウクライナに入国したかについては「事柄の性質上、答えを差し控える」として明らかにしなかった。その上で「ウクライナ全土に退避勧告を出しており、どのような目的であれ、渡航はやめていただきたい」と改めて呼びかけた。

国の借金1251兆円 9月末、前年比36兆円増

財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券を合計した国の借金が9月末時点で1251兆3796億円だったと発表した。1年前より36兆2264億円増え、9月末として過去最大を更新した。社会保障や新型コロナウイルス対応に伴う歳出が拡大し、これを賄うための借金が膨らんだ。

総務省の人口推計を基に単純計算した国民1人当たりの借金は約1002万円となった。

内訳は、国債が41兆5378億円増の1099兆7286億円。このうち、国が企業などに低利で融資・出資する財政投融資の財源となる財投債は12兆3239億円減の97兆268億円だった。令和2年に新型コロナ対応で発行した短期の財投債が償還期限を迎えたことが影響した。

金融機関などからの借入金は2兆4117億円減の46兆5522億円。一時的な資金不足の穴埋めのために発行する政府短期証券は105兆988億円で、2兆8998億円減少した。

【1年前の今日の出来事】 2021年11月10日