2021年6月11日

改正国民投票法が成立 駅などに投票区問わぬ「共通投票所」可能に
憲法改正の手続きを定める改正国民投票法が11日、参院本会議で自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主各党などの賛成多数で可決、成立した。共産党は反対した。駅や大型商業施設に「共通投票所」を設けられるようにするなど、現在の公職選挙法に合わせた7項目が新たに盛り込まれた。立憲の要求を踏まえ、テレビ・ラジオCMやインターネット広告の規制について、施行後3年をめどに必要な措置を講じることも付則に明記した。公布の3か月後に施行される。

「資金力に左右されるCMの規制などが含まれていない」として採決に慎重だった立憲は、20年末に「21年の通常国会中に何らかの結論を得る」ことで自民と合意。21年4月下旬には、CM規制の検討を行った上で措置を講じると付則に明記するよう求め、与党側が全面的に受け入れたため賛成に転じていた。

「防災道の駅」初選定 39か所、救援活動拠点に―国交省
国土交通省は11日、大規模災害時の広域防災拠点となる「防災道の駅」の第1弾として、36道県の39駅を選定したと発表した。ドライバーの休憩や地場産品の販売といった従来の道の駅の機能に加え、災害対応に当たる自衛隊や警察、緊急災害対策派遣隊(TEC―FORCE)の拠点を設けるほか、物資の分配や地域住民らの避難受け入れなどに活用する。

選定は、都道府県が策定する地域防災計画などで、広域的な防災拠点として位置付けられていることが条件。ハード面では、建物の耐震化、電気や水、通信機能の確保のほか、救援活動に必要なスペースとして2500平方メートル以上の駐車場の整備も求めている。

ドローンで状況確認、遠隔操作で倒木除去 大災害想定し警視庁訓練
大規模災害を想定した警視庁の総合訓練が11日、東京都江戸川区の江戸川河川敷であった。機動隊員ら約650人が参加し、土砂崩落現場や浸水家屋からの救助手順を確認した。土砂災害を想定した訓練では、小型無人機(ドローン)で上空から状況を確かめた後、遠隔操作できる重機で倒木を除去。家屋の出入り口にあった土砂を隊員がスコップで取り除き、要救助者役の警察官を担架で運び出した。

病院船推進法が成立 政府、当面は自衛艦活用
海上で病傷者の治療ができる「病院船」の整備を推進する法律が11日、参院本会議で、全会一致で可決、成立した。大規模な災害や感染症の発生に備えて、国に整備推進計画の策定を義務付ける。ただ人材確保やコスト面で課題が指摘されており、政府は当面の新規造船を見送り、自衛隊の艦艇を活用する方針だ。推進法は、病院船となる船舶や、必要な人員、物資を確保し、平時でも離島の巡回診療や国際緊急援助などに活用するという基本方針を掲げた。首相をトップとし、全閣僚で構成する推進本部を設置することも定めた。

新大西洋憲章に米英首脳が署名、発表 中ロ専制主義に断固対抗
バイデン米大統領とジョンソン英首相は10日、法の支配や人権、公正な貿易など民主主義に基づく価値を両国が協力して守るとうたった「新大西洋憲章」を発表した。先進7か国首脳会議(G7サミット)が開かれる英南西部コーンウォールで首脳会談を行い、署名した。名指しを避けながらも、中国やロシアの専制主義に断固として対抗する姿勢を鮮明にした。

大西洋憲章は1941年に米英が第2次世界大戦後の世界秩序について目標を示した共同宣言。自由貿易や海洋の自由などをうたい、国連憲章の土台となったとされる。

ペルー大統領選、開票終了 カスティジョ氏が過半数
南米ペルーで6日に行われた大統領選挙の決選投票は10日、開票率が100%に達した。暫定集計では、小学校教師で急進左派のペドロ・カスティジョ氏(51)が有効票の50.195%を獲得。フジモリ元大統領の長女で中道右派政党「フエルサ・ポプラル」党首のケイコ氏(46)を0.39ポイント上回り、初当選が濃厚となった。

ただ、ケイコ氏は開票作業に不正があったとして、選挙を管轄する全国選挙審議会(JNE)に20万票の無効を訴えており、確定までには時間を要する見通しだ。中央選管当局によると、ケイコ氏の得票率は49.805%で、票差は6万8473。劣勢のケイコ氏は、無効と見なす20万票に加え、疑問票も約30万票あると主張。10日の記者会見で「われわれは50万票の分析が行われるのを慎重に待つ」と強調し、JNEの裁定に逆転への望みを託した。