2021年5月26日

「縄文遺跡群」世界遺産へ 三内丸山など登録勧告―「定住社会発展示す」・諮問機関
日本最大級の縄文集落跡で知られる三内丸山遺跡(青森市)など17の遺跡で構成される「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道、青森、岩手、秋田各県)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)が世界文化遺産への登録を勧告した。文化庁が26日、明らかにした。

自然遺産の「奄美大島、徳之島、沖縄県北部および西表島」(鹿児島、沖縄両県)の登録も10日に勧告されており、いずれも7月にオンラインで開かれるユネスコ世界遺産委員会で正式決定される見通し。

国内の世界遺産は、これまでに23件登録されている。縄文遺跡群が登録されれば、文化遺産は2019年の「百舌鳥・古市古墳群」(大阪府)に続き20件目となる。登録が勧告された17遺跡は、竪穴住居跡などの集落跡や環状列石(ストーンサークル)、共同墓地などで構成。国の特別史跡に指定されている三内丸山遺跡大湯環状列石(秋田県鹿角市)のほか、北黄金貝塚(北海道伊達市)、御所野遺跡(岩手県一戸町)などの史跡も含まれる。

縄文時代は約1万5000年前に始まり、稲作が本格化する弥生時代まで1万年以上続いた。農耕や牧畜を基盤とした同時期の世界の他地域と異なり、採集や漁労、狩猟をなりわいとする定住生活で、イコモスは「先史時代の農耕を伴わない定住社会と複雑な精神文化に加え、定住社会の発展段階やさまざまな環境変化への適応を示している」と評価した。

スーパームーンの皆既月食、赤銅色に染まった満月
満月が地球の影にすっぽりと隠れる皆既月食が26日午後8時過ぎ、各地で観測された。日本で見られる皆既月食は2018年7月以来、約3年ぶり。今回は1年間で最も大きく満月が見える「スーパームーン」とも重なり、南東方向から昇ってきた大きな満月が赤黒い「赤銅色」に染まった。皆既月食は太陽と地球、月がほぼ一直線に並び、月が地球の影に完全に隠れる現象。満月は午後6時44分から欠け始め、午後8時9分から約19分間にわたって皆既食の状態となった。

国交省、アドレス7万6000件流出 富士通システム不正アクセスで
国土交通省は26日、富士通が管理・運営する情報共有システムへの第三者の不正アクセスにより、少なくとも約7万6000件のメールアドレスが外部に流出したと発表した。職員だけでなく、業務上関係があり、リストに登録されていた省外のアドレスなどが含まれているという。

同省は富士通にシステム関係業務を委託。富士通は既にシステムの運用を停止した。同じシステムを使っていた成田国際空港会社も、運航情報管理システムに関する資料が外部流出した可能性が高いと公表している。

全国で新たに4536人感染 重症者は過去最多更新 新型コロナ
新型コロナウイルスの感染者は26日、全国で新たに4536人確認された。水曜日の感染者としては3週間ぶりに5000人を下回ったが、重症者(26日午前0時現在)は前日比119人増の1413人に上り、過去最多を更新した。死者は116人増えた。東京都の新規感染者は743人。沖縄県は302人で2日連続で過去最多を更新した。

今年初のヒアリ確認 東京・青海ふ頭で150匹 環境省
環境省は25日、東京都江東区の東京港青海ふ頭で、強い毒を持つ特定外来生物のヒアリ約150匹を確認したと発表した。すべて働きアリだった。ヒアリが見つかったのは今年初めてという。環境省によると、同省の委託を受けた調査業者が20日、青海ふ頭のコンテナ置き場で、地面の接ぎ目にヒアリが出入りしているのを見つけた。殺虫成分のあるエサをまいて駆除を進めている。アリの数が少ないことから、定住している群れではなく、新たに国外から入ってきた可能性があるとみている。ヒアリは南米原産で、2017年に国内で初めて見つかり、これまでに16都道府県で確認されている。