五輪選手、医療で優先対応ゼロ 競技実施10都道県、一般と同じに
東京オリンピック・パラリンピックの新型コロナウイルス対策を巡り、大会組織委員会は、選手らが感染した場合の医療機関での受け入れを自治体に求めている。一部の県は「専用病床を求められた」といい、感染拡大が収束せずに入院が容易ではない地域も生まれている厳しい状況から、組織委への反発が広がった。五輪競技が実施される10都道県に毎日新聞が取材すると、選手優先で医療の対応をすると決めた自治体はゼロで、一般住民と同じ扱いになりそうだ。「五輪選手の専用病床を用意してくれという打診があったようだ」「選手の優先は認められない。お断りさせていただいている」
国内感染、5日連続6000人超 重症者、最多1231人―新型コロナ
国内では15日、47都道府県と空港検疫で新たに6425人の新型コロナウイルス感染が確認された。6000人を超えたのは5日連続。重症者は前日比22人増の1231人で、過去最多を更新した。死者は94人に上った。
札幌・小樽・旭川は特定措置区域 百貨店などに土日祝日休業要請
北海道に16日に発令される新型コロナウイルス感染の緊急事態宣言に伴う対策が、15日決まった。札幌、小樽、旭川の3市と石狩管内を「特定措置区域」として他地域より強い措置を取るのが特徴で、同区域では百貨店や大規模なパチンコ店、スポーツクラブなどに土日祝日の休業、平日の午後8時までの時短営業を求める。期間は16~31日だが、準備期間が短いため、施設側には遅くとも18日からの実施を求めている。
東京、新たに772人感染 20代が234人で最多
東京都は15日、新型コロナウイルスの感染者を新たに772人確認したと発表した。15日までの1週平均の感染者数は876.4人で前週比は112.9%だった。感染者772人を年代別で見ると、20代が234人で最多。30代が135人、40代が125人、50代が97人と続いた。65歳以上の高齢者は77人だった。
愛知で新たに596人感染 1か月弱で1万人増、過去最悪ペース
愛知県は15日、新型コロナウイルス感染者を新たに596人確認したと発表した。感染者の累計は4万250人で、1万人単位の感染者数の推移を見ると、3万人台になった4月17日から1か月足らずの過去最速ペースで4万人に達した。
大阪府で新たに785人感染 42人の死亡を確認
大阪府は15日、府内で新たに785人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。また、60~90代の男女42人の死亡が確認された。感染者は延べ9万4221人、死者は計1943人になった。入院中の重症者は前日より5人多い380人。そのうち、44人は軽症中等症病床で治療を続けていて、府が確保している重症病床(352床)に入院しているのは336人、病床使用率は95.5%になった。
広島県で過去最多238人感染 4日連続200人超す
広島県内で15日、新たに238人の新型コロナウイルス感染が発表された。12日の219人を上回って過去最多を更新した。200人を超えるのは4日連続。県は入院中の患者1人が死亡したと発表し、県内の死者は113人となった。
台湾 新型コロナ感染者急増 台北などで警戒レベル引き上げ
台湾では新型コロナウイルスの感染者が急増していることから、当局は北部の台北市など2つの市で警戒レベルを引き上げ、今後2週間屋内で5人以上の集まりを禁止することなどを決めた。台湾では渡航制限や隔離などの対策を厳格に実施し、域内での感染を抑え込んできたが、今週に入って感染確認が相次ぎ、15日発表された新たな感染者の数は180人に上った。これは過去1年余りの累計164人を上回っている。台湾ではこれまで感染状況が落ち着いていたこともあり、ワクチン接種は進んでおらず、14日までに1回目の接種を終えたのは全人口の0.8%、18万6000人余りに留まっている。
ロシア、米国を「非友好国」指定 制裁強化への対抗措置
ロシア政府は14日、米国をロシアに敵対的な行動を取る「非友好国」に指定した。在ロシアの米大使館と総領事館は職員数の厳しい制限を受ける。ロシアによるサイバー攻撃などを理由に米国が対ロ制裁を強化する中、プーチン大統領が対抗措置として非友好国のリスト作成を命じていた。6月中旬の開催で調整が進む米ロ首脳会談に向け、双方の攻防が続いている。
非友好国に指定されたことで、在ロシアの米大使館、総領事館は、ロシアや第三国の国民を職員として雇用することを禁じられる。米ロ双方の外交官追放で人員不足に苦しむ米公館は日常業務に重大な支障を来すことになる。
中国探査機、火星に初着陸 3か国目、「宇宙強国」へ前進
中国の無人火星探査機「天問1号」が15日午前7時18分(日本時間同8時18分)ごろ、火星への着陸に成功した。国営中央テレビが伝えた。中国にとって初の火星着陸で、旧ソ連、米国に続き3か国目。今後、搭載している探査車「祝融号」を地表に降ろして走行させる予定で、表面探査にも成功すれば米国に次いで2か国目となる。
中国は、米国の独壇場だった火星探査にも割って入り、「宇宙強国」の目標にまた一歩近づいた形だ。火星では、今年2月に着陸した米国の探査車「パーシビアランス」が活動しており、米中両国の探査車がそろい踏みする見通しだ。
ミャンマーに食糧支援決定 政府、4.3億円
政府は14日、ミャンマー国軍によるクーデターの影響を受ける住民への食糧支援のため、400万ドル(約4億3200万円)の緊急無償資金協力を行うと決定した。クーデターに伴う経済の混乱で貧困層の食糧事情が急激に悪化しており、国連世界食糧計画(WFP)を通じて約60万人分の食糧支援を行うという。
河合雅雄さん死去 97歳 日本のサル学発展 京大名誉教授
宮崎県・幸島(こうじま)のニホンザルの群れでサルが海水でイモを洗う行動を発見するなど、日本のサル学を飛躍的に発展させた元京都大霊長類研究所長で、京大名誉教授の河合雅雄さん(人類学、生態学専攻)が14日、老衰のため兵庫県丹波篠山市の自宅で死去した。97歳だった。
京大理学部卒。1956年、日本モンキーセンター(愛知県犬山市)の設立に参加し、87~94年、同センター所長。京大教授、岐阜大学長などを務めた故今西錦司氏の門下生の一人で、動物学に社会学、文化論の視点を加えた動物社会学を確立させた。元文化庁長官で臨床心理学者の河合隼雄氏(故人)は河合さんの弟。
九州北部と中四国が梅雨入り 気象庁
気象庁は15日、九州北部と中国、四国地方が梅雨入りしたとみられると発表した。四国は平年より21日早く、1951年の統計開始以来、最も早い梅雨入りとなった。昨年比では26日早かった。九州北部は平年より20日、昨年より27日、中国は平年より22日、昨年より26日それぞれ早い。
青森の農地に国内最大の風力発電所 風車38基、9万世帯分の出力
1年を通して強い風が吹き抜ける青森県つがる市の農地に、2020年4月から国内最大規模の風力発電所「ウィンドファームつがる」が稼働している。高さ約100メートルになる風車38基の総出力は一般家庭約9万世帯分の12万1600キロワット。年間約18万トンの二酸化炭素(CO2)削減効果が見込まれる。同発電所の建設は、再生可能エネルギー発電の促進と農林漁業の土地利用の調和を図るため14年に施行された「農山漁村再生可能エネルギー法」に基づき、農地を大半の用地として17年に着工。作付けの繁忙期を避けながら、約2年半かけて完成した。