原子力規制委 柏崎刈羽原発「運転禁止」命令を決定、テロ対策不備巡り
原子力規制委員会は14日の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の核物質防護不備をめぐる事実上の運転禁止命令を正式に決定した。命令によって、東電は同原発への新燃料の搬入や、原子炉への燃料装荷などができなくなる。商業炉に対する規制委の措置命令は初めて。
規制委や東電によると、柏崎刈羽原発では昨年3月以降、計15か所でテロ目的などの侵入を検知する設備が故障し、代替措置も不十分だったことが、今年2月の規制委の検査で判明した。同1月には、同僚のIDカードを使った所員による中央制御室への不正入室も発覚した。
原子力規制委、報告遅れの規制庁トップ3を厳重注意
原子力規制委員会は14日、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の所員によるIDカードの不正利用について、規制委の事務局の原子力規制庁が東電から報告を受けていたにもかかわらず、規制委への報告が遅れたとして、荻野徹長官、片山啓(ひろむ)次長、桜田道夫・原子力規制技監の規制庁トップ3人を厳重注意処分にした。
復興庁 「トリチウム」をゆるキャラ化、批判受け削除
東京電力福島第一原発の放射性物質「トリチウム」が含まれる処理水について、復興庁は13日、安全性をPRするチラシと動画をホームページで公開した。政府が処理水の海洋放出を決めたことを受けた対応だが、いずれにもトリチウムを可愛らしく表現したイラストが使われ、ツイッター上などで「無神経だ」「イメージ操作」といった批判が多数寄せられた。批判を受け、同庁は翌14日にチラシ、動画ともにホームページから削除した。イラストが登場するのは、「ALPS処理水について知ってほしい3つのこと」と題されたチラシと動画。丸顔でほおを赤らめた、ゆるキャラのようなキャラクターとして描かれている。
【削除されたyoubube】復興庁がトリチウムをゆるキャラにして紹介したけど消した動画
尾身茂会長「第4波入った」 日本医師会の中川俊男会長「既に医療崩壊が始まっている」
新型コロナウイルスの変異ウイルスによる感染が全国に広がってきた。コロナ対策を厚生労働省に助言する専門家組織は14日、大阪府や兵庫県に続いて、東京都や愛知県などでも変異株が増えてきたと指摘。対策分科会の尾身茂会長は衆院厚生労働委員会で「第4波に入っているのは間違いない」と述べた。
一方、菅総理大臣は「現時点で、全国的な大きなうねりとまではなっていないと考えているが、特に関西圏など、急速に感染拡大が進んでいる状況にあり、政府として、強い警戒感を持って対応すべき状況にある」と指摘した。
日本医師会の中川俊男会長は14日の記者会見で、大阪府などの新型コロナウイルスの感染状況について「第4波だ」との認識を示し、まん延防止等重点措置による対応ではなく「状況によっては、早期の緊急事態宣言発令も必要だ」と述べた。大阪府については「既に医療崩壊が始まっている」と指摘。「3週間遅れで宣言を解除した首都圏1都3県でも(医療崩壊が)発生する恐れがある」との危機感を示した。
厚労省職員、新たに5人感染 1人は深夜に及ぶ宴会に出席
厚生労働省は14日、新たに職員5人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。いずれも3月末時点で老健局に所属し、うち1人は3月下旬に同局老人保健課が深夜まで開いた宴会に出席。同局の感染者は、宴会出席者5人を含む計15人に増えた。
J&Jワクチン、まれに血栓 米FDAが一時中断を推奨
米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)は13日、米国内での接種の一時中断を推奨すると発表した。ごくまれではあるものの、深刻な副反応が起きているためという。FDAによると、J&Jのワクチンを接種した6人に深刻な血栓が生じたことが報告された。6人は18~48歳の女性で、1人は死亡、もう1人も危機的な状況という。米国ではこのワクチンがすでに600万回以上接種されている。
東芝・車谷社長辞任 買収提案で混乱 経営の混迷必至
東芝は14日、車谷暢昭(のぶあき)社長兼最高経営責任者(CEO、63歳)が同日付で辞任し、後任に前社長の綱川智会長(65)が就任する人事を発表した。「物言う株主」との関係が悪化し、英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズによる買収提案で社内が混乱する中、経営陣の刷新を迫られた。東芝は新体制で事態収拾を図りたい考えだが、突然の辞任劇で経営が混迷を深めるのは必至だ。
ANAがドローン配送 22年度から離島や山間部で
ANAホールディングス(HD)が2022年度から、ドローン(小型無人機)による医薬品や日用品の配送事業を行う方針であることが14日、分かった。全国の離島や山間地域で物流サービスを提供する。新型コロナウイルス流行で業績が悪化する中、事業の多角化で新たな収益源を確保したい考え。