中村逸郎教授「友好国のロシア離れが加速」と断言 プーチンに忠誠なルカシェンコ大統領「ロシアの侵攻失敗」を示唆?

ベラルーシのルカシェンコ大統領(左)とロシアのプーチン大統領(右) 国際

中村逸郎教授「友好国のロシア離れが加速」と断言

中村逸郎教授「友好国のロシア離れが加速」と断言 ルカシェンコ大統領の“侵攻失敗”発言に「びっくり」(スポニチ 2022年5月14日 10:35)

ロシア政治を専門とする筑波学院大・中村逸郎教授が14日放送のABCテレビ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(土曜前9・30)に生出演。ロシアの友好国であるベラルーシとカザフスタンの“ロシア離れ”が進んでいると語った。

中村教授は9日に行われたロシアの対ドイツ戦勝記念日について、「例年、必ず参列するベラルーシのルカシェンコ大統領とカザフスタンのトカエフ大統領が参加しなかったことは、明らかに距離を取り始めた」と指摘した。

また、ルカシェンコ大統領が9日、ロシアのウクライナ侵攻は失敗だったという趣旨の発言をしたことについて、「びっくりしました」と発言。「(ルカシェンコ大統領が)不正選挙をやって、国内で反ルカシェンコ運動が起きた時に抑えてくれたのはプーチン大統領なので、凄く恩がある」と解説し、2人の結び付きの強さを強調。それだけにルカシェンコ大統領のプーチン離れは予想外だと伝えた。

ベラルーシ大統領「ロシアの侵攻失敗」の認識示唆か SNSで憶測

ベラルーシ大統領「ロシアの侵攻失敗」の認識示唆か SNSで憶測(産経新聞 2022/5/11 10:57)

ロシアの同盟国、ベラルーシのルカシェンコ大統領が、ロシアのウクライナ侵攻は失敗に終わる-との認識を示したとも取れる発言をし、ロシア語圏のメディアやSNS(交流サイト)上で話題となっている。

ベラルーシ国営ベルタ通信によると、ルカシェンコ氏は9日、同国で開かれた第二次大戦の対ドイツ戦勝記念式典の後、「自国内で領土や家族、子供のために戦う国民を打ち負かすのは不可能だ」と述べた。発言は、報道陣が「北大西洋条約機構(NATO)側がベラルーシへの軍事圧力を強めている」とし、それに対するルカシェンコ氏の見解を尋ねた際のものだが、露SNS上などでは「暗にロシアを批判したのではないか」との憶測が広がった。

憶測の背景には、ルカシェンコ氏がロシアに忠誠を示しつつ、侵攻には否定的で、米欧側との決定的対立や国内の不安定化を招く参戦を巧妙に避けてきた-との見方が強いことがある。ベラルーシとウクライナは歴史的に、同じ東スラブ系のロシアを長兄とする「兄弟国」ともされてきた。

米欧やウクライナの防衛当局は侵攻開始当初から、ロシアが「偽旗作戦」を用い、ベラルーシを参戦させる恐れがあると警戒。3月にはウクライナ国境警備隊が「露軍機が国境地帯のベラルーシ側を爆撃した」と発表し、ベラルーシの参戦が近いとの観測を示した。

しかし、ベラルーシは爆撃の情報を否定。ウクライナ情報当局は、ベラルーシ軍が「現場部隊が前進命令に従わない」との口実で、ロシアからの参戦要求を拒否しているとも発表した。

ルカシェンコ氏もこれまで、国内会議などで「露軍は独力で目標を達成できる。助太刀は不要だ」と何度も発言。ロシアを持ち上げつつ、ベラルーシは参戦しない方針を示してきた。