天皇を元首、国が主権…参政党が掲げる「新憲法」
天皇を元首、国が主権…参政党が掲げる「新憲法」 ひろゆき「中国もびっくり」、憲法学者は「怪文書」と(J CAST ニュース 2025.07.06 12:30) より抜粋
良くも悪くも話題を集めているのが、参政党が5月に発表した新憲法の構想案だ。改憲ではなく一から作り直す「創憲」を掲げており、構想から2年かけて作ったという。
ただ、発表直後には早速、矛盾点を指摘する声も。2ちゃんねる創設者の西村博之さんは「参政党憲法案は、規定がないので裁判なしに死刑にすることが可能です。中国もびっくり」とX(旧Twitter)に投稿。「日本国憲法を読んだことがない中学生ならまだしも、ヤバさに気づかないで参政党憲法案を公開してるのが、いい大人なのが驚き」と手厳しく切り捨てた。
このほか、構想案では天皇を「元首」としており、国民ではなく「国」が「主権を有し」と記述。さらには「国民の要件」として「日本を大切にする心を有することを基準として、法律で定める」と定義。国防では「自衛軍」の保持を明記し、報道機関には「義務」を負わせるなど、現行の日本国憲法とは乖離した思想が色濃く出ていた。
これに対してSNSでは「国民から主権を奪うと言ってる」「国民の基本的人権の項目がない」などと拒否反応が上がっている。
6月26日に放送されたTBSラジオの番組「荻上チキ・Session」に出演した東京都立大の木村草太教授(憲法学)は、参政党の憲法案について「どちらかと言うと怪文書のようなものでして、あれを憲法とか憲法改正案だと思っている人はあまりいないと思いますね」と苦笑。「右だの左だの改憲だの護憲だの以前の文章」と、ばっさり切り捨てた。
参政党 戦前の天皇制国家復活めざす
参政党 戦前の天皇制国家復活めざす(しんぶん赤旗電子版 2025年6月16日) より抜粋
なかでも同党の「創憲チーム」による「新日本憲法」(構想案)は、大日本帝国憲法(明治憲法)の復活を想起させる異様な復古的内容となっています。
第1条で「日本は天皇のしらす(治める)君民一体の国家」と規定。統治権の主体は天皇とされ「国民主権」は否定されています。3条は「天皇は…神聖な存在として侵してはならない」と明治憲法の「神聖にして侵すべからず」と全く同じです。天皇が統治し国民は天皇を敬慕する家族国家が「国体」「国柄」であるとされ(前文など)、天皇が元号を決め、「君が代」を国歌、「日章旗」を国旗と定めます。
平和主義の「章」は存在せず、「自衛のための軍隊」の保持を明記。国民には「日本をまもる義務」が課され徴兵制につながります。
自由と「権理」という文言はありますが「基本的人権」の言葉はなく、教育では「教育勅語」などの歴代の詔勅や神話を教えることを義務付け。「家族は社会の基礎」だとされ、婚姻は「男女の結合を基礎」とし性的マイノリティーの権利は排斥。「夫婦の氏を同じくすることを要する」と夫婦同姓が憲法上「強制」されます。外国人の参政権などは否定されます。
参政党の根本目的は、戦前の国家体制の復活にあるようです。
参政党が創る「新日本国憲法」(構想案) 令和7年5月
参政党の憲法草案はこちらから ↓
https://sanseito.jp/new_japanese_constitution/