トランプ米大統領2期目就任から100日 政策次々、振り回される世界
トランプ米大統領2期目就任から100日 政策次々、振り回される世界
トランプ米大統領は29日、2期目の就任から100日の節目を迎えた。1期目(2017~21年)とは異なり、強固な政治基盤を背景に、政策決定の権限を自身に集中させている。この間に署名した大統領令は、近年で最多だったバイデン前大統領(民主党)の3倍を超える約140本。与党・共和党が主導する連邦議会は歯止め役にならず、トランプ氏は司法にも対決姿勢を示す。矢継ぎ早に打ち出される政策や発信に世界が振り回されている。
不法移民対策や実業家イーロン・マスク氏が事実上率いる「政府効率化省(DOGE)」と連携した政府機関の予算と人員の大幅削減などに着手。DEI(多様性、公平性、包摂性)施策の廃止▽生物学的な男女のみを性別として認めてトランスジェンダーなどの権利を否定▽反ユダヤ・親パレスチナ活動に参加した人たちの取り締まり――などの極端な政策を推し進めている。
「力による平和」を掲げる外交面は、ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘について、それぞれ「仲介」を試みているが、「ディール(取引)」は成立していない。「民主主義対権威主義」の構図で同盟国とともに中国やロシアに対峙(たいじ)する前政権の方針から一変。「米国第一主義」を再び掲げ、同盟国に高関税を課して負担増を求めるなど、世界経済の秩序も揺るがしている。
菅直人元首相、大島元議長に桐花大綬章 旭日章に戸田奈津子さん…春の叙勲
菅直人元首相、大島元議長に桐花大綬章 旭日章に戸田奈津子さん―春の叙勲
政府は29日付で、2025年春の叙勲受章者3990人を発表した。菅直人元首相(78)と大島理森元衆院議長(78)が桐花大綬章を受章。旭日大綬章には甘利明元経済産業相(75)、旭日小綬章には映画字幕翻訳者の戸田奈津子さん(88)らが選ばれた。同日付で発令される。
旭日大綬章には、金田勝年元法相(75)、長嶺安政元最高裁判事(71)、中村邦晴元住友商事社長(74)、山田啓二元京都府知事(71)らも選出された。
芸術・文化分野では、金工作家の春山文典さん(79)が旭日中綬章、重要無形文化財保持者(人間国宝)で落語家の五街道雲助(本名若林恒夫)さん(77)が旭日小綬章にそれぞれ決まった。
日航機事故40年 「御巣鷹の尾根」開山 美谷島さんら手を合わせる
日航機事故40年 「御巣鷹の尾根」開山 美谷島さんら手を合わせる
520人が犠牲になった日航ジャンボ機墜落事故の現場「御巣鷹(おすたか)の尾根」(群馬県上野村)に続く登山道が29日、冬季通行止めを解除され、今年の慰霊登山が始まった。1985年8月12日の発生から今年で40年。亡くなった人々の家族らが山を登り、名前を記した銘標や石碑に手を合わせた。
「新しい40年以降の日をどうやって刻んでいくか。健ちゃん、一緒に少し背中を押してね」。当時9歳の次男、健さんを亡くした美谷島邦子さん(78)は、銘標に花とこいのぼりを供え、心の中で語りかけた。
ベトナム戦争終結から50年 戦没者300万人追悼
1975年4月に南ベトナムの首都サイゴン(現ホーチミン)が陥落し、ベトナム戦争が終結してから30日で50年。ホーチミンの各地では29日、約300万人に上る戦没者らを追悼する式典が開かれた。共産党最高指導部に当たる政治局のメンバーや軍人らが鎮魂の祈りをささげた。
戦死した兵士らが眠るホーチミン市内の墓地では、同市のグエン・バン・ネン党委員会書記や当局者らが黙とう。記念碑に献花し、線香を手向けた。
カナダ総選挙 与党が政権維持 単独過半数には届かない可能性も
カナダ総選挙 与党が政権維持 単独過半数には届かない可能性も
カナダ総選挙(下院、定数343議席)が28日、投開票された。カナダメディアは、3月に就任したカーニー首相が率いる中道左派・自由党が第1党となり、政権維持が確実な情勢と伝えた。
隣国のトランプ米大統領が関税や「併合」に言及して揺さぶりをかける中、自由党は対米強硬路線を明確に打ち出し、リベラルな野党や地域政党の票も取り込んだ。ただ単独過半数には届かない可能性がある。