石破新首相ウソ重ね、新たな裏切りのニオイぷんぷん…持論「党首討論は最低2時間」もウヤムヤ(日刊ゲンダイ 公開日:2024/10/05 10:40 更新日:2024/10/05 10:42)
「国民の納得と共感を得られる政治を実践する」──。石破首相は4日、就任後初の所信表明演説でそう強調したが、早くも国民の間に不信感を招いている。「党内野党」として異色を放っていた威勢の良さはどこへやら、手のひら返しのオンパレードだ。
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9日の衆院解散に向け、与野党は臨時国会の審議日程をめぐり綱引き。衆参両院の予算委員会の代わりに党首討論を開いてお茶を濁そうとする自民党に対し、立憲民主党など野党4党は不十分だと反発していた。
結局、4日の自民・立憲両国対委員長会談で予算委見送りと9日の党首討論開催が決定。党首討論は通例45分間だが、「延長して十分な質疑時間を確保すること」を条件に引き続き協議する。
自民は党首討論を1時間に延長する案を検討しているものの、これではとても「十分」と言えない。何を隠そう、石破首相本人が「党首討論は最低2時間」を訴えているのだ。
今年6月19日、約3年ぶりに開催された岸田内閣初の党首討論。約45分で終わった煮え切らない論戦から9日後、石破氏は自身のブログで〈この開催頻度の少なさと時間の短さは一体何なのでしょう〉〈まともな討論にならない〉などと苦言を呈し、こう力説していた。
〈せめてひと月に一回は開催し、総質疑時間として最低二時間は充てるべきものですし、総理大臣の負担が過重になるというのであれば、その分、予算委員会などの総理の出席回数を減らせばよいと思います〉
予算委軽視の姿勢は許しがたいが、党首討論の充実は御説ごもっともではある。
ただ、総裁選後のこの1週間、石破首相の手のひら返しは枚挙にいとまがない。選挙中は「本当のやりとりは予算委」とか言いながら、それをすっとばして内閣発足から戦後最短となる8日での解散を表明。裏金議員の公認について「議論を徹底すべきだ」とのスタンスだったはずが、公認の方針へ急旋回。現行の健康保険証の廃止見直しに言及したのに、フタを開けてみれば廃止は既定路線だ。「党首討論は最低2時間」も信用ならない。
「総裁選が薄氷の勝利だったゆえに、党内融和路線を敷かざるを得ず、『党内野党』として主張してきたことは何ひとつ守れない。今のままでは『ウソつきの石破』とのイメージが定着し、ただでさえご祝儀感に乏しい内閣支持率は下がる一方でしょう」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
振り返れば、石破氏の政治人生は「裏切り」の連続だった。1993年に細川連立政権が誕生し、自民党が下野した際には離党して新党へ参加。麻生内閣では閣僚ながら「麻生おろし」に加担し、蛇蝎のごとく嫌われている。まったく、唯一といっていい支持基盤の国民まで裏切ってどーする。