小池百合子氏リード、蓮舫氏は無党派層取り込みに苦戦、石丸氏が追う…都知事選、終盤情勢

(左から)小池百合子候補、蓮舫候補、石丸伸二候補、田母神俊雄候補 政治・経済

【時事通信調査】

小池氏を蓮舫、石丸両氏が追う 都知事選、終盤情勢(JIJI.COM 2024年07月02日07時05分)

任期満了に伴う東京都知事選は7日の投開票に向け、終盤戦に入った。現職で3期目を目指す小池百合子氏(71)が先行し、前参院議員の蓮舫氏(56)と前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)が追う展開だ。

小池氏は、公約に第1子の保育料無償化や無痛分娩(ぶんべん)への補助を盛り込み、子育て支援策を充実させる姿勢を強調。0~18歳の都民に月額5000円を支給する「018サポート」や、高校授業料の実質無償化といった現職としてのこれまでの実績もアピールしている。

都議会で協調関係にある自民、公明両党は小池氏を支援。ただ、裏金問題で自民に対する逆風が吹く中、「政党が目立つことはマイナスの方が大きい」(自民関係者)との見方もあり、自民は表立った支援を控える形で支持固めを進める。

立憲民主、共産、社民各党が支援する蓮舫氏は連日、大規模な街頭演説会を開催し、追い上げに必死だ。行財政改革の徹底や、社会的な弱者への支援強化の必要性を訴える。一方、裏金問題を抱える自民と協調する小池氏を厳しく批判。立民、共産の国会議員も応援に入り、「反自民」票の確保を目指す。

石丸氏は、自民だけではなく既存政党全体に批判的な立場を取る。政策面では、教育分野へ重点的に予算を振り向ける考えを示す。元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)は、災害対策の充実に加え、国旗国歌の尊重などを柱に保守層を意識した政策を掲げる。

都知事選には、タレントの清水国明氏(73)らを含め、計56人が立候補している。

【読売新聞調査】

小池百合子氏リードに自民党安堵…東京都知事選挙の読売情勢調査、蓮舫氏は無党派層取り込みに苦戦(読売新聞 2024/07/01 21:21)

東京都知事選(7月7日投開票)に関する読売新聞の世論調査で現職の小池百合子氏が先行する情勢が明らかになり、小池氏を自主支援する自民党内で 安堵あんど 感が広がった。蓮舫氏は無党派層の取り込みに苦戦し、全面支援する立憲民主党は焦りを募らせている。

自民、公明両党は、支持団体などに水面下で小池氏支援を呼びかけているが、「政治とカネ」による逆風を考慮し、表立った活動は控えている。自民都連関係者は1日、「与野党対決よりも小池都政に焦点が当たり、無党派層にも浸透している」と分析した。

自民は、知事選と同日投開票の都議補欠選挙への影響も注視する。自民は9選挙区中8選挙区に候補を擁立し、4勝以上を勝敗ラインと位置づける。党内には、知事選での優勢が波及することへの期待もあるが、補選では政党色が前面に出ているだけに、「知事選とは別だ。そんなに簡単な戦いではない」(党幹部)との見方が出ている。

一方、立民や共産党などは蓮舫氏の街頭演説に幹部らを投入して巻き返しを図っている。立民都連会長の長妻政調会長は1日、読売新聞の取材に「小池都政の問題点がかなり都民に浸透してきている。最後の3日間が勝負だ」と語った。

ただ、調査では蓮舫氏を支持する無党派層は1割強にとどまり、広島県安芸高田市前市長の石丸伸二氏にも後れを取る。「与野党対決」を強調しているにもかかわらず、岸田内閣を支持しないと答えた人でも約4割は小池氏を支持しており、蓮舫氏は政権批判票の受け皿になれていない。

立民内では「共産との一体化で無党派層が離れている」(中堅)として、共産との「共闘」の限界を指摘する声が広がっている。知事選の結果次第では、両党の今後の協力体制に影響を及ぼす可能性もある。