憲法記念日前に各党が議論 スタンスの違いくっきり
憲法記念日前に各党が議論 スタンスの違いくっきり(産経新聞 2023/4/30 15:54)
与野党の憲法担当者らが30日のNHK番組で現行憲法について討論し、自民党や日本維新の会などが国会議員任期延長を含む緊急事態条項新設に意欲を示した。これに対し、立憲民主党や共産党などは慎重論や反対論を展開。5月3日の憲法記念日を前に、改憲を巡るスタンスの違いが改めて浮き彫りとなった。
「基本法たる憲法に大きく欠落しているのが緊急事態条項だ。また、国と国民を誰が守るのかという規定もない」。衆院憲法審査会で与党筆頭幹事を務める自民の新藤義孝氏はこう述べ、緊急事態条項新設と9条への国防規定明記を議論すべきだと主張した。
維新の馬場伸幸氏は、選挙が困難な時に議員任期の6カ月延長を可能とする改憲条文案を国民民主党などとまとめたと紹介。その上で「多くの国民はウクライナ情勢で不安を持っている。現状に合わせ積極的に議論する」と強調した。
また、衆院憲法審で自民や維新と足並みをそろえる公明党の北側一雄氏と国民民主の玉木雄一郎氏は、議員任期延長を優先的に議論すべきだと訴えた。
一方、党内に改憲慎重派を抱える立民の中川正春氏は、既存の法律や現行憲法に規定された「参院の緊急集会」で緊急事態に対応することは可能だと指摘。こうした課題について結論を出した後に、議員任期延長の議論に入るべきとの見解を示した。
護憲を掲げる共産の田村智子氏は「必要なことは岸田(文雄)政権による9条違反を国会で徹底的に正すことだ」と政府を糾弾。れいわ新選組の山本太郎代表も「内政の崩壊から目をそらさせるための憲法改正とは面の皮が厚すぎる。今ある憲法を守れ」と述べた。この他、社民党や政治家女子48党、参政党の代表者も収録形式で意見を述べた。
緊急事態条項新設など優先議論を 自民、現行憲法の「欠落」指摘
緊急事態条項新設など優先議論を 自民、現行憲法の「欠落」指摘(産経新聞 2023/4/30 11:31)
与野党の憲法担当者らは30日のNHK番組で、5月3日で施行から76年となる現行憲法を巡り討論した。
衆院憲法審査会で与党筆頭幹事を務める自民党の新藤義孝氏は「有事が起きたときの規定が憲法に欠落している」と述べ、国会議員任期延長などの緊急事態条項新設と9条への国防規定明記を優先的に議論すべきだとの認識を示した。
立憲民主党の中川正春憲法調査会長は、緊急事態時の国会議員任期延長を憲法改正項目に挙げる議論に関し「参院の緊急集会で対応可能」と訴えた。
国民民主党の玉木雄一郎代表は「国会議員任期延長に絞って合意形成を目指すべきだ」と訴えた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は「日本の現状に合わせて、改憲を積極的に議論していきたい」と述べた。