新型コロナウイルスワクチンの国内での接種が、2月17日から始まる。欧米に比べ2か月の遅れだ。医療従事者から着手する。
厚生労働省は14日、米ファイザーのワクチンを承認した。16歳以上が対象で、3週間の間隔で2回注射する。臨床試験のデータなどから発症を予防する効果があると確認した。偽薬との比較試験で95%の有効性があった。
【図表の出典】厚生労働省
ワクチンによる副反応とアナフィラキシー
副作用は接種部位の痛みや疲労が半数以上で出ているが、大部分は数日以内に消える。
【グラフの出典】「近づくワクチン接種 痛みや副反応、仕事への支障は? 米在住医師に体験を聞いた」毎日新聞 2021年2月7日 17時00分(最終更新 2月7日 17時00分)
米疾病対策センター(CDC)によると、重症化すると命にかかわるアナフィラキシーは20万回に1回程度だ。
【抜粋】新型コロナ「ワクチン」本当はどの程度怖いのか アナフィラキシー発生頻度は「100万接種に5例」(東洋経済ONLINE 2021/02/02 8:30)より
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)下に設置された「予防接種の実施に関する諮問委員会」(ACIP)は1月27日、新型コロナワクチンによるアナフィラキシーの最新データを報告した。
それによると、2020年12月14日~2021年1月18日にファイザー製ワクチンの初回接種を受けた994万3247人中、アナフィラキシーを起こしたのは50例だった。100万接種に5.0例(0.0005%)の割合だ。CDCの1月6日の報告では、2020年12月23日までに行われた同社ワクチン189万3360接種後に21例のアナフィラキシーが発生、100万回あたり11.1例(0.0011%)の割合だった。
分母が増えてみたら頻度は半減していた、というわけだ。
他方、モデルナ製の最新データでは、2020年12月21日~2021年1月18日までの758万1429接種後に21例、100万接種に2.8例(0.00028%)の割合でアナフィラキシーが発生していた。12月21日から1月10日までのデータを集計したMMWRの報告では、1月10日までに接種を受けた404万1396人中の10例、100万回あたり2.5例(0.00025%)の割合だった。
こちらは分母が増えてみたら、頻度がごくわずかに増えた。
他のワクチンならどうか。CDCによると、インフルエンザワクチンによるアナフィラキシーは、接種100万回あたり1.3例(0.00013%)だ。その他、従来の各感染症ワクチンでは、アナフィラキシーは100万回に1例程度との研究もある。それに比べると、たしかに新型コロナワクチンは2.8~5倍アナフィラキシーを引き起こしやすいと言える。
だが、アナフィラキシー自体は、ハチ刺されや食物アレルギーなどによって、国内でももっと頻発している。
【参考】アナフィラキシー
アレルゲンなどが体内に入ることによって、複数の臓器や全身にアレルギー症状が表れ、命に危険が生じ得る過敏な反応が出ることをアナフィラキシーという。その中でも血圧低下や意識レベルの低下、失神を伴うなど、重症の場合をアナフィラキシーショックと呼び、すぐに治療しなければ命を落とすこともある。アナフィラキシーを起こす原因としては食物摂取、ハチによる刺傷、医薬品などが挙げられるが、そのうち圧倒的に症例数が多いのが食物によるアナフィラキシーだ。
海外で開発されたワクチンの確保に関する取組 ・・ 正式契約を締結したもの
モデルナ社(米国)との契約 ・・ 令和2年10月29日
新型コロナウイルスのワクチン開発に成功した場合、武田薬品工業株式会社による国内での流通のもと今年上半期に4000万回分、今年第3四半期に1000万回分の供給を受ける。
アストラゼネカ社(英国)との契約 ・・ 令和2年12月10日
新型コロナウイルスのワクチン開発に成功した場合、今年初頭から1億2000万回分のワクチンの供給(そのうち約3000万回分については今年の第一四半期中に供給)を受ける。
※アストラゼネカ社は以下について公表。
・JCRファーマ株式会社でのワクチン原液の国内製造と、海外からのワクチン調達を予定。
・製造されたワクチン原液は、第一三共株式会社、第一三共バイオテック株式会社、Meiji Seikaファルマ株式会社、KMバイオロジクス株式会社において製剤化等を行う。
・海外での臨床試験に加え、日本国内でも第I/II相試験を令和2年8月下旬より開始。
※国内でのワクチン原液製造・製剤化等の体制整備は、「ワクチン生産体制等緊急整備事業」(2次補正)の補助対象
ファイザー社(米国)との契約 ・・ 令和3年1月20日
新型コロナウイルスのワクチン開発に成功した場合、年内に約1億4400万回分のワクチンの供給を受ける。
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