「150円近くまで円安進む可能性ある」“ミスター円”榊原元財務官が警告 24年ぶり1ドル135円台

円相場一時1ドル=135円前半 年初から約20円安進行 政治・経済

「150円近くまで円安進む可能性ある」“ミスター円”榊原元財務官が警告 24年ぶり1ドル135円台(TBS NEWS  2022年6月13日(月) 19:09)

円が歴史的な水準まで売り込まれました。

記者
「円相場が135円15銭をつけ、1998年以来の水準となっています」

きょう午後、円相場は一時1ドル=135円台前半まで下落。1998年10月以来、およそ24年ぶりの円安水準となりました。今年初めは1ドル115円台。わずか半年で20円、円安が進みました。さらに株価も・・・

記者
「きょうの日経平均株価は800円以上値下がりして取引を終えています」

国会でも・・・

立憲民主党 杉尾秀哉参議院議員
「日本売りに近い状況になりつつあるのではないか」

日本銀行 黒田東彦総裁
「最近の急速な円安の進行は経済にマイナスであり望ましくない」

1998年10月以来の1ドル135円台前半。
1998年といえば日本経済が激震に見舞われた年でした。その前の年には山一証券が経営破綻。株安と円安が同時に進む「日本売り」という言葉が飛び交いました。

当時、円安と戦ったのが“ミスター円”と呼ばれた財務省の榊原元財務官です。榊原氏は、いまさらなる円安が進むと警告します。

榊原英資元財務官
「140円台までいくんじゃないかと思います。150円に非常に近いところまで円安が進む可能性はありますね」

その理由の1つが為替介入の難しさです。

榊原英資元財務官
「アメリカはいまのドル高をむしろ望んでいるようなところがあります。いま介入することにアメリカが同意する可能性はないわけです」

アメリカは、いまの「ドル高」が好都合なため、為替介入は難しくあまり手の打ちようがないと指摘します。

榊原元財務官は、かつて自身の部下として為替対応にあたった日銀の黒田総裁についてこう指摘しました。

榊原英資元財務官
「円高に持って行くためには金融引き締めをしなければいけないが、少なくとも黒田さんの任期中、来年3月までは金融緩和を続けるだろう」

きょう、国会で黒田総裁は・・・

日本銀行 黒田東彦総裁
「最近の急速な円安の進行は先行きの不確実性を高め、企業による事業計画の策定を困難にするなど経済にマイナスで望ましくない 」

急速な円安は望ましくないとしながらも、金融緩和を修正しない黒田総裁。いつまでその姿勢を貫けるのでしょうか?