改革の先送りが目立つ岸田首相 首相に優しいメディア 参院選後は日本にとって「悪夢の3年」なる

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改革の先送りが目立つ岸田首相の”ゴールデンタイム”は、日本にとって「悪夢の3年」になる!

改革の先送りが目立つ岸田首相の”ゴールデンタイム”は日本にとって「悪夢の3年」になる!(週プレNEWS 2022年0128

『週刊プレイボーイ』でコラム「古賀政経塾!!」を連載中の経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏が、半年後の参議院選挙は日本の浮沈を占うと指摘する。

(この記事は、1月24日発売の『週刊プレイボーイ6号』に掲載されたものです)

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半年後の参院選は日本の浮沈を占う選挙になる。このところの政界の動きをウォッチしていると、そう思えてならない。

今のところ岸田文雄政権の支持率は堅調だ。強権政治が目立った安倍晋三、菅義偉政権とは打って変わり、「聞く力」がモットーの岸田首相は異論にも耳を傾けるポーズが得意で、その寄り添う姿勢、ソフトムードが支持率アップにつながっている。

首相の狙いはこの勢いを維持して参院選に勝利し、その後の”ゴールデンタイム”に突入することだろう。衆院の任期は2025年秋まで。解散しなければ、参院選後3年間は国政選挙がない。頼りない岸田首相にも長期政権の展望が開けてくる。

一方、政権交代には程遠いと思われる野党側だが、岸田首相の戦略に待ったをかける動きが見えてきた。野党間で改革ポジションをめぐる競争が大きなテーマとして浮上してきたのだ。

レースの先頭を走るのは日本維新の会だ。唯一の改革政党とアピールすることで先の衆院選で大躍進し、最近も支持率で立憲民主党を抜いて野党第1党をうかがう勢いを見せている。

それを見て、国民民主党と都民ファーストの会の中道野党も負けじと改革を叫び、参院選を見据えて合流の動きすらチラつかせている。この動きに維新が「数合わせの野合」と猛反発したのは、改革ポジションのライバルになるのを防ぐためだ。

さらにここにきて、立民も改革レースに参戦する気配を見せている。泉健太新代表は、私との対談で文通費の使途公開に前向きな姿勢を示した。

それだけでなく1月12日に西村智奈美幹事長が「党内に検討会を設置して使途の公開を検討する」と明言している。明らかに先行する維新を意識した動きだ。こうして見ると、野党のアピール軸は改革に移っている。

こうなると、岸田政権はうかうかできない。というのも支持率アップの要因となっている首相の「聞く力」やソフトムードは、言葉を変えれば”改革の先送り”にすぎないからだ。

事実、17日に行なわれた首相初の施政方針演説において、「改革」というキーワードは最後に数回出ただけで、何を改革するのか具体性もなかった。初の施政方針演説で国のデジタル化、社会保障、コーポレートガバナンスなど具体的なメニューを挙げながら7回改革を叫んだ菅前首相と比べると、その熱量の低さは際立つ。

マイナンバーカード活用や出入国管理の改革、戸建て住宅の省エネ新基準義務化など、前政権が進めようとした法案も今国会での提出を諦めた。改革への注文に耳を傾けるポーズは示すが、あとは無理をせずスルーするのが岸田首相の流儀なのだろう。

野党が改革レースに火花を散らす状況になれば、こうした首相の後ろ向きの姿勢が際立ち、国民の間に将来への不安が広がる。その結果、内閣支持率が下がれば、岸田政権も改革レースに出走を余儀なくされるだろう。

一方、首相の「聞く力」のアピール効果が持続し、政権支持率が高止まりする場合はどうか? 改革メニューが示されないまま参院選に突入して、自民大勝、岸田政権継続となれば日本は危うい。参院選後の3年間は首相にとってはゴールデンタイムでも、日本にとっては改革が進まず、二流国への沈没が決定的となる「悪夢の3年」になるのは確実だ。

●古賀茂明(こが・しげあき)
1955年生まれ、長崎県出身。経済産業省の元官僚。霞が関の改革派のリーダーだったが、民主党政権と対立して11年に退官。『日本中枢の狂謀』(講談社)など著書多数。ウェブサイト『DMMオンラインサロン』にて動画「古賀茂明の時事・政策リテラシー向上ゼミ」を配信中。最新刊『日本を壊した霞が関の弱い人たち 新・官僚の責任』(集英社)が発売中

メディア報道のここが“変”…伊藤惇夫が指摘「岸田総理に優しすぎ」

メディア報道のここが“変”…伊藤惇夫が指摘「岸田総理に優しすぎ」~1月27日「くにまるジャパン極」(文化放送 2022.1.27)

1月27日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)では、政治アナリストの伊藤惇夫氏が、ここ最近メディアの報道で”変だな?”と感じた部分について話した。

伊藤氏は菅政権と岸田政権のコロナ対応を比較する。

伊藤氏「オミクロン株の感染が止まりません。ものすごい勢いで感染者が増えています。思い返してみると菅政権時代は感染が拡大すると、マスコミは一斉に厳しい政権批判が展開されていたような気がします。後出しだとか、迷走してるとか、ワクチンが遅いだとか。批判が非常に強かった気がするんです」

一方、岸田政権はというと…

伊藤氏まん延防止等重点措置については、都道府県からの要請をほぼ丸飲み状態。政府としてどう対処していくのか? 方針や対応はほとんど見えてこない。ワクチンについては、先手を打ちますといった発言もありましたけど、現実はどうか? 第6波は想定内だったわけですが、今の状況をみるとモデルナはあるけど、ファイザーはないという状況になってる。3回目接種に関しては、1月25日公表時点で全国民の接種率は2.1%か2.2%くらい。これはOECD(経済協力開発機構)の中で最下位」

これに加え、国民に向けてのメッセージの発信がないことを指摘する。

伊藤氏「岸田氏はここまで対策会議の発言や決定事項をぶらさがり取材で話すことはありますけど、振り返ってみると岸田氏が国民に向けて”政府はこうします、だから皆さん協力して乗り越えましょう”という発言ってあんまり聞いたことないんですよね。菅氏はこれをやらなかったことでものすごい批判を受けていたのですが、それに比べて、今、いろんな意味でマスコミは岸田氏の姿勢に対してものすごい優しい感じがするんですね。この差って何なんだろうな?というのが1つの疑問です」

野村邦丸アナ「今現在、国民の気持ちの中で”早く3回目目のワクチン接種やってよ”というリクエストはあるんだけれども、何やってんだよという声が上がりにくい空気、風というのは私もなんとなく感じます」

伊藤氏「批判疲れというのもあると思います。批判してもしょうがないというあきらめの気持ちとオミクロン株自体に危機感を持ってない。慣れもある、疲れもある、危機感もかなり薄いということもあるんですけど、客観的に評価する仕事がマスコミの大きな役割の1つだと思います。声を荒げて批判する必要はないかもしれませんけど、問題点をマスコミはきちんと指摘しなきゃいけないんじゃないのかなという気がします」

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。伊藤惇夫氏はコメンテーターとして毎週木曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。