立憲民主党 新代表に泉健太氏を選出、代表選の3氏を「執行役員に」

立憲民主党代表選挙20211130 政治・経済

立憲民主党は11月30日の臨時党大会で、泉健太氏(47)を新代表に選出した。臨時党大会で泉氏が訴えた決意表明及び初めての記者会見の発言を追った。

記事内容はすべて立憲民主党のホームページから抜粋した。

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立憲民主党代表選挙3/4 泉 健太氏の政見

衆参国会議員による直接投票に先立ち表明した決意

立憲民主党が、オミクロン株の対策について政府に規制強化を申し入れ、政府の18歳以下の10万円給付について「現金給付とクーポン給付に分けたことで、なんと900億円も行政経費が余分にかかる」と指摘したと言及。

「立憲民主党はまさにこういった行政監視を国会が閉会中の今も続けているということを、全国民の皆さまにもしっかりお伝えさせていただきたい」と強調しました。

さらに、生活困窮者への10万円給付の問題について、「政府は、住民税非課税世帯のみを政府は想定をしている。われわれ立憲民主党は、これではいけない、そういう姿勢ではないでしょうか。ぜひ、ワーキングプア層にもしっかりと届く給付、これを政府に訴えてまいりたい」と訴えました。

その上で、「私たちは、国民に常に寄り添い、困っている方の話を聞き、それを政策に変え、政府をただしていく。この立憲民主党の姿勢こそ、私は、みんなで一丸となって、全国民の皆さまに訴えていくことだと思っている」と決意を表明しました。

「立憲民主党の立憲主義、平和、多様性の尊重、こういったものをしっかりと広げていきたい」「経済や外交、安全保障、また、気候危機、教育社会保障など重要課題においては、シンクタンクを含めて、内外の皆さまの知見を集め、この中長期ビジョンをしっかり作っていきたい」「個別の政策でいえば、環境投資の拡大、そして、防災インフラの整備、さらには教育の無償化。こういった個別の政策で、国民の未来を明るくし、そして将来に安心を作っていくわれわれ立憲民主党として、ぜひ取り組んでまいりたい」と主張しました。

党改革について、「執行部の半数を女性に」「ジェンダー平等を実現していきたい」「全国の地域組織、青年組織をしっかり財政支援をおこない、自主的、自発的な活動をやっていただきたい」「年内には衆院総選挙の惜敗者の1次公認、そして参院(選挙)の総合選対本部の設置」「参院の公約はボトムアップで立案をしていく。そして他の政党や支援団体とも、良好な関係をしっかりと作り、その連携に努めてまいりたい」「私をその先頭に立たせていただきたい」と意気込みを語りました。

決選投票に先立って改めて表明した決意

北海道で生まれ育った泉候補は、何のつながりもない中、衆院京都3区から立候補し、当選を重ねてきた自身の経歴に触れて「地盤がなくても、資産がなくても、学歴がなくても、思いと正義感、世の中を変えたいという思いがあれば、この立憲民主党に集ってもらい、ともに世の中を変えることができる。そういう組織だと私は確信をしている。ぜひ、全国津々浦々、私たちは、新たな仲間を探し、ともに国民のための政治を実現するためにさまざまな議会に仲間を送り出していきたい」と展望を語りました。

25歳で初挑戦した衆院選で落選した後、デイサービスのスタッフやホームレス支援に取り組んだ過去を振り返りました。「落選期間中は、自分の存在価値がなくなったかのように思うこともある。とにかく人助けをしたい。人を助けることで実は自分の存在価値を確認することができる、そんな思いでホームレスの皆さんをずっと支援をしてきた」ことを明かしました。

「ホームレスの皆さんと、橋の下で一緒に賞味期限切れのそうめんを食べて、風に吹かれながら語ったときのあの爽快感は、忘れられない」と語った泉候補は、「困っている方々は常に現場におられる。その小さな声にしっかり寄り添いながら、税や社会保障、格差是正を目指す。そして国民の側から日本の経済を元気にしていく」と立憲民主党の進むべき道を示しました。

新代表に選出された泉代表のあいさつ

あいさつに立った泉健太新代表は、「47歳の新しい船長に就任した」と切り出しました。代表選を戦った候補の中で自分が最も若いが、同年齢で枝野前代表は内閣官房長官、小沢一郎議員は自民党幹事長を務めていたことに言及し、「若過ぎるということはない」と決意を示しました。

これからの立憲民主党を「国民のために働く政党として、日本の未来を明るくする政党として、おかしな政治は許さない。改めて国民の目線で、国民中心の政治をしていく政党として、困っている方に寄り添い、皆さまのために働く政党として、これから全員の力で歩んでいきたい。ぜひともに立ち上がろう」と国会議員、全国自治体議員、党員、協力党員、パートナーズの皆さんに呼びかけました。

代表就任後初めての記者会見

新執行部の人事について

「ここまで、この代表選挙に全力を尽くして駆けておりましたので、何か全てが見えているということではありません。ですが先ほどここで演説をしたように、やはり西村候補、逢坂候補、小川候補には執行役員会にお入りいただくということを念頭に今、構想を練ろうと思っています。

その他については『執行役員会の構成メンバーの半分を女性に』という事を公約として打ち出してきました。これを目指して役員構成をしていきたいと思っています。」

今後、どのような政党にしていきたいか

「これまで立憲民主党としてさまざまな国会活動をおこなってくる中で常に『自民党と戦っている政党』というイメージがあった。

これはこれで間違いではないのですが、やはり原点には、国民の皆さまに何をお届けするかということが大事である」「ともすれば自民党の方ばかり見てしまい、対抗してしまって、国民の側に対する説明、発信、こういうものが弱くなっていたのではないか」

「やはり立憲民主党の政策、立憲民主党の考え方をできるだけ多くの国民の皆さまに理解をしていただいて、味方を増やしていく。共感して頂けいただける方を増やしていくことが重要ではないのか。」

総選挙の際に結ばれた共産党、社民党、れいわ新選組の野党4党と市民連合との合意について

「先の総選挙、政権選択選挙に持ち込むということについては本当に多くの方に努力をいただきましたし、特に他の政党の皆さまには本当に感謝を申し上げたいと思います。

ただ今回の選挙は、想定をしていた結果を出すことができなかった選挙です。単に継続ということではなく、やはりよくよくまずはどの党がどうだったという事以上に、まず党として自らしっかり総括をせねばならないと思っております。その中で今後の事は考えていきたい。」

これまでの支持者をつなぎ止めると同時に、新しい党員、協力党員を獲得するためのムーブメントをどう作るか

「やはり私自身が全国の現場へ。これまで枝野代表も大変辛い環境だったと思う。本来であれば全国各地でかけていってみなさんと触れ合ってということができなかった訳ですから。

今後のコロナの状況がどうなるか分かりませんけれども、やはり私自身も一セールスマンとして、立憲民主党の一営業マンとして、全国各地、やはりリアルに、皆さまに自民党以外の政党として政権を担える政党、任せて良い政党がここにあるんだということを訴え続けていきたい。」