次期自民党総裁に求める資質「国民への説明能力」51%、ふさわしい人物「河野太郎」氏

次期自民党総裁候補_河野洋平氏 政治・経済

次の自民党総裁に求める資質 「国民への説明能力がある」51%

「次の総裁」望む資質は 1位「説明能力」2位「指導力」 本社世論調査(日経新聞 2021年9月12日 2:00)

日本経済新聞社の世論調査で次の自民党総裁に求める資質を8つの選択肢から複数回答で聞いた。「国民への説明能力がある」を選んだ人が51%で最も多かった。2番目は「指導力がある」の49%だった。新型コロナウイルス対策を巡る丁寧な発信を求める世論がうかがえる。

調査は「どんな人に次の総裁を務めてほしいか」を質問した。3位以下は「国際感覚がある」32%「人柄が信頼できる」26%「政策に理解がある」26%と続いた。

「説明能力」を挙げた層が「次の総裁にふさわしい人」で誰を選んだかを分析すると、首位は河野太郎規制改革相の30%だった。2位は石破茂氏(17%)、3位は岸田文雄氏(15%)。

選択肢とした10人の自民党国会議員のなかで高市早苗氏は7%で5位、野田聖子幹事長代行は2%の7位だった。

政府の新型コロナ対策については51%が「評価しない」と答えた。この層は求める資質として「説明能力」を選択した割合が58%と全体よりも7ポイント高かった。

次期総裁は次の首相に就くのが確実だ。新型コロナ対策となる行動制限や感染対策で国民の納得を取り付ける必要がある。

菅義偉首相は9日の記者会見で、意見が割れる政治課題について「私はできなかったが、国民に説明し理解してもらうのが政治の役割だ」と強調した。

求める資質で「指導力がある」を挙げた層でも次の総裁に河野氏を選んだ人が30%と一番多かった。次点は石破氏(17%)で、3位以下は岸田氏(15%)、高市氏(9%)の順だった。

8月の世論調査で菅内閣を支持しない理由のトップは「指導力がない」の60%だった。民主党政権で東日本大震災後だった2011年7月の菅直人内閣(62%)以来の高さとなった。

河野氏は資質に関する8つの選択肢の全てで1位になった。「人柄が信頼できる」や「清潔である」の項目では2位以下の石破氏や岸田氏との差が比較的小さかった。

次の総裁に期待する政策を聞くと「新型コロナ対策」が60%で一番高い。この層が「次の総裁」に挙げる候補は上位から順に河野氏(29%)、石破氏(18%)、岸田氏(15%)だった。

期待する政策の2位は「景気回復」で41%、3位は「年金・医療・介護」で36%だった。河野氏は労働分配率を一定以上にした企業に法人税の特例措置を設ける案を唱える。

岸田氏は数十兆円規模の経済対策を早期に実行すると提唱する。中間層の経済力を底上げする「令和版所得倍増」も打ち出した。高市氏は物価安定目標2%を達成するまで基礎的財政収支の黒字化目標を凍結すると主張した。

憲法改正を挙げた割合は9%だった。この層が選ぶ「次の総裁」は高市氏がもっとも高かった。

次の首相となる自民党総裁に「ふさわしい人」 河野太郎規制改革相27%

「次の自民総裁」河野氏27%、石破氏17%、岸田氏14%、高市氏7% 本社世論調査(日経新聞 2021年9月11日 20:00 )

日本経済新聞社とテレビ東京は菅義偉首相の退陣表明を受けて9~11日に緊急世論調査を実施した。事実上の次の首相となる自民党総裁に「ふさわしい人」を聞くと河野太郎規制改革相が27%で首位だった。2位は石破茂氏の17%、3位は岸田文雄氏の14%で、高市早苗氏は7%の5位だった。

総裁選は17日告示―29日投開票の日程だ。河野、岸田、高市の3氏が出馬表明した。石破氏は対応を検討中だ。小泉進次郎環境相は10%の4位、安倍晋三氏は6%の6位で、出馬に意欲を示す野田聖子幹事長代行は7位の2%だった。

調査は自民党の政治家10人から1人だけ選んでもらう形で聞いた。対象を自民党支持層に絞って分析すると岸田氏が2位に浮上し、石破氏が3位になった。河野氏と岸田氏、高市氏がそれぞれ全体に聞いた数値より3~5ポイント高くなった一方、石破氏は4ポイント低くなった。

支持政党がない「無党派層」でみると首位は変わらず河野氏の22%で、2位が石破氏の16%だった。岸田氏は9%、高市氏は4%となった。

総裁選は自民党に所属する国会議員と党員・党友による投票で決める。衆院選を間近に控える今回の総裁選は「選挙の顔」を選ぶ場でもある。国会議員らは世論調査での人気も意識して投票する。

菅内閣の支持率は36%で8月の34%からほぼ横ばいだった。内閣を「支持しない」と答えた割合は8月と同じ56%で、5カ月連続で支持率を上回った。支持しない理由を複数回答で聞くと「指導力がない」が50%を占めて最多だった。

政党支持率は自民党が8月から9ポイント上昇の48%で首位。2位の立憲民主党は8%で3ポイント低下した。支持政党がない無党派層は31%で8月の33%とほぼ同じ水準だった。

調査は日経リサーチが全国の18歳以上の男女に携帯電話も含めて乱数番号(RDD)方式による電話で実施し984件の回答を得た。回答率は43.3%だった。