金城湯池だったはずの地元・大阪でも異変!「日本維新の会」に訪れた「終わりの始まり」

「日本維新の会」に訪れた「終わりの始まり」 政治・経済

金城湯池だったはずの地元・大阪でも異変!「日本維新の会」に訪れた「終わりの始まり」(週刊現代 2024.07.17)

前編記事『離党した議員が実名告白。だから日本維新の会は大阪以外で嫌われる』より続く。

府知事の地元で不戦敗

維新の遠藤敬国対委員長は振り返って、「総理と合意したことを反故にされるとは思わなかった」と嘆く。しかし、そもそも自民党との修正協議に応じたこと自体が失敗だったと見る維新の議員も多い。同党の中堅国会議員は匿名でこう話す。

「使途を明らかにする必要がなく、『ブラックボックス』と批判されてきた政策活動費の領収書を10年後に公開するなどという改正案を要求したことは失敗だったと考えています。改革と刷新が維新スピリッツなのに、既得権益を守る側にいると有権者に見られてしまった。その前からも代表の馬場さんは、維新を『第2自民党』と認めたり、連立与党入りも排除しないと言ったりしています。こういう発言で、維新が自民党の補完勢力だと世間に誤解されてしまうわけです。本当に維新が自民と連立を組んだりしたら、本来の維新スピリッツを持った人は離れていくので、維新は消滅してしまうでしょう」

しかし、こうした不満を表立ってぶつける議員が維新にはいない。前出の鈴木宗男氏が言う。

「本来、多様な意見に耳を傾けて、それを束ねるのが真のリーダーです。ところが、今の維新の場合、馬場代表と藤田文武幹事長ら執行部に物を言える人がいない。上のご機嫌を伺いながら活動している議員の姿を見て、本来の維新らしさがないと有権者が感じるのも仕方ないことです。そこが維新の低迷している大きな要因だと思います」

維新の変質を有権者が嗅ぎ取ったのか、盤石なはずの大阪でさえ、異変が生じつつある。

「4月には藤田幹事長の地元である大東市長選で維新候補が敗北。6月には吉村洋文府知事の出身地、河内長野市での市長選に候補者を立てられませんでした。

そんななか、都知事選で、石丸伸二氏が立憲の蓮舫氏を抑えて2位になったのは衝撃でした。無党派層は若い世代を中心に軒並み石丸氏に持っていかれた。もし仮に石丸氏が国政に出てきて新党を作ったら、維新は壊滅するでしょう」(前出とは別の維新所属国会議員)

来年4月には大阪万博が始まる。失敗すれば、それが維新の「終わりの始まり」になりそうだ。

「週刊現代」2024年7月20・27日合併号より