憲法記念日の各党談話

日本国憲法の公布原本 政治・経済

憲法記念日の各党談話(日本経済新聞 2023年5月3日 0:00)

憲法記念日に当たり、各党は3日付で談話などを発表した。〔共同通信〕

▽自民党(党声明)
わが党が示している緊急事態対応、自衛隊明記などの憲法改正4項目は、極めて現代的かつ喫緊の課題だ。改憲に向けた機運は着実に高まっている。広く国民の議論を喚起していくことは国会、政治の責務だ。早期の改憲実現に向けて全力で取り組む。

▽立憲民主党(泉健太代表談話)
国会での憲法論議で、権力の肥大化抑止、人権規定の整備など真に国民が必要とする憲法課題について論じている。手続き規定を整備しないままの改憲はあり得ない。統治機構に関する規定やデジタル化への対応、共生社会の確立も積極的に議論していく。

▽日本維新の会(馬場伸幸代表談話)
時代や国際情勢の変化に対応しきれないまま、わが国の手足を縛ってきた現憲法の課題は明確だ。国民の生命・財産、わが国の平和・安定を守るために、必要な改憲論議を遅滞なく進めるべきだ。一日も早く国民投票が実施されるよう全力を尽くす。

▽公明党(党アピール)
国会をいかなる状況下でも確実に機能させるための対応策と同時に、参院の緊急集会の役割も十分議論を深めなければならない。対話型人工知能(AI)の拡充が進むデジタル時代に対応したプライバシー権の確立や多様性を尊重する議論も急務だ。

▽共産党(志位和夫委員長談話)
岸田政権が進めている敵基地攻撃能力保有と軍拡は、専守防衛の大原則を投げ捨て、憲法解釈を百八十度転換する歴史的暴挙だ。憲法が保障した民主主義と基本的人権の侵害につながる。反戦平和の実現のために、あらゆる知恵と力を尽くす。

▽国民民主党(玉木雄一郎代表談話)
ウクライナ危機や新型コロナウイルス禍は、緊急事態が発生した際の「有事の体制」の不備を明らかにした。国会議員任期延長には改憲が必要だ。9条については、自衛権の本質的な議論が必要で、国会での憲法論議をリードしていく。

▽れいわ新選組(山本太郎代表談話)
コンスタントに憲法審査会を開こうとする多数派の思惑は改憲へと進めるためだ。国家権力の暴走を止める鎖である最高法規、憲法を、最高権力者である国民が為政者たちから守る局面に来ている。今ある憲法を守れ。話はそれからだ。

▽社民党(党声明)
岸田政権は敵基地攻撃能力保有を認める国家安全保障戦略など安保関連3文書を閣議決定した。戦後の安保政策の大転換であり、平和憲法を空文化する許してはならない暴挙だ。憲法をないがしろにする動きを断じて拒否する。

▽政治家女子48党(斉藤健一郎参院議員談話)
主権者である国民の意思を反映し、時代の要請に沿った憲法を保持すべきだ。国民投票は貴重な政治参加の機会だ。より広い範囲の人々が政治に関わることができ、国民がより主体性を持てるよう取り組む。

▽参政党(松田学代表談話)
国民自ら外国語の翻訳でない正しい日本語で憲法を書き、戦後残されたままの諸課題を解決することが真に問われている。「自主憲法」制定論を、広く国民が憲法論議に参加する「創憲」という考え方の国民運動として発展させていく。

憲法記念日の各党談話(時事通信 2024年05月03日00時08分配信)

与野党は3日の憲法記念日に当たり、それぞれ談話を発表した。要旨は次の通り。〔時事通信〕

自民党
時代の転換点に直面している。憲法は社会構造や国民意識の変化に応じ、改正を行わなければならない。国会での議論と国民の理解を車の両輪とし、改正の早期実現に全力で取り組む。

立憲民主党
憲法改正は業績作りのために進められるものではない。国会議論に慎重かつ真摯(しんし)に臨む。裏金を手にし、法律すら守れなかった自民党に改正を任せることはできない。

日本維新の会
現憲法が安全保障上の危機を乗り切るだけの実効性を担保しているとは言い難い。衆参両院の憲法審査会は項目を絞って改正条文案の取りまとめに着手すべきだ。

公明党
政治の信頼が大きく失墜する事態が起きている。信頼を取り戻し、憲法が前文に掲げる民主政治本来の姿を実現しなければならない。専守防衛を堅持し、平和外交を積極的に推進する。

共産党
憲法の平和原則を根底から覆す歴史的暴挙を断じて許すことはできない。日本に求められるのは9条を生かした外交だ。自民党政治を終わらせ、希望ある政治へと変える。

国民民主党
緊急事態にも国会の機能維持は必要だ。一日も早く条文化することを強く求める。AI(人工知能)時代の基本的人権の在り方に適応するよう憲法規定をアップデートする。

れいわ新選組
国民を守る気概のない者に政治を任せれば憲法上の権利は無視される。憲法改正?寝言は寝てから言え。失われた30年を取り戻す経済政策と奥能登の復旧・復興が最優先だ。

教育無償化を実現する会
国民と共に未来志向の憲法を構想する。自衛権の明記や戦力不保持の見直しなど、現実に即した議論を提起する。教育無償化も明記し、日本再生の大転換を図る。

社民党
日本が再び「戦争する国」への道を進もうとしている。抑止力の名の下で進む不毛な防衛費増大・軍拡競争に反対する。平和憲法の下、命と暮らしが最優先される社会を目指す。

参政党
現行憲法は日本人の自由意思で作られておらず、国の守りも外国依存に陥っている。国民が一から憲法を創り直す「創憲」を通じ、国の未来を自分たちで考える場を持続的に提供する。