二階俊博氏「4月引退」の噂が急拡散 悩ましい後継者めぐるお家騒動の懸念と世耕氏の動き 党内でも「もはや過去の人」に

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二階俊博氏「4月引退」の噂が急拡散 悩ましい後継者めぐるお家騒動の懸念と世耕氏の動き 党内でも「もはや過去の人」に(ZAKZAK by 夕刊フジ 2024.3/19 06:30)

須田慎一郎

先週末になって、永田町ではなぜか突然、二階俊博自民党元幹事長(衆院和歌山3区)が「4月15日に引退する」というような噂が、駆け巡った。

「具体的な根拠や理由はまったく何も明示されることなく、ただ『引退する』という話だけが、独り歩きし始めたのです。二階氏が高齢ということもあって、次の選挙には出馬しないだろう、とみられていただけに、正直言ってその噂自体にはあまり驚きはありません。しかし、なぜこのタイミングでそうした話が出てきたのか。そこにはどんな意図や思惑が、隠されているのか。注目すべきは、そこでしょう」

自民党の有力国会議員がこう言ってみせる。

二階氏にとって今一番悩ましい問題は、自らの後継者をどうするか、ということに他ならない。

「二階氏には3人の子息がいるのですが、本来だったら後継者は長男の俊樹氏で決まりです。ところがこの俊樹氏が、地元でまったく人気がないのです。選挙に出てみたところで、勝てる見込みはまったくありません。そこで浮上してきたのが、三男の伸康氏なのです。しかし、そうした動きに強く反発しているのが、俊樹氏なのです。俊樹氏の理解を得ないまま、伸康氏を後継者にしてしまうと、間違いなくお家騒動が勃発することになるでしょう」(地元企業社長)

つまり二階氏の後継者は、俊樹氏なのか伸康氏なのかがまだはっきりと決まっていない状況にあると言っていいだろう。

そのことに加えて、二階氏はさらに頭の痛い問題を抱えている。その問題とは、参院自民党の実力者である、和歌山県選出の世耕弘成前自民党参院幹事長が、衆院へのくら替えをもくろんでおり、その世耕氏が出馬を狙っている選挙区というのが二階氏が地盤としている選挙区なのだ。

「和歌山県の衆院選挙区は、次の選挙から1つ減って2選挙区となります。二階氏の地盤は新2区で、二階氏は既にその支部長に選任されていますから、本来なら世耕氏が割り込むことは不可能。ただ、二階氏が引退するとなると事情は変わってきてしまいます」(自民党有力議員)

そして、世耕氏は、裏金問題をめぐって批判の矢面に立たされていたものの、参院政治倫理審査会に出席しグダグダになりながらも、とりあえず説明責任を果たすこととなった。

「一方の二階氏は、5年で50億円にのぼる政策活動費を受け取っておきながら、何の説明もしようとしない、というよりもできないのです。そうした意味で政治家として、もはや過去の人というのが自民党内での共通認識です」(前述同)

そうした意味で参院の政倫審が終わった直後に、つまり世耕氏が禊(みそ)ぎを済ませるやいなや、前述したような二階氏引退の噂が具体的なスケジュールを伴って、一気に拡散していったというのも、非常に興味深い。

果たして、この噂の背景に、誰のどんな意図がかくされているのだろうか。

須田慎一郎
ジャーナリスト
1961年、東京都生まれ。ジャーナリスト。日大卒。経済界記者を経てフリーに。歯に衣を着せぬ語り口と政財界の幅広い人脈でテレビ、ラジオで活躍。暴力団など反社会的勢力にも詳しい。本紙の看板コラム「金融コンフィデンシャル」を月曜日発行で執筆している。