「お詫びする相手が経団連?」岸田首相、経団連会合で「心からお詫び」に批判殺到、蓮舫氏も「話す場所が違う」(FLASH編集部 投稿日:2023.12.26 18:30)
12月25日、岸田文雄首相は、経団連の審議員会に来賓として出席。あいさつで、自民党派閥の政治資金問題に触れ、「国民から疑念を持たれている事態を招いていることはたいへん遺憾なことで、心からお詫びを申し上げる」と陳謝した。
その上で、「国民の信頼あっての政治の安定であり、政治の安定あっての政策の推進だと、改めて肝に銘じて対応していきたい」と語った。
同日、立憲民主党の蓮舫参院議員は自身のX(旧Twitter)にこう書きこんだ。
《岸田総理、話す場所が違います。経団連の審議員会で話すのではなく、私たちが要請している予算委員会閉中審査、政治倫理審査会を開き総理はじめ、辞めてしまった官房長官らの参考人招致に応じて説明してください。》
経団連は2014年、安倍政権のときに、政治との連携を強めていく必要があるとして5年ぶりに政治献金の呼びかけを再開。以後、10年連続で与党の政策を「高く評価」し、会員企業・団体に対して、事実上、自民党への献金を呼びかけてきた。
「2022年分の政治資金収支報告書を見ると、企業・団体献金の総額は約24億5000万円で、うち9割超の約22億7000万円を、自民党の政治資金団体『国民政治協会』などが集めています。
一方、政党交付金は年間約315億円交付され、自民党はそのうちの約150億円を毎年得てきた。
政党交付金は、企業や業界との癒着を防ぐため、非自民の細川連立政権が1994年に成立させたもの。しかし、その後も政党や政党支部には引き続き献金ができるうえ、政治資金パーティーを通じて、企業・団体からの献金は続いてきた。政党交付金と企業・団体献金の『二重取り』が続いていることが、自民党安倍派の『裏金疑惑』の背景にあるのです」(政治担当記者)
12月4日、経団連の十倉雅和会長は会見で、自民党安倍派による政治資金パーティーでの裏金づくりの疑惑について「政治団体の責任者が処理についてしっかりと(事実関係の調査を)やるべきだ」と述べた。
一方、企業による政治献金の目的について問われ、「民主主義を維持していくにはコストがかかる。企業がそれを負担するのは社会貢献の1つだ」と説明。「政策提言とか言っちゃいけないんですか? 希望とか要望とかどこの国でもやってる。何が問題なのか」と述べ、政党交付金と企業による政治献金の「二重取り」との批判を一蹴した。
自民党安倍派の裏金疑惑の渦中に、岸田首相が、経団連の会合で「陳謝」したことに、SNSでは批判的な声が殺到している。
《経団連に「お詫び」だとさ 献金貰えなくなっちゃうからね》
《心からお詫びが国民じゃなくて“経団連”って…バレてごめんなさいってことかな?》
《お詫びする相手が経団連!?何も期待してないから辞職してくれ》
岸田首相、経団連ともに、政党助成金と企業献金の「二重取り」を解消する気は、さらさらないようだ。だが、それで「裏金疑惑」による政治不信を払拭することはできるのだろうか。
( SmartFLASH )