大阪万博は「回転ずし」コーナーだらけに? 吉村知事の豪語虚しく“目玉消滅”で会場はスカスカ必至

2カ月前は「ベイエリアをぐるぐる」と豪語していたのに(大阪の吉村洋文府知事) 政治・経済

大阪万博は「回転ずし」コーナーだらけに? 吉村知事の豪語虚しく“目玉消滅”で会場はスカスカ必至(日刊ゲンダイ 公開日:2023/10/17 06:00 更新日:2023/10/17 06:00)

2025年大阪・関西万博の「目玉」が次々と消滅危機だ。まず日本初の商用運航を目指す「空飛ぶクルマ」の機体量産が、開幕に間に合わない見通しだと判明した。

「府と大阪市は会場の夢洲と、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど大阪の観光地5カ所を空飛ぶクルマで行き来する計画でした。しかし、委託された4つの企業グループのうち、2つは量産に必要な安全認証の取得が遅れ、26年の取得を目指すと発表。1つは商用運航を断念し、万博までに調達できる機体数は最大数機にとどまる見込みです」(運営主体の日本国際博覧会協会関係者)

■空飛ぶクルマも海外パビリオンも頓挫

大阪府の吉村知事は8月のイベントで「大阪のベイエリアを、普通の人が自転車に乗るみたいに、空飛ぶクルマに乗ってぐるぐる回っているのを、万博でやります」と豪語していたが、13日の会見では「飛べば十分だ」「地下鉄のようにすごく飛び交うようなイメージにはならない。万博がゴールではなく、レガシーとしてどう残していきたいか、だ」と思いっきりトーンダウン。未来の暮らしを変える「移動革命」の象徴のはずが、「しょぼい万博」のシンボルとなりかねない。

「万博の華」の海外パビリオンも自前での建設を断念する国が続出。当初は60カ国による計56施設の出展が見込まれていたが、各国が独自に建てる「タイプA」の建設を諦める国が相次いでいる。

背景にあるのは建設業界の資材高騰や人手不足で、建設費の予想額を上回り、契約が難航。多くの国が他国と共同使用の「タイプC」や、日本側によるプレハブ建て売りの「タイプX」に移行する意思を表明し、建物自体が展示物で万博の目玉となるタイプAは最終的に当初予定の半分以下、20カ国程度になってしまう可能性もある。

大手ゼネコンのホンネは「万博に近づきたくない」

そのため、建設予定地の区画が想定通りに埋まらず、スカスカとなる懸念も出始めている。15日付の朝日新聞は「(大阪発祥の)回転ずしコーナーにすればいい」と万博協会幹部の投げやりな声を伝えていたが、そもそもタイプAの建設も開幕に間に合いそうもない。大手ゼネコン関係者が言う。

「事実上の工期は来年いっぱいなのに、会場の夢洲に資材を運ぶ動線は現状2ルートしかなく、軟弱地盤の夢洲では40メートルの深さまで杭を打たなければ強固な地盤に届かない。おまけに、その杭を万博終了の数カ月以内に撤去するよう義務付けられています。杭工事は安全に引き抜く方が大変なんです。建設が間に合うと思っている関係者は皆無に近く、大手ゼネコン各社は皆、万博に近づきたくないのがホンネです」

このままでは、開幕しても万博会場は空き地だらけ。まさか、更地同然のスペースを回転ずしコーナーで埋め尽くす気なのか。7500円もの入場料を払って、回転ずしを食べに行くアホはどこにもいない。