10月導入のインボイス制度で国民生活は大混乱 年商300万円の個人商店なら手取りが15万円減る可能性も

インボイス制度導入が国民を大混乱に陥れる 政治・経済

10月導入のインボイス制度で国民生活は大混乱 年商300万円の個人商店なら手取りが15万円減る可能性も(週刊ポスト 2023.09.01 07:00)

マイナ問題の泥沼化で支持率低落が止まらない岸田文雄・首相。国民の不満の声に耳を傾けない暴走政権は、この10月に日本をさらなる大混乱に陥れようとしている──。自民党ベテラン議員はこう見限った言い方をする。

「マイナ問題にしても福島第一原発の処理水海洋放出にしても、判断自体はやむを得ないとして、総理には国民の理解を得ようという努力が見えない。こんなやり方を続ければ支持率はもっと落ち込むはずだ」

その岸田首相は9月に内閣改造を行なう方針で、例年なら改造前には入閣や留任を求める議員の猟官運動が活発になる。だが、今回は党内に“異変”が起きている。

「マイナ問題担当の河野太郎・デジタル相や加藤勝信・厚労相は閣外に出たがっているし、入閣適齢期の議員たちも“岸田内閣で大臣になっても選挙にプラスにならない”と敬遠している。官邸は目玉となる大臣候補たちに入閣を打診しても色よい返事をもらえないから、何度も人事案の練り直しを迫られている」(同前)

いまや目端の利く政治家は泥船の岸田政権に乗り込もうとしないのだ。

それに追い討ちをかけるのが、10月から導入する消費税のインボイス制度だ。岸田政権が推進するこの政策によって、マイナ問題以上の国民生活の大混乱が巻き起こるのは確実な状況なのである。

インボイス制度は国税庁に登録した課税事業者だけが消費税の正確な税率や税額を証明するインボイス(適格請求書)という名の領収証を発行できるようにする制度だ。現在、課税売上高が1000万円以下の商店、自営業、農家、フリーランスなど小規模事業者は消費税を納付する義務が免除されているが、登録すれば売り上げ1000万円以下でも消費税を納めなければならなくなる。

なぜ「インボイス」導入で個人事業主が困るのか

インボイスを発行できないと取引から排除される可能性があるため、免税業者は登録=課税を選択するか迫られる。政府は「課税の公平」を名目に、免税業者を減らしていく狙いだ。経済ジャーナリストの荻原博子氏が指摘する。

「一番影響が大きいのは売り上げが小さい事業者。年商300万円でその半分が仕入れ経費という個人商店や自営業者の場合、消費税を納めなければならなくなると手取りが年15万円も減る。

本来、免税措置はそうした零細事業者の救済のために定められているものです。『課税の公平』というなら免税制度を廃止するのが筋だが、それでは批判を浴びるからインボイスというややこしい仕組みをつくって免税業者に半強制的に消費税を納めさせようとしている」

※週刊ポスト2023年9月8日号