東電に柏崎刈羽原発を運転する資格があるのか 原子力規制委員会が「適格性」を再び審査

東京電力・柏崎刈羽原子力発電所 社会

東電に柏崎刈羽原発を運転する資格があるのか 原子力規制委員会が「適格性」を再び審査(東京新聞 2023年6月22日 20時03分)

原子力規制委員会は22日の臨時会合で、テロ対策不備で事実上の運転禁止命令を出している東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)について、命令解除の可否を議論する際には、再発防止策の状況に加え、東電に原発を運転する事業者としての適格性があるのかどうかを再び判断する方針を決めた。

規制委は2017年、6、7号機の再稼働審査で、東電に適格性があるとした上で新規制基準への適合を決定。しかし、その後にテロ対策の不備をはじめ、東電社員が6号機の火災防護などについての書類を無断で持ち出し紛失するなどの不祥事が相次いでおり、地元自治体からは東電の適格性を疑問視する声が上がっている。

山中伸介委員長は会合で「(東電の)適格性に関する技術的能力の再確認をしたい」と述べ、ほかの委員4人から異論は出なかった。今後、適格性を確認する方法を議論する。

この日の会合では、東電の小早川智明社長が再発防止策の取り組み状況を説明。「7月中をめどに、改善に向けた仕組みを整えたい」との見通しを示した。また、6、7号機の再稼働について会合後の報道各社の取材に「地元の理解が得られて初めて再稼働できる。時期の見通しは立っていない」と述べた。

柏崎刈羽原発では20年3月以降、侵入検知装置が多数故障し、代わりの対策も不十分だった。規制委は21年4月、原発内の核燃料の移動禁止を命令。今年5月、侵入者の監視体制や情報共有など4項目で改善が不十分として、命令を解除せずに検査を続ける方針を決めた。